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会話文ばかりで読みづらいかもしれません
「お父様、婚約ってどういうことですか!」
私はアレン様が帰ったあと大急ぎで探し出した父親に詰め寄る。
「ミレアに傷をつけたんだぞ、男なら責任をとるべきだろ?ちょうど婚約破棄するというしな」
良かった良かったと笑いながら言う父親に殺意がわく。それでも冷静にと自分を落ち着かせる。
「私のケガなどとっくに治っていますし、傷つけられたとも思っていません。責任など取らなくて結構です。しかもアレン様はダリアと婚約破棄したばかりです。原因はお父様もおわかりですよね?そんな男性と婚約など、ましてや結婚など出来ません」
「ダリア様か、、レインがぼやいていたな。まさかダリア様がなぁ」
「と、とにかくアレン様との婚約は正式なものではないのですよね?だったら」
「そうだが、ミレアはアレン君の浮気が心配なのか?今後は浮気の心配はないだろうから安心していいぞ」
は?
私の話聞いてました?
普通父親なら自分の娘のことを想ってそんな男に娘はやれないとか言いますよね。私を溺愛する心はどこへいってしまったんですか?それにアレン様が今後浮気をしない保証などどこにもありませんよね?
「お父様!」
「まぁまぁ、落ち着きなさい」
立ち話もなんだから座りなさいと勧められたソファーへ座る。父親は私の対面へと座った。
「まぁ、話を聞きなさい。この前話し合いに行った時レインがアレン君に勘当だって言いながら物理的にボコボコにしていて、なんだか可哀想になってしまってね。元々ミレアにケガさせた責任は取らせるつもりだったし色々口添えしてあげたわけだよ」
「口添え、、、それが婚約ですか」
「そういうこと。レインは有言実行の男だからあのままじゃアレン君は本当に勘当されてたはずだ。アレン君は私達親世代の間でも優秀だと評判だし、人当たりもいい。彼の人柄も好かれている。社交にはもってこいの人材だ。勘当なんてもったいないじゃないか。家には子供はミレアしかいないだろ。ミレアにはいずれ侯爵家を継ぐため婿をとってもらうことになる。ちょうどいいところにいたんだよ、優秀で従順な婿が」
続けて
「はっはっはっ!勘当されて平民と次期侯爵じゃ比べようもないだろ?一生私には頭はあがらないだろうね。アレン君には侯爵家の為、領民の為に死ぬ気で働いてもらおう」
お父様、私にケガさせたこと許してないのね、、。優秀はともかく従順って、、、脅したわけじゃないわよね。
「でもきっとアレン君は次期侯爵を立派に務めあげるだろうね。私は人を見る目は確かだと自負している。もちろんミレアの幸せを考えた上でそう言っているよ」
「でもお父様」
「時間はあるんだ。アレン君とじっくり話してみるといい。今日だって追い返してしまってろくに話をしてないんだろう?」
「それでも話は進めずにお願いしますね」
「保留にしておこう」