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Rebellion Cord 〜黄昏の彼方へ〜  作者: shun
十章 黄昏の彼方へ
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第10話敗北


「ここだ!」


俺は邪神に一気に近づき剣を振り下ろす。


ガキン!


「な!」


「何を不思議に思っているんだ?」


邪神ダレスは、何事もないように剣で防いだ。


「愚かだな。いつから私の固有の恩恵を二つのみと思っていたんだ?そんなわけないだろ。」


そのまま俺は押し返されてしまう。


「離れていいのかな?」


「ちっ!」


離れるとすぐにそこを爆破されてしまう。


「ほらほら、もっと私を楽しませてくれよ。」


くそ!

接近して攻撃をしても、剣で防がれてしまう。

しかも何のスキルかわからないが、どんな攻撃も流されて返されてしまう。


かといって、距離ができてしまうとそこにあの遠距離攻撃による追撃を受けてしまう。


ならば隙ができるまで接近戦で持って行くしかないか!


「うおおお!」


「ほう?面白い!」


俺はただひたすらに剣撃を繰り出していく。

邪神はそれら全てを綺麗に流してかわしていく。


「くそ!」


「無駄だよ。貴様の攻撃は私に当たることはないよ。ほら踊れ。」


その言葉と同時に、今度は俺の攻撃の隙をついて邪神が攻めてくる。


「ちっ!これならどうだ!」


何とか俺も反撃をするが、まったく当たる気配もしなかった。


「ほらほら、何とかしないと死んじゃうぞ!」


こうなったら、剣のスキルを使って武器を壊して攻撃をするしかないな!

俺の体が持つか不安があるが、このままじゃ最悪の結果になってしまうからな。


次に邪神と斬り合う瞬間にクリムゾンの力を発動させて邪神の剣を破壊しようとする。


ガキン!


「な!嘘だろ!」


「おや?どうしたんだ?」


邪神は俺が驚いたのを見てニヤニヤしている。


クリムゾンでの破壊が無理なら、ダークネスの精神攻撃をするしかないか。


俺はすぐさまもう片方の剣の力を発動させて、同じように邪神に斬りかかる。


ガキン!


「!!どうなっているんだ?」


「なんだ、その程度か?興ざめだな。」


ドスン!


俺の体の奥に響く痛みが走った。


「ぐふ、なんだ?」


「たんなる蹴りだ。この程度で地を這うか。無様だな。」


今のが蹴りだというのか?

いったいどうなっているんだ?


「そもそも貴様は勘違いしているな。」


「勘違いだと?」


「そうだ、私のこれは恩恵以外でもあるんだよ。」


「どういうことだ?」


「私は神だぞ?これくらいの力は最初から持っているよ。」


そうか!

俺は前提を間違えていたんだな。

確かに今のやつの体が持っている固有スキルは有限だが、もともとやつの持っていた力は関係ないのか!


けれどそれと今のがなんの関係があるっていうんだ?


「貴様は自覚がないみたいだな。自覚がないままに貴様は恩恵に依存をしすぎているのが原因だ。便利な力は確かに役立つが、その結果人を堕落させる。無様だな、貴様は私に負けてここで果てる。」


邪神は俺に追撃をしてくる。

俺はそれを転がってかわし、起き上がるとすぐに反撃をする。


「俺は負けない!かならずお前を倒す!」


ガキン、キン、ガキン!


「情けないな器、貴様の攻撃は軽くてつまらない。」


「ふざけるな!」


俺は両方の剣の力を発動させて、斬りかかる。


「だから軽いんだよ!」


俺の攻撃は呆気なく、邪神に防がれてしまう。

さっきからずっとこれが繰り返されるばかりだった。

やがて俺の方に限界がきてしまう。


「ぐはっ!」


体が悲鳴をあげ、吐血をしてしまう。


「器よ無様だな。力に振り回されて自滅するか。」


俺はもはや動けそうもなかった。

邪神は俺にゆっくりと近づいてきて、剣を上にあげた。


俺は最後の力を振り絞って邪神に攻撃を仕掛ける。


「だから、貴様の想いも思いも軽すぎるんだよ。」


邪神が振り下ろした剣を防ごうと、とっさに双剣で受け止めたが、


バキン!


「な!」


双剣は邪神の剣によって砕かれてしまった。


「弱いな。」


ガン!


俺は顎を邪神に蹴り上げられ仰向けに倒れた。

すると邪神は俺の頭を掴んで持ち上げて顔を覗き込んだ。


「なあ、弱いってどんな気分だ?」


「うぐぐ!」


「貴様は結局何も救えないんだよ。もう飽きたここで無様に死ね。」


ドス!


邪神は剣を俺の心臓に突き刺した。


「あっ!がっ!」


俺は激痛に体が勝手に痙攣をしてしまう。

やがて意識がなくなっていった。


「つまらなかったな。」


邪神は剣を引き抜くと、興味を失ったのか俺の体を投げ捨てた。

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