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海を吐く歪なチョーク

寒い夜

作者: 海之本

星はなく

骨まで凍え

震える体

引きずって


どこに行こうか


あの子は

帰ってこない

またねと残し

香りすら消して


探しに出かけ

彷徨い続け


あちらに向かっても

こちらに向かっても


真っ黒色の

冷たい暗闇


どうして寒い?


襟元掻き寄せても

風が入り込む


誰も

誰の

姿など

見えやしない


夜の冷たさに

あの子は怯えて

泣いていないか?


迷っているから

遅いのか

諦めているから

来ないのか


月光も

外灯も


こんな寒い外

温かいものなんて

ありはしない


闇の中

眩しい魅惑

ちっぽけな身を

忘れさせ


誘われ

近づき

手を伸ばせば

ほら

焼き焦げた

虫の屍


信じたものは

信じたかったものなのか


沈んだ夕陽の残照

空に残る月の跡

あの子と消えた


さらさらと

腹の底まで

冷たく染め

白色さえ呑み込む


こんな闇に

雪さえ

落ちたくはないだろう


だから

あの子は消えた


震えるだけの

無能な虫

置き去りにして


もういいよ

これまで通り

またひとりで

歩いていくだけ


あまりの静けさに

耳鳴りがする


この手が触れた

唯一の温もり

嘘ではないはずだ


寒い

寒い


あの子の頬

冷えた指に感じたい


焦げた虫のように

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― 新着の感想 ―
[良い点] こんばんは。 >こんな闇に 雪さえ 落ちたくはないだろう 底冷えするような闇にぐっと引き込まれました。 気づけば読みながら「温もり」をどこかに求めている自分がいて、“共感する”と自覚する前…
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