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「ユール!何をしている!!」
「え?、、、あ、父上」
「あ、じゃない!何をしているのか聞いているんだ!いいから、そ、そ、その手を早く離せ!」
そこでやっとミレアの手を握りしめていることに気がついたユールはパッとその手を離す。
「ごめん」
目の前には赤くなったミレア
ユールは思った。
(やっぱりかわいい)
「ミレア!」という声と共にミレアはコーラル侯爵の背に隠されてしまった。目の前には恐ろしい顔をしたコーラル侯爵。正直怖い。でもここで引き下がるわけにはいかないとユールは勇気を出す。
「コーラル侯爵、私はミレアとは今は友人です。が、「皆様そろってこんなところでどうしたんです?」」
ユールの宣言の途中でミレアの母親が割って入った。
「ご挨拶しようと伺ったら客間のほうに誰もいないんですもの。探してしまいましたわ。アベール伯爵ですね。ようこそいらっしゃいました。こちらは息子さんかしら?」
アベール伯爵もミレアの母親のいきなりの登場に戸惑いながらも答える。
「えぇ、息子のユーレイルです」
「初めまして。アベール伯爵次男ユーレイルと申します」
「まぁ、素敵なご子息ですね。あなたがユーレイルですか。ミレアと仲良くしてくれているのよね。ミレアから話を聞いたことがあるわ」と、ユールへ笑顔を向ける。
続けてアベール伯爵へ「こんなところじゃなんですから客間へ戻りませんこと?」と誘う。
「いや、私達はそろそろ失礼しようと」
「あら、そうでしたの?せっかくお会いできたというのに。ではまたいらしてくださいな。もちろんユーレイルを連れてね」
「お前、それは」
「あなたもそう思うわよね?」
妻に睨まれたジェリックに拒否権などあるわけがない。
「あ、あぁ、また来てくれるとうちの妻も喜ぶ」と顔を引きつらせながら歓迎の言葉を絞り出すジェリック。
アベール伯爵はコーラル侯爵夫妻に何度も頭を下げて帰っていった。
++++
ミレアは母親の部屋へきていた。
「お母様ありがとう」
「何の事かしら?」
「さっきの、庭の、、お父様とユールの間に入ってくれたこと。お母様が来てくれて本当に良かった。さっと現れて魔法使いみたいだったわ」
「ふふっ、ここから下を見てごらんなさい」
「あっ!」
二階の窓から庭を見下ろすとさっきまでミレアとユールがいた場所が丸見えだった。
「お母様見ていたのね」赤くなるミレア。
「ミレアはユーレイルが好きなのかしら?」
「好きか嫌いかで聞かれたら好きです。もちろん友人としてですけど」
母親の問いに冷静に答えるミレアだったが次の問いには、、。
「じゃあ、カインだったかしら、あの子は?」
「カ、カインって、なんでカインがここで出てくるんですか、、」
急にカインの名前を出されてなぜか焦ってしまうミレア。
「あなた達は仲が良いんでしょう?だから聞いてみただけよ」
「友人ですもの、仲が良いに決まっているじゃないですか。カインも大切な友人です!」
「ふぅーん。大切ね」
少し意地悪な笑みをミレアへと向けた。
「大切って、、、友人は大切にしなさいってお父様もお母様もよく言っていたじゃないですか。それですから。もう部屋に戻ります。お母様さっきはありがとう」
『パタン』
ミレアは早口で一気に話を終わらせ母親の部屋を出ていった。一人になった母親は独り言を呟いた。
「ミレアはカインが好きなのね。あの子私に似て面食い。ふふっ」
こちらもユーレイルの愛称を間違えていましたので訂正しました。




