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回想 10年前 鎌倉

~回想 10年前 鎌倉~


 潮の匂いがする。海を眺めるのが好きだ。自転車でどこまでも行けると思っていた。坂道を駆けおり、海を見に行く。夏以外の季節に砂浜に降りると少しだけこの浜辺を独占した気になれた。


 この場所は好きだ。船を見るのも好きだ。父親がこの場所に越してきたのは、東京から離れたいけれど、遠くに行きたくないからという事だと聞いたことがある。


 観光客用に店を開いたのだ。海を遊覧できるための船、といっても大き目のヨットだが、を購入して観光客を乗せてクルージングする。その待ち合わせのために店を用意したのだ。


 火野八雲も幼少期からヨットに乗せてもらっていた。


 ヨットがある店から砂浜までは少しある。海を眺めながら自転車を走らせる。海と緑を眺めながら自転車を漕ぎ続ける。それが楽しかった。


 火野八雲は決めていたことがあったのだ。家から向かう先、ゴールと決めている場所がある。


 そこは大きな寺がある。鎌倉には寺社が多い。名前はわからない。自転車を止めて、石段をかけあがる。その先に苔がびっしり生えた大きな石の近くを歩いて奥に進んでいく。


 立ち入り禁止の看板がある。その手前まで行く。昔の武士か何かの鎧が置かれていたということが書かれてある看板を見る。


 そう見ていたら「コツコツ」という音が聞こえた。振り返るとそこに女の子が居た。


 黒い髪を長く風に揺らいでいる。大きな瞳、整った顔立ち。かわいいはずなのに、その唇がやけに赤くて、そして不自然に端があがっている。笑っている顔。でもどうしてか怖さがあった。


 服は和服を着ていて、靴じゃなく赤くきらびやかなのめりがある下駄を履いている。手に巾着を持っている。


 歳はそう変わらないはず。10歳くらいだ。ゆっくり歩いてくる。火野は動けずにいた。


「どうした?誰かの墓参りか?」


 そう言われて火野は初めて気が付いた。今まで苔の生えている石ばかりを見ていたが反対側は数多くの墓があるのだ。何々家の墓とか書いてある。そう言われて今まで気にならなかった端にある地蔵像がこっちを見て笑いかけたようにも見えた。


「ううん、違う。この場所が好きなんだ」

「ふ~ん、知っているか?死んでいないのに間違って埋葬された人っているのを。死んだと勘違いされて、誰にも気が付かずに埋葬されるの。埋められちゃうんだよ。でも、気が付いても真っ暗で狭い中に閉じ込められている。

 深く、深くに埋められているから出ることができないの。そう、狭いそこは棺の中なのよ。出ることができないから棺をたたくの。コツン、コツンと。

 ねえ、聞こえない。あなたにも。あの音が」


 そう言われて火野はどこからか聞こえる「コツコツ」という音を聞いた。


 それまで目の前の女の子の下駄が石畳を歩いている音だと思っていた。だが、目の前の女の子は一歩も動いていない。


 一体どこから音がするんだ。耳を澄ます。聞こえてきたのは立ち入り禁止の札のある奥側だ。


 覗き込むとその先はまっくらだ。だが、石畳が続いている。女の子が言う。


「その先は黄泉の国につながっているのよ。踏み込んだら戻ってこれないぞ」


 そう言われて火野は後ずさった。だが、遅かった。暗闇から手が伸びてきて足首をつかまれた。


「ぎゃー」


 そう言って腰が砕けた。しりもちをつく。その様子を見ていてさっき居た女の子が笑っている。そして、その立ち入り禁止の所から色違いの着物を着た女の子が出てきた。同じように髪が長い。ただ、こっちの女の子の方が体が大きい。

 体の大きな方の女の子が言う。


「おもしれえ、ここ最近ずっとここに来ていたからちょっと脅かしてやろうと思ったらしりもちついてやがる。お前、それでも男か?」


 そう言って笑っている。そして赤い下駄で火野の身体をつついている。


「なんだよ。怖かったんだ。悪いか」


 10歳にもなっていない火野は涙を拭きながらそう言った。体がおっきな方の女の子が言う。


「おかしいと思わなかったのか?死体は火葬されるんだよ。ここにいるものでそのまま埋められているヤツなんていないんだよ。そう、気が付いたら火葬場で周りから燃やされそうになっているって感じなんだろうな。だから気を付けて寝るんだな。死んだとまちがえられたら土の中じゃなく火の中で燃やされるんだ」


 火野は涙を拭いて立ち上がった。


「そんなの怖くないね」


 すると後ろから小さな方の女の子がこう言ってきた、


「死ぬのが怖くないの?」

「怖いさ。でも、仕方ないだろう。だって、死なない人はいないのだから」


 火野はそう思っていた。東京から鎌倉に出てくる前に祖父が亡くなったからだ。二男だった父親は家業を継いだ兄と仲が悪く東京を離れることを決めたのだ。


 子供相手とはいえ、父親はきちんと説明をする人だった。祖父が生きていたら東京に残っていたのだろう。だが、祖父はもういない。だからお金の一部を相続してこの場所に店を構えたのだ。大きな方の女の子が言う。


「お前、面白いな。名前はなんていうんだ」

「火野八雲。お前は?」


 そう言って大きいほうの女の子が「ああ、俺は二階堂清美、そしてこっちは妹の朋子。よろしくな。八雲」と言って手を出してきた。握手をするのかと思ったら手のひらにスライムが付いているのかぬるっとした。


「おい、そんな悪戯やめろよ」

「なんだ、怖がらないな」

「その手には乗らないよ。僕を怖がらせたいのなら悪魔でも連れてくるんだね」


 そう、そのセリフからだ。この3人がこの立ち入り禁止の奥に入って怪しげな黒ミサという名の遊びを始めたのは。




 立ち入り禁止の奥には蝙蝠が居たが、注意してくれば特段襲ってくることはなかった。それに、この先にあるのは多分昔の兵士が隠れる場所に使っていたのだろうか。入り口こそは狭かったが奥はそこそこ広い場所だったのだ。


 二階堂姉妹と火野はまず不老不死について考えた。だが、不老不死になるために何をしていいのかわからなかった。


 そのため、悪魔を召喚して悪魔に願いをかなえてもらうということをはじめたのだ。魔方陣を書いて、生贄として小動物の血を捧げる。それは鼠の時もあれば、猫の時もあった。蝙蝠は大量にいるから蝙蝠の時もあった。


 死骸は残ると大変だから離れたところに埋めた。


「なかなかうまく行かないな」

「そうだな。でも、なれるとしたら何になりたいんだ?」


 火野はそう尋ねられてこう答えた。


「吸血鬼。そう、俺は吸血鬼になりたいな」


 少し前に見た映画の影響だったのかもしれない。けれど、そう口に出したのだ。




 何度か二階堂姉妹は火野の家にも遊びに来た。だが、火野が二階堂家に遊びに行くことはまだなかった。


 一度二階堂家がどこにあるのか知りたくてこっそり尾行をしたらものすごく大きな家だったのでびっくりしたのを思い出した。


 毎日3人で遊んでいた。学校に行ったとしてもこんな怪しげな話しで盛りあがるわけもないので3人は放課後になるのをいつも待ちわびていた。


 図書館で調べ物をして、いつもの寺に集合する。集合するときは火野の家の時もあった。


 火野自身も一緒に過ごしているからわかってきたことがある。まず、悪戯を考

えるのはいつも二階堂清美、そう姉の方だ。だが、実行をするのは二階堂朋子の方だ。


 そして、口が悪いのが清美で、言い訳や説明がうまいのは朋子の方だ。


 歳は清美が2歳上、朋子が2歳下。でも、この二人は不思議と体の大きさは違うけれど顔つきはすごく似ていた。


 いつも3人でいるのを見て火野の母親がよせばいいのに「やっくんはどっちの子が好きなの?」と聞いてきた。しかも二人ともいる時にだ。その言葉に二階堂清美がまず反応した。


「じゃあ、結婚だな。どっちを選ぶんだ?もちろん俺だろう選ぶのは?」


 そう言ってきたかと思うと朋子の方は普通に腕をつかんで火野を見つめ続けている。しかもそれが笑顔やおびえている表情ならまたかわいいのだが、無表情なのだ。唇だけがやけに赤い。


「もてもてね。やっくんは。じゃあ、大きくなったら二人ともと結婚しちゃえばいいよ」


 火野の母親は空気を読まずにそう言ってきた。火野は気が付いていた。その言葉はいずれ束縛になる。


「じゃあ、約束ね。結婚してあの船で大海原を旅しよう!」


 二人から言われた。火野はもう笑う事しかできなかった。苦笑いという。




 何もなく楽しい日々だと思っていた。相変わらず悪魔は召喚できない。おかげで、妖怪の方がいいのではという話しになった。妖怪を探すために僕らは色んな所にでかけるようになった。


 その一つが永福寺だ。寺といってもすでに寺はなく跡を見ることもできない。廃寺だからだ。草が茫々で見る影もない。だが、こういう廃寺になっている所の方が何かを呼びつけるのではないかと二階堂清美が言い出したのだ。いや、違ったかもしれない。うまく思い出せない。


 そういう場所を好んで行くようになった。だが、この永福寺跡に行った時が良くなかった。


 そう、人気のいない場所に行く。それは物の怪や怪異だけがそこにいるわけじゃない。その場所に行った後に変な連中に絡まれたのだ。


 学生服を着た男性。しかも4人組だ。


「おいおい、女の子を連れてこんな人気のないところに連れ込んでいけないな」

「何をしているのかな。いけないことしちゃいけないって教わらなかったのかい?」


 そう言っていきなり自転車を蹴り飛ばされた。火野は勢いよく転がって行った。火野は身を起こして顔を上げた。そこには震えている朋子と気丈にふるまっているけれど足が震えている清美がいる。


 目の前に木の枝があった。大きな枝だ。気が付いたらその枝を手に持って振り回していた。


「行け。早く」

「でも」

「いいから」


 清美と朋子は自転車で走って行った。殴られ、蹴られ気が付くと火野は気絶していた。目を醒ました時は病院のベッドの上だった。


 本来ならば守ったはずの火野だが、二階堂清美と朋子の父、正文はこの火野にも罰を与えた。もちろん、中学生だった4人の男子生徒にも鉄槌が降りている。


「お前がつれださなければこんなことにはならんかった」


 その言葉に火野八雲の父は反発した。だが、二階堂正文はその反発を楽しんでいた。


「ほぉ、誰かと思ったら新参者の癖に儂に挨拶をしてこなんだやつか。ちょっと商売というものを教えてやろうではないか」

 

 その次の日からまず、地元業者は父の店に商品を卸せなくなった。また、近くにもっと安いクルーザーを用意して客を奪い出した。



「どうして、こんなことになるのよ」


 火野の母親がそう言った。怪我をしてから火野は家にこもりがちになった。変わりに家に清美と朋子が遊びに来るようになった。そして、もう一人朋子の弟が来るようになった。


 あの事件以降、二階堂正文が養子を取ったのだ。


 そして、もう一つ知ったことがある。この界隈の地主でもありレジャー事業と観光事業を取り仕切っているのもこの二階堂正文とその一族なのだ。


 一族の中には県議員と市会議員もいる。


 そして、養子を迎え入れたこの子供。二階堂一族の遠縁らしい。


 メガネをかけておどおどしているその弟の名は「トオル」と言う。


 トオルはまだ小学3年生だ。どうやら清美が色々と吹き込み、そして朋子がその話術で籠絡したのか言われるがまま、まるでこの二人のロボットのようだ。


 だが、この二階堂家が火野家に来ることを良しとしないのかいつも家の周りには見知らぬ黒いスーツの男性が取り囲むようになった。


「護衛ですから気にしないでください」


 そう言うが店のまわりを強面の黒スーツの男性が取り囲めば必然的に客足が遠のいて行く。


 結局、火野の母親が二階堂姉妹にお願いをして家に来ないようになったのだ。だが、一度離れた客足は戻ることがなかった。



 それから数日して一度二階堂朋子が家に一人で遊びに来た。


「私もここで暮らそうかな」


 そう二階堂朋子はつぶやいた。だが、その日の夜。


 火野の父は亡くなった。


 ヨットのマストから首をくくったのだ。警察が来た。火野八雲は自殺なんかあり得ないと主張した。だが、客足が遠のき売り上げも落ちている。悩むことは多かったのだろうということで火野八雲の主張もむなしく自殺として処理をされた。



 その日を境に火野八雲の生活は変わる。そう、母親のつてを頼り上越まで引っ越したのだ。


 しかも、ほとんど夜逃げ同然のような形で。そのため引っ越してから手紙で二階堂清美と朋子にはがきを送ったのだ。そう、どうしてそうなったのかわからなかったのだ。



 火野は荻みどりにそう昔のことを話した。何杯コーヒーを飲んだのかわからない。すでに夜の2時だ。外は天候が悪いのか雪が降ってきている。ひんやりとする空気が伝わってくる。


 火野と違って荻みどりは紅茶を飲んでいる。ポットがないため飲むたびにお湯を沸かしている。話しが終わって落ち着いたのかコンロでお湯を沸かしている。マグカップにお湯を注ぎコーヒーと紅茶を用意する。


「それで、聞きたいことがあるんだけれど」


 荻みどりが紅茶を飲みながら話している。紅茶はストレートだ。コーヒーもブラック。二人とも砂糖もミルクも使わないのではない。この家においていないからだ。


 コーヒーを飲みながら火野は頷く。


「まず、今日来た清美と朋子って仲いい姉妹なの?」


 そう言われて火野は気がついた。あの二人は仲のいい姉妹だと始めは思っていた。だが、二人が火野の家に来るようになってから変わっていったのを覚えている。


「多分、それほど仲がいいとは思えない。どちらかというと清美が俺と朋子をいじめるようにしていたからだ。そう言えば朋子は何度も父親と母親に火野家の子どもにして欲しいっていっていたな。狭い家よりあんな豪華で広い家の子でいるほうがいいはずなのに」


 火野はそう言いながら、あの広い家に住みたいかと言われたら、そうではないと言うだろう。そう思いながらいつ、二階堂家にあがったのか思い出せなかった。遊びに行った記憶はないのに、なぜか家の中を覚えているのだ。広い敷地、家。うらやましいと思ったが幸せには見えなかった。


 それに今住んでいる所も広くない、だが、それで十分だと思う。このマンションで荻みどりと一緒にいること。色んな制約はあるけれどこの状況に幸せを感じている。そう思うと少しだけ朋子の思いがわかるような気がする。あれだけ怒り狂っていた父親とその怒りに便乗する母親。あの二階堂家の二人には清美と朋子はおしとやかなお嬢様に見えていたのだろう。実際、カエルは解剖するし、蝙蝠だって解体する。その血を使って魔法陣を書くことを楽しみにしていた。人を驚かすことが好きで、顔が似ている二人だからできるトリックをして観光客を驚かしていた。たわいない子どもの遊びかもしれない。けれど、驚いて腰を抜かす人を見ながら笑えないと思ったこともある。


 そういえば、その時に見た朋子の顔も似たような表情をしていたようにも記憶している。


「その弟はどうだったの?」


 そう、声をかけられて火野は我に返った。


「弟はほとんど記憶にないんだ。二階堂家ともめるようになってからしか会っていないし、そもそもそこまで話すこともなかった。暗い子だったのは覚えている」


 すでに顔も思い出せない。なんとなくみすぼらしいボーダーのシャツを短パンを履いていたのは覚えている。けれど、顔が思い出せないのだ。黒くモヤがかかった状態。まるで顔などはじめからなかったようにも思える。


「最後に約束って何?結婚のこと?」


 やはりそこに触れてくるよな。そう火野は思った。


「ああ、約束は二つなんだ。一つは清美と朋子と二人と結婚をすることなんだ。まあ、これは母親のノリで始まったものなんだ。もう一つは元々の俺の夢だったものにあいつらが乗っかったんだ。

 そう、親父の店を俺がついで船に乗って海外に行くというものだ。特に吸血鬼がいるといわれている北欧に旅に出ようと話していたんだ。まあ、子どもが話す取りとめもない約束だよ」


 そう言ったが荻みどりは納得をしない。荻みどりが言う。


「ねえ、そのヨットって今どうなっているの?」


 そう、父親の自殺とともに色んなものが売却された。いや、かなり安く買い叩かれたのだ。そう、二階堂正文によって。


 あの店も形を変えて残っている。ヨットもだ。ヨットには「hino」とかかれてある。だからこそ火野はこの苗字にこだわっている。


 それに船に乗るために色んな訓練もした。実際、その思いは荻みどりに会うまで、いや付き合うと決めるまでしていたのも事実だ。だが、荻みどりと付き合い、状況は変わった。そう、変わったのだ。だから、この家には船に関するものは何も残っていない。そのはずだ。


「ねえ、ひょっとしてその船って二階堂家が買い取ったんじゃないの?」


 そう言われて火野は何も言えなかった。続けて荻みどりが言う。


「八雲って嘘がつけないんだよね。すぐにきょどるし、目が泳ぐ。まあ、だから私が安心できるんだけれどね。もし浮気なんかしてきたら普通のままで居られないのがわかるから」


 そう言って荻みどりが笑う。


「じゃあ、そろそろ寝ましょうか」


 そう言って荻みどりは電気を消す。部屋の隅には万年床のようにずっと敷かれている布団がある。


 火野は何事もなく終わってよかったと思った。布団に入ると荻みどりが火野の耳元でこう言った。


「裏切ったらわかっているわよね」


 低いその言葉はまるで鋭利な刃物のように突き刺さったのだ。


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