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ミレアは家へ帰り自室のベッドに座ると今日あったことを思い出す。
直接ではないにしろカインに告白された。そしてアレン様に抱きつかれて、侯爵様にアレン様を許すようにそれとなくお願いした。ダリアには帰りの馬車でどうするの?なんて聞かれて。
「なんか色々あったなぁ。どうするも、、ねぇ」
あの後カインとは話さずに帰ってきてしまったが、ミレアはカインの事を考えていた。
(アレン様と違ってカインは誠実そうだし、穏やかで優しい。顔立ちも理想の王子様のような美男子。好きだと言われて断る女性はいないわね。まだ数回しか会ったことがないけど、、、そりゃ好きか嫌いかで聞かれたらす)
そこへ父親が乱入する。
「ミレア!レインのバカ息子に襲われたとは本当か!」
(はぁ、、アンね、口止め忘れてた)
「お父様落ち着いて。襲われてなどいませんから。あれはですね、興奮、いや喜びのあまり、(これじゃアレン様が犬のようですわ)ううん、あれは事故?です」
「事故?」
「そうです。私が転びそうになったのを支えてくれたんです。アンですよね?きっとそれを勘違いしたんですわ。オホホ、、心配しないで、お父様」
「本当なのか」
怪しむ父親に再度同じ説明をして無理やり納得させる。この父親は娘可愛さにおかしな方向へ話を進めそうだ。
(お父様が他に言わないってことはアンはカインのことは言わなかったのかしら?それかよっぽどアレン様のことが嫌いか、、、)
渋々でも納得した父親から後日指定された時間に家にいるように言われる。
「アベール伯爵から仕事の話という事で家へ来ることになった。それと息子をつれてくると言っている」
「ユールですね。ダリアを通じてユールとは仲良くさせて頂いてます」
「あそこは薔薇の品種改良で有名だな。ダリア様か。ダリア様の紹介というなら間違いないか。ミレアも同席しなさい」
何が間違いないのか、これ以上父親が暴走しないよう注意することにした。
「お父様。もう変な考えは止めてくださいね。お母様に言いつけますよ」
「、、、分かっているよ」
++++
そしてユールがくる日となった。
「ようこそ。さぁこちらへ」
ミレアの父ジェリックが執事に連れられてやって来たアベール伯爵と息子であるユーレイルを客間へと迎えいれる。
父ジェリックの隣へミレアが座り、ジェリックの向かいにアベール伯爵、その隣にユーレイルが座る。
簡単な自己紹介を済ませると大人二人は仕事の話をし始める。
「うちは今薔薇の品種改良に力を入れてましてね、、」
「評判は聞いていますよ。なんでも、、、」
「いやいや、それほどでも。実は今回お願いしたいことがありまして、、」
「なるほど、それは、、、」
(しばらくたっても話を振られるわけでもないし、これって私達邪魔じゃない?)
ユールへ視線を移すとユークもまたミレアを見ていた。二人とも苦笑いだ。このままこうしていても仕方ないとミレアは父親へ話しかけることにした。
「お話し中申し訳ありません。お父様、お仕事の邪魔になるでしょうからユール様と少しお庭に出ていますわ」
「あぁ、すまない。アンには用事を頼んでいて同席出来ないが二人は友人のようだ。大丈夫だろう。アベール伯爵も宜しいですか」
「えぇ、ユール失礼のないようにな」
「はい。父上」
ということで二人は庭へと出ることになった。他愛もない話が続いていたが急にユールが真剣な顔になりミレアへと告げる。
「ミレア、私は本当にあの演奏会の日、君に一目惚れしたんだ」
「ユール、私は」
「返事は急がなくていいよ。じっくり考えてくれていいから。今日は無理言って父さんに連れてきてもらったんだ。びっくりしたでしょ、ごめんね。すこしでもミレアに会いたかったから」
「、、ユール」
ユーレイルはミレアの右手を自分の両手でキュッと握りしめ目を合わせ気持ちを伝える。
「ミレアの事、本気だから」
ミレアの顔は真っ赤だ。
「今日は貴重なお時間頂いて申し訳ありませんでした」
「いやいや、有意義な時間でしたよ。是非協力させてください」
「そう言っていただけると、、、ゆ、ユール!お、お、お前!何して、、」
「、、、アベール伯爵、これは一体、、」
ジェリックとアベール伯爵は仕事の話も終わり帰る為庭へミレア達を呼び戻すのに出てきたのだったが、そこで見たものは手を握り見つめ会う二人の姿だった。
ユーレイルの愛称が間違っていました。訂正しました。




