第11話仮面の正体
another side アレス
2チームに分かれてから裏へと向かっているところだった。
「それにしても、ルードは心配のしすぎだろ?」
「あなた、けどルードの言う心配もわかるわ。」
「お父様、お母様何の話ですか?」
「リリー、何かあるわけじゃないんだが、ルードとレイン君が襲撃を受けただろ?」
「それは知っています。それがどうしたんですか?」
「その敵がガイルと同じ技を使っていたらしい。」
「それってどういう事ですか?」
「あいつに弟子はいないんだよ。」
ルードがあえてレインを仇のいる正面に一緒にしたのには理由がある。
それがこの襲撃者にあった。
奴らは封印の解除を第一目標にしている可能があるから、遭遇しないようにしたのだろうな。
「お父様それってこっちにその人がくるんじゃないですか?」
「だからこそ厳重にしないとなんだ。」
「それって危険なんじゃ?」
「それで封印の場所は私とヘレンが対応する。リリー達は魔獣をおさえてくれ。それはグレン君を中心に頼むよ。」
「僕ですか?」
「ああ、例のやつで頼むよ。」
その後は私とヘレンだけが地下におり、リリー達には裏を担当してもらった。
「それであなたはどう思っているの?」
「わからないな。何者か予想ができないよ。」
「まあ、会えばわかるわね。」
「そうだな。」
しばらくして、封印のあった場所にルードが言っていたような、仮面をつけた人物が2人現れた。
「おや?ルードの話と違ってもう1人いるぞ?」
「数え間違いかしら?」
「さすがにそれはないだろ?」
「それじゃあ増殖したのね。」
「増殖って、まあどちらを選ぶ?」
私はヘレンにそう言いながら、仮面の二人組をみた。
片方は剣を持っているが、もう1人は武器を持っていない。
これは面倒みたいだな。
「そうね、久々に暴れたいから丸腰の怪しい方にするわ。」
「そうかい?なら剣を持っている方をもらうよ。」
仮面をつけているせいで、相手の表情を読めないのがやりづらいな。
対峙をしているが、肝心の封印がないことに疑問を持たないのだろうか?
「・・・・・・」
いきなり仮面の二人組が私達に仕掛けてきた。
キン!
「!なるほどルードが驚くはずだ。」
「・・・・・・」
「一応聞いておいてやるよ。何故だ?」
「・・・・・・」
「答えないのか、答えられないのか。いずれにしろ敵なんだな?」
「・・・・・・」
私は仮面の人物と斬り合いをしてよくわかった。
ルードが危惧していたのはこの事だったんだな。
敵の攻撃の仕方は、かもしれないではなく、しかいないなんだな。
「という事は、相方もそういう事なんだな?」
「・・・・・・」
「なるほど、操作されているんだな?」
「・・・・・・」
「長い付き合いだ、言わなくてもわかるさ。」
まったく何故こんな事になっているのかは、後で問いただせばいいだけだから、今はこいつを何とか止めないとだな。
そうしている間にも、俺たちは次々と斬り合いをしていった。
もはや互いに怪我をしていない場所を探すのが難しいくらいだ。
少し視線をヘレンに向けると、やはり予想通りに敵はフレイルを使っていた。
「たく、役目が謎だな。」
「・・・・・・」
さっきから気になっているのが、こいつら封印がもうないのに何故私達と戦っているんだ?
他に何かすることがあるのだろうか?
しかし、ここにはもはや何もないぞ?
・・・・・・待てよ。
ここには何もないが地上ではレイン君達やルードが魔獣達と戦っている。
そして、間違いなくレイン君はボロンという人物と戦っているだろう。
ボロンという人物の固有スキルは、自分の体をバラバラにして操るものだったよな。
もし、それが違っていて別のスキルだったら?
そういう事か!
敵は邪魔になるものを、部下を使い捨てにして潰す気か!
「ヘレンまずいぞ!」
「あなたも気付いた?」
「ああ!」
急いで敵を退けて援護に行かないとだな!
「悪く思うなよ!時間がない。」
俺は固有スキル次元斬を使った。
「!?」
仮面の人物はその場に立っている。
次の瞬間!
カツン!
仮面が2つに割れて地面に落ちた。
その仮面の下には、
「やっぱりそうだったか。」
「・・・・・・」
「意思があれば、私に勝てるだろうが今は無理だぞ。」
「・・・・・・」
「ここは私の勝ちだよ。・・・・・・ガイル。」
そう。
仮面の下から現れた顔は、私達が弔ったはずのレインの父親ガイルだった。
「あら、そっちも終わったみたいね。」
ヘレンが私に近づいてきた。
やはり、ヘレンの相手はメアリーだったか。
2人はそれ以上攻撃する事なく地上へといなくなってしまった。
「これは、どう説明するべきかな?」
「慎重にしないと危険よね?」
「ひとまずは、みんなに合流しようか。」
私達も地上へと向かった。
そして、私達は空を見上げ意識を失っているレイン君と息を引き取ったルードを見つける事になった。