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Rebellion Cord 〜黄昏の彼方へ〜  作者: shun
十章 黄昏の彼方へ
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第11話反逆者


俺は何もない真っ暗な空間に立っていた。


「ああ、そうか俺は死んだのか。」


かすかに残っている記憶の最後は、邪神に攻撃が通ることなく一方的に嬲られ最後に心臓を貫かれたところだった。


「俺は結局中途半端で終わりなんだな。」


邪神の言っていた通りだな。

俺は自分で意識しないうちに恩恵に頼りきっていたんだな。

そのためにそれが通じないと何もできなかった。


「ちくしょう!せっかくあと少しなのにこんなざまかよ!」


こんな空間で俺は何もできないまま、ずっといることになるのだろうか?

さっきから何もここには来ない。


しかし、今考えると俺はどんな覚悟で戦っていたのだろうか?

最初は憎さからきていたのかもしれないが、時間がたつにつれてただ戦っていただけだったな。


剣の力の代償かもしれないが、どんな想いを持っていたのかがわからない。

それどころか、少しづつ今も記憶がかけて言ってしまっているのかもしれない。


まあ、そんな事も俺にはどうでもよくなってしまうのだろうな。

なんせ、邪神に負けて殺されてしまっているのだから。


てか、いい加減この空間がなんなのか説明してほしいな。

いわゆる、生死の狭間の世界みたいなもんなんだろうか?


もう俺にはやれる事は何もないんだから早くどうにかしてほしいな。

そんな事を考えている時だった。


「お前はもう諦めるのか?」


「え!」


「お前はこの程度の事で全てを諦めるのか?」


「誰だ?」


おかしいな。

聞いたことのある声のはずなのに誰だかわからない。


「どうも忘れてしまったみたいよ。」


「全く情けないな。」


話しかけてきた人物とは他に2人いるみたいだな。

なぜだろうか?

この声を聞いていると、懐かしいような悲しいような複雑な気持ちになってくる。


「ギリギリ間に合ったみたいだな。」


俺の目の前に男性が2人と女性が1人現れた。


「あなた達は?」


「なに、死者の先輩だ!」


「ふざけないの!」


最初に話しかけた男性を女性が殴り飛ばした。

おかしいな、俺はこの光景を知っているはずなのに思い出せない。


「なあ、お前は自分の名前を覚えているか?」


別の男性が俺に話しかけてくる。

自分の名前を覚えているかって、当たり前だろ忘れる訳無い!

俺は・・・嘘だろ!


「その様子だと、忘れてしまったみたいだな。」


「はい。」


「なら教える。お前はレインだ。」


俺はレイン、・・・そうだ!

俺はレイン・アストレアだ!


少しづつ思い出してきたぞ!

そうだ、俺は邪神を倒すために今も地上で戦っているみんなを信じて、時空の狭間にいき、邪神と戦った。

けれど結果は敗北だった。


「そうか、俺は邪神に勝てなかったんだよな。」


「お前はその結果を受け入れるのか?」


「そうするしかないだろ!本当の俺はもう死んでいるんだ!それに戻れたとしても邪神に勝つ方法がない。」


「簡単に諦めるんだな。」


「仕方ないだろ!」


俺と男性が話していると、さっき殴り飛ばされた男性が戻ってきた。


「まあ、待て。俺が話すよ。」


「・・・わかった。」


「さて、レイン場所を変えようか。」


そう男性が告げると、何もない暗闇から草原のような場所になった。


「さてと、レイン。お前は俺達と何もかもを捨ててここでずっと暮らすか?」


「えっ?」


「何を驚く、だってお前は諦めたんだろ?なら今を頑張っている人達を見捨てて、のんびりと暮らそうじゃないか!」


何を言っているんだこの男性は!


「なぜ怒るんだ?レインお前が言ったんだろ?倒せないから、死んだから結果を受け入れ見捨てると。」


!!

俺は!


「なんだ?納得していたんじゃないのか?」


俺は、みんなを見捨てていない!


「無理だと諦めたんだろ?」


「違う!」


「何が違うんだ?」


「俺は、見捨ててない!俺は、こんな場所でお前達と一緒になんて暮らさない!」


「なら戻るのか?」


「戻れるならそうするよ!邪神を倒すよ!たとえどんな犠牲を払おうとな!」


「なら犠牲として自分の命を出せるか?」


ああ、そうだった!

俺は何をやっていたんだろう。

覚悟をしていたのに、俺は迷ってしまっていたんだな。


何やっているんだよ!

俺の命なんかよりあいつらの方が大切じゃないか!


「おや?だいぶいい顔になったね。」


「ああ、戻って邪神を倒すよ。」


「そうか、レインよく決意できたな!ご褒美に方法を教えてあげるよ。ただしわかっているね、一回しかできないよ。」


俺は男性に静かに頷いた。


「君の双剣はなぜ2つだったと思う?」


いきなり何を言いだすんだ?

双剣が、剣が2つなのは当たり前だろう。


「ふふ、なんでそんなことをって顔だね。君の双剣は本来は1つなんだよ。ただその状態で力を使えばあっという間に死んじゃうから、あえてわかれていたんだよ。物理破壊と精神破壊元はその両方を持っていたんだよ。わけたがゆえに、軽くなってしまった。ならば答えは簡単だろ?」


そういう事か!

邪神の言っていた、軽いっていうのは俺の覚悟と剣の力のことだったんだな!


「レイン、お前はまだ死んでいないよ。今は単純に仮死状態なだけだよ。運がいいことに心臓を少しずれて刺さったからね。」


「戻れるんだな!」


「まあ、結局死にに戻るようなものだけどね。」


「構わないよ!」


「そうかい、なら戻るといいよ。君の最後の戦場に。」


男性が指をさした方に光の渦が見えた。


「あそこを目指せば戻れるよ。」


「わかった。ありがとう!」


俺はすぐにそこを目指して走り出した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


another side ???


「あーあ、息子にフラれちまったよ。」


「あなた、仕方ないわよ。レインにはまだまだやる事があるんだから。」


「そうだぞガイル。それに俺たちには最後の仕事があるぞ。」


「なあ、ルード俺たちはともかくお前もいいのか?」


「ああ、構わないさ。最後にしっかりとレインの成長は見れたからな。」


「しかし、レインはすっかり忘れていたな。アイリス様には聞かされていたがかなり辛いな。」


「あなた、それはそれだけレインが頑張ったのよ。」


「わかっているさ。だって俺たちの自慢の息子だぞ!さてとぼちぼちと準備をするか!」


「そうね。」


「そうだな。」


レインが無事にここから出て行くのを確認してから、俺たちは最後の準備へと移動を開始した。


俺は最後にレインが向かった方を見て、


「頑張れよレイン!反逆者(リベリオン)は成功しない反逆ではない事を示してやれ!最後は必ず俺たちが救ってやるからな!」


そして俺も先に行った2人の後を追う。

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