#8 グルメ旅行、トウキョウ編
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#8 グルメ旅行、トウキョウ編
5月前半、世の中はゴールデンウィークという連休の続く毎日。
もちろん学校も例外ではなかった。
そんな訳で朝から学校に行かず、家で家族と一緒に過ごしていた。
「よう、優衣奈!今日から連休だな、どこか行きたいところはないか?」
同じく会社も休みでクルマという乗り物を運転できるお父さんは、
一緒にどこかへ行きたがっている。
「それはいいんだけど...なんでお母さんは休みじゃないの?」
「んー、、漫画家の助手ってやつは作品によって休みとかは
まちまちなんじゃないか?まあ俺もそんなに詳しくは分からんのだが。」
とりあえず休みなのは父と私と弟だけだった。
「...あ。俺今日は遊びに行くのパス。
これから友達と遊びに行く予定があるから。」
「そ、そうか...。」
分かりやすくテンションが下がる父。
せっかくの休みだから家族と一緒に遊びたいのだろう。
そうねぇ、行きたいところ...というよりかは、今の気持ちはこうだった。
「...そ、そうだお父さん...!私、美味しいものが食べたい!」
「美味しいもの?」
抽象的すぎる。
「た、例えばチキン南蛮弁当...とか...」
それを聞いた父が突然悲しそうな顔をしてこちらに寄ってきた。
「そんな悲しいことを言うなっ!!
...よし、今日は父さんがいっぱい美味いもん食べさせてやるからな...!!」
泣いて私の肩に手を乗せる父と
苦笑いしている弟。
こうして父と私のグルメ観光が今、幕を開けるのであった...。
---東京、新宿。
渋谷と並ぶ、トウキョウの中心地で
たくさんのお店や企業の本社ビルなどが並ぶエリア。
本当にここで美味しいものを食べられるのかしら...
父がクルマという乗り物に乗せてくれたおかげで快適に行けた。
「着いたぞ。」
まず最初に連れて来られたのはビルが並ぶ通りの一角にある
とんかつ屋というもの。
「...とん...かつ?」
ここではとんかつという揚げ物を中心に
定食やサンド、丼ものなどを食べられるらしい。
---
「いらっしゃい!」
中に入ると、広々とした店でお客さんは誰もいなかった。
それもそのはず今の時間は11時過ぎ、開店したばかりみたい。
「お、ちょうどよかったな。」
席に座り、メニュー表を見てみる。
「とんかつ...ってこれ?わぁ、とっても美味しそう!」
とりあえず店の一番人気、とんかつ定食を頼んでおいた。
------
「お待たせしました、とんかつ定食ね。」
おお、これがとんかつ定食...
黄金色に輝くそれは、食べる前から美味しいと伝えている。
さっそく箸で持って一口食べてみる。
サクッ...
「!!!!!」
なんだこれ、すっごく美味しい!!
外はサクッと、中は濃厚で、食べた瞬間に分かる肉の旨味!
「あはは...ほ、ほら、ソースやご飯と一緒にかきこむと
もっと美味しいぞ?」
そ、ソース...?
ああ、これかしら。
とんかつをソースにくぐらせ、ご飯に乗せる。
するとどうだろう、肉が、ご飯が、輝いて見えた。
サクッ...
「!!!!!」
ああ、なんて素晴らしいんだろう...
さっきまでの肉肉しさが、ソースを入れたことによりマイルドになる。
ご飯との相性も最高で、箸が、箸が、止まらない....っ!!
----------
「ふはーっ、ごちそうさまぁ...!」
満足そうに食べ終わる私と、それを見て喜ぶ父。
いつのまにかお店は混雑してきた。
「さて、と...次はデザート食べに行くぞ。」
こうしてとんかつ屋を後にした私たち。
次は...って、まだ何か食べるの?
---東京、原宿。
若者の中心地として有名なエリアらしい。
この前行った渋谷の一部みたいだが、大きな交差点のある渋谷とは
まったく違う通りが広がっていた。
「おっ、こことかどうだ?」
道行く人達をすり抜け、カフェという場所にたどり着く。
「...へぇ、パンケーキ...」
パンケーキはあっちの世界でも食べたことがある。
昔、母が人間族のお土産にもらってきたから。
けれどなんだか粉っぽくてあんまり美味しいとは思わなかったわね...
とりあえずこっちの世界でも食べてみることに。
---
「いらっしゃいませ!」
店内は、若い人だらけで、父と来ている人なんていなかった。
「2名様ですか?こちらの席へどうぞ!」
「な、なんか...すごいな。。。」
珍しく父が緊張している。
私も、はじめて来た場所なので緊張気味だった。
「ご注文は何にしますー?」
するとすぐにうさ耳を付けた店員さんが話しかてくる。
「苺パンケーキを2つ。あとアイスコーヒーとクリームソーダを1つずつ...」
「かしこまりました!」
とりあえずこの店の人気商品、苺パンケーキを食べることになった。
-------
「お待たせしました、苺パンケーキですっ!」
運ばれてきたのは、大きな円い生地に
クリームと苺が飾られた美味しそうなもの。
...すると父はなぜかそれを写真に撮っている。
「いや、SNSにアップしたりしない...ぞ?」
そう言って恥ずかしそうにする父。
とりあえず私もマネして撮ってみた。
そうしてパンケーキに手をつけてみる。
「はわわわわ....!」
私の知っているパンケーキじゃない...!
ナイフで切ると中にもフワフワのクリームと苺が...!
一口、まずは味見をしてみることにした。
「わああああ!!」
すごい、これは美味しい!!
フワっとした生地に、クリームの優しい甘さと苺の程よい酸味。
くどすぎず、甘すぎず...
完璧な甘さが口の中で調和する...!
とんかつを食べたあとだったにもかかわらずあっという間に平らげてしまった。
そしてクリームソーダ、という飲み物を手に取る。
「んんっ...!!」
シュワシュワする...これがソーダ、ってやつ...?
クリームと一緒に飲むことでなんだかとっても飲みやすい甘さ。
これはもう...大満足よ...!!
----------
「んんーっごちそうさまぁ...!」
満足そうに食べ終わる私と、それを見てまた喜ぶ父。
こうしてパンケーキの店も後にした。
トウキョウってこんなに美味しいものがいっぱいあるなんて...
転生することができてよかった...!
心の底からそう思う私なのであった。
「よし、次はあの2人のお土産買いに行くぞ。」
「ええっ、まだ行くの?!」
父と私のグルメ旅行はまだ続く...
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
気軽に反応を頂けると嬉しいです。
少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、
どうかよろしくお願いいたします!