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#7 雨が降ってきました

~おとめtheルル~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#7 雨が降ってきました


5月。

転校してきた学校にも慣れ、ようやくみんなと同じ生活が

できるようになってきた。

水野さんとの仲も深まり、段々みんなのことが好きになっていた私。


5月に入ってすぐの平日、まさかの事態が訪れる。


「あ、明日から4連休?!」


せっかく学校生活に慣れてみんなと一緒にいることが楽しくなってきたのに。


「そ、そこまで驚くことでしょうか...」


水野さんに若干引かれている。

すると美歩が向こうからやってきて話に加わった。


「ういーっす。何話してたんっすかー?」


「あ、美歩おはよう。あのね、優衣奈ちゃんってばね...」


「ちょっと何よっ!!」


「まだ何も言ってないっすよ...」


ぷぷー、と頬を膨らませる私。

すると教室の扉が開き、先生が入ってきた。


「あっ、もう時間っすね。またあとで。」


------


昼休みになるといつものように私と水野さんと美歩でお弁当を食べる。


「おっ、今日もちゃんと弁当持ってきたんっすね。」


「いつの話っ!」


美歩にからかわれる。

さすがにお弁当を忘れたのは初日だけよ...


「いただきます..///」


そして弁当を食べながら話が弾む。


「...そういえば優衣奈ちゃんは連休中どこか行ったりしないんですか?」


「連休...」

そうよ、どうしてこんな時期に連休なんて...


「あれ、嬉しくなさそうっすね...?」


「な、なんでよ...!そんなこと、ないわよ...!」


なんて隠そうとはしているものの、優衣奈の顔は

とても寂しそうだった。


「強がらなくてもいいんですよ。

そうだ、1日だけなら私空いてるので...」


そう言ってスマホで予定を確認している水野さん。

つ、強がってなんか...!


「でも連休よりみんなといる平日のほうが好きって人もいるんっすねー。」


弁当を食べ終わった美歩は手を頭の後ろに組みながら言う。

私そこまで言ってないから....!


「何も言ってないのになんで分かるのかって?」


...それを聞いた私の顔は美歩の腕より近かった。


「あはは、近い近い。優衣奈はすぐ顔や仕草に出るから分かりやすいっすよー」

そう言って指で私の顔を押す。ふに、ふに。


「...だからって全部お見通さないでよーっ!!」


-----


放課後。


水野さんや美歩と一緒に帰る。


「そうだ、パン屋に寄ってもいいっすか?今日から瑠香姉と佳穂姉が

家に来るって言うから...」


「連休だもんね。いいよ、一緒に行ってあげる。優衣奈ちゃんはどうする?」


「えっ...?えーと...」


とりあえずパン屋まで一緒についていくことになった。


---「いらっしゃいませー。」


ふわふわベーカリー。去年できたばかりの新しいお店だそうだ。

いつもの駅からはちょっと遠いが

たまには水野さんたちと一緒に歩くのも楽しかった。


「えーっと瑠香姉にはチョコクロワッサンで、佳穂姉には...」


すると突然、外が薄暗くなったと思うと雨が降り出した。


ザーー


「ひゃっ...すごい雨...」


驚く私に水野さんが言う。


「大丈夫ですよ、一時的な夕立だと思います...」


ピカッ.......


ゴロゴロゴロ..


雷まで鳴る。本当に大丈夫なのか...


「あれっ、急に降ってきたっすねー。」

買い物を終えた美歩が話しかける。

さすがにこの雨の中帰れない。

予報ではもうすぐ止むらしいので店の中で待機させてもらうことにした。


店を見回している途中、ふと置いてあったチラシに目を移す。


「...おっ、何か見つけたっすか?」


美歩もそちらのほうを見る。


「それ、商店街でやってるゴールデンウィークの抽選会ですね。」

近くの商店街で行われる毎年恒例のイベント。今日からやってるみたい。


...するとこの様子を見ていたおばさん店員が

私たちに話しかける。


「あら、あなたたちそれ興味ある?

そうだわ、いつもパンを買ってくれるお礼!抽選券をあ、げ、る!」


「えっ、いいんですか?!」


このパン屋さんは抽選会に参加していない店舗である。

なので抽選券をもらえる対象ではないはずなのに...


「...本当はね、私がもらったの。

近所の知り合いがいらないっていうからとりあえずもらったはいいんだけど...

私、仕事で行けないし、誰かにあげようと思ってたの。

だから全部あなたたちにあ、げ、る!」


「ありがとうございます!!」


...すると私たちのタイミングを見計らうかのように

雲の隙間から光を覗かせていた。


「あ、晴れた!」


「それじゃあせっかくだからこのまま商店街まで行ってみるっすか。」


美歩の案とパン屋のおばさんのおかげで

商店街まで足を運ぶことにした。


---商店街。

パン屋のあった通りを少し進んだ先にあり、私の家からは反対方向だ。


「わああ...久しぶりに来た...」

水野さんですら久しぶり...?

私、商店街すらはじめてなんだけど...


「あれあれあれ?美歩と藍ちゃんじゃーん!ういーっす!」

すると金髪で長い髪の女性が私たちに話しかける。


「か、佳穂姉...?!なんでここに?!」


「いやー、先に美歩ん家行ったんだけど

まだ帰ってなかったみたいだから...

ちょうどイベントやってるっぽかったここで暇つぶしに来た!」


「...っていうかまずはこの子のことを気にかけてあげてよ、佳穂姉...」

いつのまにか美歩と同じような髪に濃い紫色の女性が

私と水野さんの肩に手を置いていた...。


---「へぇ、ゴールデンウィークの抽選会...」


「田舎あるあるだね、それ!」


「いや、全然田舎じゃないから!!」


商店街を歩きながら、佳穂姉、紫姉(?)、美歩姉(??)の会話が弾む。


「...あ、ありましたよ、ここです...」


水野さんが抽選会の会場を見つけるが、3人の足と話は止まらない。


「あのっ!抽選会は、この...」


「なんっすか、藍。家はこっちに...」


「いや、本来の目的忘れないでーっ!!」


---


抽選会に来た。

もらった券はひとり3枚。

つまり合計で9回引くことができる。


「っていうか抽選会って何?」


「今まで何だと思ってたんっすか...」


とりあえず水野さんがお手本を見せてくれるらしい。


ガラガラガラ...


「はい、残念賞のポケットティッシュです。また来てね。」


なるほど、あの円いものを回せばいいのか。

券をおじさんに渡し、

力いっぱいそれを回す。


「お嬢ちゃん、お嬢ちゃん...券は3枚、3回だけだよ...」

力を入れすぎたのか、3回半で受付のおじさんに止められる。


「おお、これは...」

出てきた球は緑色をしていた。


「おめでとうございます、4等、商店街アメちゃんセットです!!」

そう言っておじさんが袋からアメをばら撒く。


「...わあ、アメが降ってきた?!」

ばら撒いたアメが水野さんに当たる。


こんな偶然もあるんだな...

今日は本当に"あめ"の多い一日だった。


続く...


はじめまして、おとめtheルルです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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