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Rebellion Cord 〜黄昏の彼方へ〜  作者: shun
十章 黄昏の彼方へ
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第4話裏切り


「新しい報告です!」


魔獣の総攻撃と、ヘイブルとアストラにそれぞれ倒した敵が現れた連絡がきて、しばらくしてからその報告がきた。


「他の村にもそれぞれ魔獣の中に1人人間がいるらしいです!」


「やはりそうか。」


アレスさんがそう呟いた。


「報告はそれだけでなく、中には人間を優先的に攻撃して倒せた場所もあるらしいのですが、しばらくすると何事もなかったように動き出したとのこと。」


「嫌な予想が当たったみたいじゃな。」


「ええ、このままでは戦力的に徐々にこちらが不利になっていきますね。」


爺ちゃんとユーリさんはそう冷静に分析をしていた。


「しかも、各地に援軍を送りたくても、こちらも攻められているので隙を見て送り出すのも不可能だな。」


王様もそう言ってきた。

確かに援軍に向かいたくても、こっちも魔獣の群れとレジーナが向かっている以上、それらを倒してからじゃなきゃ向かえない。


しかも、援軍に向かっても各地にたどり着くのに時間がかかってしまう。

そうなると、最悪たどり着くまでに全滅してしまう。


この場にいる全員が同じ結論を思い浮かべたのか、誰もが沈んだ表情をしていた。


「どうにかして、この状況を打開できないもんかね。」


爺ちゃんが全員に意見を求める。


「一つあります。邪神を先に倒す事ですね。」


珍しくジェイドが考えをいった。

そうだな、確かにスキルの元を倒せれば今の状況が変わるかもしれないな。


「確かにそうじゃろうが、問題はそやつがどこにおるかじゃ。」


「爺ちゃん、それなら奴は時空の狭間にいるよ。」


「レイン、しっとるのか?」


「ただ行く方法がわからないんです。」


「・・・ふむ、なぜ知っとるかは今は聞かないでおこう。しかし、時空の狭間とは初めて聞くのう。」


「私も初めてだな。今から調べようにも時間が足りないだろうな。」


爺ちゃんと王様はそう答えてきた。

結局は生き方がわからない以上どうしようもないか。

せっかくここまできたのに、ここで手詰まりになってしまうのか!


そんな時だった。

いきなりこの部屋の入り口付近に変な紋様が浮かび上がった。


「なんだ?」


「敵か!」


全員がそちらを見て警戒をすると、その紋様から1人の男が現れた。


「失礼させてもらいます。器以外は初めてですね。私は邪神の元眷属(・・・)のライケルです。」


そう、現れた男はあの時村を襲撃した1人だった。

俺はすぐさま席からその男に襲いかかり、そいつを床に叩きつけた。


「おまえ、なんのつもりだよ!今更何をしにきた!」


「!!レイン君待て!落ち着け!」


俺はすぐにユーリさんとアレスさんに、ライケルから離された。


「レイン君、落ち着いて!彼は自分で元眷属と言ったんだよ!」


「・・・・・・すみません。」


そうだった。

こいつは自分で元眷属と言っていた。

しかし、本当に信じられるんだろうか?

いつでも戦える準備だけして、一応話を聞くことにした。


「器の気持ちは理解しているつもりだ。私は自分がしてきた事は謝るつもりはない。もちろんした事の言い訳もしない。」


「それで何をしてきたんだよ。」


「・・・ダレス様を止めて欲しい。もちろん、こんな事を頼むのは筋違いだとわかっている。しかし、彼の方は在り方を間違えてしまった。私が彼の方の眷属になったのは地上の再生だった。けど今はただの破壊衝動しか残っていない。だからこそ止めて欲しい。かわりに私のできる協力は全てさせていただく。」


「なら、情報を開示してくれ。今邪神は何をしているんだ?」


「もちろん、話させてもらいます。彼の方は地上に直接干渉できないためにスキルを使って地上を滅ぼそうとしています。」


邪神のスキルとは、いったいどんなものなんだろうか?

俺が疑問に思っていると、王様が話しかけた。


「邪神のスキルと今各地で何が起きているのかは、教えてくれるのか?」


「彼の方はのスキルは虚像作成(ホロウメーカー)と言い、死んでいる人間や魔獣を複製できます。今各地には魔獣と死んだ眷属達が自我のない状態で送り込まれています。眷属達は、レジーナ、ボロン、イワン、ゲイツ、ベイル、ルーガイ、リメアそれと器と親しかった人物が1人です。場所もわかっています。」


「親しかった人物とは?」


「最近まで一緒にいた方です。」


!!

最近まで一緒にいたって事はルードさんの事か!


「では、その場所に先ほど現れたのと同じ方法が使えるのか?」


「可能です。」


「お主が裏切っている可能性は?」


「それは信じていただくしかありませんね。無理なら殺していただいて構いませんよ。ただ、そうなると邪神のいる場所へは行けませんけど。」


そうか!

こいつは時空の狭間に、さっきの方法で自由に行き来ができるのか!

そうなると、嘘をついているかもしれないが、可能性にかけるしかないの?


「もっとも、私はこの件が済めば勝手に死にますので心配はいりませんよ。」


どういう事だ?

なぜこいつはそんな事を言ってくるんだ?


「・・・わかった。今は時間がおしい。お主にかけよう。誰がどこに行くかを決めよう。」


色々と聞きたいことがあるが、確かに今はこの状況をなんとかするのが優先か。


そのあとは、誰が誰と戦い時間を稼ぐのかの話し合いになった。

その結果は、レジーナに対してはグレンとルナ、ミリーが担当する事になり、母さんにはリリーとヘレンさん、父さんにはアレスさんとユーリさん、ボロンにはレン、イワンにはレドとユフィー、ゲイツにはギギ、ベイルにはバルドとライナ、ルードさんにはジェイドがそれぞれ担当する事になった。


リリーは俺と一緒に時空の狭間に行くと初めは言っていたが、ライケルがそこに連れて行けるのは1人が限界との事で母さんの足留めをする事になった。


そして、ライケルによってみんながそれぞれの場所へと移動をしていき俺は最後になった。


「少しだけいいだろうか?」


そしていよいよ俺の番になった時ライケルは俺に話しかけてきた。


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