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Rebellion Cord 〜黄昏の彼方へ〜  作者: shun
九章 アストラ王城決戦
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第3話相談


敵の中に父さんと母さんがいる事はわかったものの、いつ襲ってくるのかわからないだけに用心するしかないと、アレスさんと結論づいてから、俺はルードさんの言い残した誰かに今の事を相談する事にした。


やはり話す相手はリリーするべきだよな。

俺はそう考えてアレスさんに、リリーと2人で話がしたいと伝えると、すぐに了承してくれてリリーを呼びに行ってくれた。


「レイン、大丈夫なの?」


「見ての通り、意識はあるけど動けないよ。」


「意識が戻っただけでもよかったわ。それで話ってなに?」


「それなんだけど、かなり唐突な話になるけどいい?」


「・・・・・・大丈夫よ。話してみて?」


「ああ、どこから話すべきかな。そうだな、俺には武器を生み出すスキルがあるんだ。」


「あれでしょ?双剣の事を言っているんでしょ?」


「そうだよ。ただ、その双剣にもそれぞれにスキルがあったんだよ。」


「・・・どう言う事?」


「俺じゃなくて双剣自体にあったんだ。」


「それっておかしくない?自分で生み出した武器にスキルが付与できるなんて、はっきり言って異常よね?」


「ああ、俺もそう思うんだ。けど現にそれによって俺は何度も助けられているんだ。」


「その力ってちなみになんなの?」


「全ての物体の破壊と精神体の破壊だよ。」


「そんなに強力なの?」


今になって本当に話すべきなのか少し悩んでしまう。

リリーに一緒に背負わせてしまっていいのだろうか?


「レイン、お願い話して。」


リリーは、きっと俺が何を考えたのか気付いたのだろう、そう俺に言ってきた。

俺は覚悟を決めて、リリーをみて話す事にした。


「強力な分、反動もすごいんだ。」


「具体的にはどんなものなの?」


「体の怪我の治りが遅くなったり、リリーの知っているところだと、味覚が鈍くなったりしているよ。それが一つ目の反動。」


「やっぱり味が濃くなったのは、そういうことがあったからなのね。それが一つ目って事は他にもあるの?」


「ああ、こっちが厄介なんだ。・・・記憶がなくなっていくらしい。」


「!!それって!」


「俺自身、最初は自覚がなかったんだ。けど今だと自分の育った村の名前が出てこなくなっているんだよ。」


そう。

あの精神世界で、アイリスに指摘をされてから俺なりに記憶を思い出してみると、かなり忘れてきてしまっていることがわかった。


俺と関わりのあった人は比較的覚えていたが、関係の薄かった人はもう思い出せなくなってしまっている。

更には、地名に関してはほぼ忘れてしまっていた。


「そんな!それじゃ、その力をこれからも使い続けると全部忘れてしまうかもしれないの?」


「ああ、それもありえる。」


「そんなのあんまりよ!レイン、もう力を使わないって選択は?」


「ごめんリリー、それだけはないよ。俺は、父さんや母さん、ルードさんに恥じない生き方をしたいんだ。」


「・・・・・・その結果全てを失っても?」


「ああ、けどどんな事になろうと、生きていくつもりだよ。」


「・・・・・・そうよ。もう誓いあっているんだから。」


「そうだよな。約束は絶対に守るよ。」


するとリリーは、俺の体を抱きしめてきた。


「痛、リリーどうした?」


「ごめん、レイン今だけはこうさせて。」


俺の胸の部分が湿っていくのがわかった。

俺はその事は言わずに、ゆっくりとリリーを抱きしめ返した。

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