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Rebellion Cord 〜黄昏の彼方へ〜  作者: shun
九章 アストラ王城決戦
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第2話最悪の敵


「うっ。」


俺は目を覚ますと、瓦礫が周りに散乱している場所だった。


「そうか、教会総本山後だったんだ。」


「おや?レイン君、目が覚めたかい?」


「アレスさん。」


「まだ起き上がらない方がいい。どうも怪我の治りが遅いみたいだからね。」


俺が起き上がろうとすると、アレスさんに軽く止められた。

実際少し動こうとしただけで、全身に激痛が走って無理だった。


「あの後どうなりましたか?」


「レイン君が分かっている通り、敵は死亡したが、こっちもルードが死んだよ。」


「そうですか。あのルードさんの亡骸は?」


「髪を一部とルードの愛刀を残して、あとは魔獣に喰われたくないから、遺骸は燃やしたよ。」


「そうですか。」


「あいつには、家族が居なかったから、墓は村に一緒にするつもりだよ。」


「ルードさんって、家族が居なかったんですか?」


「ああ、もともと孤児で傭兵団に引き取られたらしいからな。独立した後も、これといった出会いはなかったらしいな。」


「そうだったんですね。俺、自分の身近な人の事すらあまり知らなかったんですね。」


「レイン君、それは当たり前だよ。本来なら長い時間をかけて知っていく事なんだから、今知らなくても仕方ないよ。」


「でも!」


「知らないのが嫌なら、これから知っていけばいいんだよ。」


「それじゃ意味がないですよ。」


「そんな事ないよ。確かにルードにはもう話し合う事はできないが、君がルードがどういう人生を歩んできたのかは、ルードを知らない人には伝えられるだろ?」


確かにそうだな。

ルードさんとはもう話せないが、他の人には話す事は出来るんだな。


「そうですね。悔んでばかりじゃダメですね。」


「少しはいい顔になってきたね。」


アレスさんは心配をしてくれていたんだな。

俺の答えに満足をしたように頷いていた。


「そういえば他のみんなは?」


「レイン君が動けるようになるまで、どうするのかを話し合ってもらっているよ。」


「そうなんですか?それなら俺も参加した方がいいですよね?」


「あー、それなんだが、まだレイン君に話さなきゃいけない事があるから、他の人たちには中に入らないでもらっているんだ。」


なんだろうか?

アレスさんがなにやらものすごく言いづらそうにしている。


「どうしたんですか?」


「いや、そのな、なんていえばいいのかな。レイン君、驚かずに聞いて欲しい事があるんだよ。」


「なんですか?」


「今回の戦いの前に君とルードが、仮面をつけた人物に襲われただろ?」


「はい、確かに戦いましたよ。」


「私とヘレンも戦ったんだ。」


あね異様に強かった仮面の人物と戦ったのか?

なぜ戦った事を言うのを渋っているのだろうか?


「レイン君、君達は仮面の人物が1人だけだっただろ?」


「はい、そうでしたよ。」


「私達は2人いたんだよ。そしてその2人と戦って仮面を壊したんだ。」


!!

それってつまり仮面の人物が何者かわかったって事だな。

けどなんでそれでいい出すのを渋っていたんだ?

ひょっとして俺の知り合いだったんだろうか?


「レイン君、落ち着いて聞いてくれるね。」


アレスさんは俺に念押しで聞いてきた。


「大丈夫です。」


「・・・・・・仮面の人物は、ガイルとメアリー、つまり君の両親だったんだ。」


「・・・・・・は?それはないですよ。だって母さんが死んだのは、目で見てますし父さんは、確かルードさんが確認してますよ?」


「そうだね、私達も村に戻った時に、だいぶ傷んでしまっていたけど、2人の死体はみているからね。」


「それなら、似ている別人なんじゃ?」


「私は2人とは長い付き合いだから、見間違える事はないよ。」


一体どう言う事なんだろうか?

父さんも母さんも、死体は確認されているのに、仮面をつけて俺たちに襲ってくるなんて。


そういえばアイリスが言っていたっけ、次が一番の試練になるって、それはつまり俺は自分の両親と戦わなくてはいけないのか。


「アレスさん、父さん達はなんて言っていましたか?」


「なにも言わなかったよ。これは私の感じた印象だけど、ガイル達は無理やり操られているようだったよ。」


「本当ですか?」


「ああ、ガイルの本気はよく知っているからね。あれは力を使いこなせていなかったよ。」


ひょっとしたら、イワンと同じように強制的に従わされているのかもしれない。

確かイワンも、死んだはずだったのに生きて操られていたらしいから、ありえるかもしれないな。


「それがわかっても、父さん達と戦うしかないですよね。」


「そうだな。解除の仕方がわからないからね。」


まさか、父さんに母さんと戦わなくちゃいけなくなるなんてな。

これは覚悟を決めても、かなり辛いな。

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