第4話 護衛
昼食を食べた後で、俺とユーリさんは例の不死のスキルを持つ者に会うために教会総本山後に向かう事にした。
「だいたい何日ぐらいかかりそうですかね?」
「レイン君、そうだね。状況によるけど一月はかからないと思うよ。」
確かに何かあればまた時間がずれるかもしれないけど、まあそんなに長くはならないみたいだな。
「結局2人で行くんですか?」
「そうだね、あまり多いと警戒させるから、少人数にしないとダメだと思うんだよ。」
「そんなに警戒心が強いんですか?」
「多分ね、俺達よりも年上で部屋に強制引きこもりみたいだからね。」
ユーリさんや爺ちゃんよりも年上なんてどんな姿なんだろうか?
「なんか、嫌な予感がしますよ。」
「レイン君、もう遅いよ!それじゃあ楽しく2人旅と行こうか!」
そういって俺はユーリさんに強制的に連れて行かれそうになった時、
「ユーリさん、すみません。レイン兄さんを連れて行くなら1人護衛に連れていってください。」
「おや?ジェイド君が付いてくるのかな?」
「いや、私はレイン兄さんの代わりをしないとなんで。」
「それじゃあ他の家族の誰かかな?」
「いえ、今回は別の人ですよ。今回はロウに頼んであります。」
ロウ
俺たちの村に最初にきたメンバーの1人で、村を守る為の自警団に進んで志願してくれた青年だ。
戦闘では短槍で力より技での戦いを得意としている。
「レイン君、その人物は信用できるのかい?」
「?大丈夫ですよ。」
何故ユーリさんは、そんな事を聞いてきたのだろうか?
何か今回の件にはまだ隠していることがあるのだろうか?
「・・・まあ、確かに心配はなさそうか。」
ユーリさんは、それだけ言ってロウに会うために移動を開始した。
村の入り口付近にロウはもう待っていて、俺達に気付くとこちらに近づいてきた。
「今回はよろしくお願いします。」
ロウは俺とユーリさんにお辞儀をしてきた。
「・・・大丈夫みたいだな。こちらもよろしくお願いするよ。」
いったいユーリさんはなんの心配をしていたのだろうか?
「ロウ、今回はこっちこそ頼むよ。」
「もちろんですよ、レインさん!」
「レイン兄さん、ロウにはちょうどいい機会なのでよろしくお願いします。」
なるほどな、ジェイドの目的はロウにこの村以外の場所を見せておきたいんだな。
別の村の警備態勢などを実際に見させて、ロウなりに色々と考えさせたいんだな。
まあ、確かにこの村以外の事を知っておく事は大事だから、教会総本山後までにある途中の村の説明を後でしておくか。
「わかったよジェイド。村とみんなの事は任せるよ。」
「もちろんです。安心して行ってきてください。」
「もういいかい?それじゃあレイン君、それにロウ君も目的地に向かって出発しよう!」
ユーリさんの言葉を合図に俺たちは村を後にして、目的地の教会総本山後に向けて出発した。