#5 友達ができました
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#5 友達ができました
妖精だった私は、
風野優衣奈として学校に通うことになった。
学校に行くと、謎の大人、福岡さんに連れられ部屋でお話をしていた。
そしてキンコンカンコンという例の鐘の音が鳴ると
福岡さんが椅子から立ち上がる。
「さて、2時間目が始まりました、一緒に行きますか。」
そうして部屋を出てこちらへ、と言わんばかり私を見る。
---ガラガラ...
「おはようございます、皆さん。授業の前に転入生を紹介したいと思います。」
そうして福岡さんの陰に隠れる私に注目が集まり、ざわついているみんな。
「これ、そんなにジロジロ見ない!緊張しますよね、大丈夫ですか?」
福岡さんは、私のほうを見るみんなから守ってくれた。
「あ...はい...」
「それでは...自己紹介お願いします。」
「...えっ?あー、えーと私は...」
妖精、じゃなくて名前は....
「か、風野、優衣奈ですっ...はいっ...!」
すると近くにいる男子たちがとてもにやけていた。
こっちの世界でも男ってこういう生き物なのね...
「ありがとうございます。そして、風野さんの席は...水野さんの横ですね。」
そうして私は水野さんという子の隣の席に座った。
椅子に座ると、なんだか今までの緊張で急に頭がボーっとしてきて.....
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「あ、あの...もしもし...?」
「...あれっ?」
気がつくと、福岡さんの姿はなく、時計の針は12時を差していた。
「え、えーっと...もう、お昼休みですよ...?」
そうして話しかけているのは隣の席にいた水野さん。
一体何の用なのかしら...?
「あ、えーっと...福岡さんは?」
「福岡さん?もしかして福岡先生のことですか?」
そうしてクスッと笑われてしまった。
「な、何よ...!」
「ごめんなさい、先生のことをさん付けで呼んでいる方って珍しくて...」
そうなの?ここでは大人の名前にさん付けしたりしないの?
「こ、ん、に、ち、は、転校生ちゃん☆」
水野さんと話していると、突然ナルシストっぽい美形男子が話しかけてきた。
「いやぁ、転校早々こんな爆睡しちゃう子はじめて見たものでねぇ...☆」
「ちょっと...山村さん...」
プライバシーに欠ける発言。
って爆睡...?私、眠ってたの?
「ごめんなさいね、山村さんもあなたとお話ししたくて
ずっと様子を伺っていたみたいで...」
不思議ね。
どうしてここではみんな、
はじめましての私に話したいと思うのかしら。
するとまた、山村と呼ばれた彼が話しかけてきた。
「君、名前はなんて言うのかな?」
「おいっ、風野さんだって自己紹介してただろ。」
今度は山村の後ろから来た優しい雰囲気の少年がツッコミを入れる。
それはもはや兄弟のようだった。
「おお、そうか。よろしくね、風野さん☆」
そうして握手を私に求める。
握手してあげたらいいのかな...?
私が困っていると、水野さんが再び私を庇う。
「山村さん、彼女困ってるじゃないですか...!」
「そうっすよー、女の子を困らすなんて、らしくないっすねー。」
「そ、そう、か...あはは、ごめんごめん///」
しれッと男の子っぽい見た目の少女も混ざっていた。
一方の私は、はじめましてのみんなに戸惑って
下を向いたままこう呟く。
「どうして...」
その一言に、えっ、と驚くみんな。
「どうしてみんな、私を庇うの?!」
---しばらくの沈黙。
すると、水野さんがこう答える。
「どうしても何も...はじめましてのクラスメイトと
仲良くなりたいって思うのは、当然のことではないですか...?」
なる、ほど...
人間族はそうやって仲間を増やすのか...
私たち妖精族は、生まれた頃からある程度の言葉を扱えて、
一緒に暮らすのは同じ母から生まれた兄弟姉妹たちだけ。
他の妖精や冒険者たちと仲良くなることはあるけれど、
それは目的があってこそのこと。
あのとき私が彼女たちと共に過ごしたのは
煙をなんとかするという共通の目的があったから。
そうして私たちの住処を守ってくれた恩人だったから、
私は彼女たちを守ることができたということなのよ。
そんな風に、目的から信頼と友情を築くのが当たり前。
そう思っていた私にとって、はじめましての相手に用もなく話しかけては
仲良くなろうとするみんながなんだか不思議だった。
...水野さんの言葉で色々と考えていると、先ほどの男子少女が話しかけていた。
「ところでアンタはどこの学校から来たんっすかー?」
「え...学校...」
「あれ...もしかして聞いちゃいけなかったっすかね...」
そう言って申し訳なさそうにする彼女。
そのあと水野さんの後ろにそっと移動した。
「と、まあ...みんな君のことを知って仲良くなりたいんだよ。
もちろんこの美青年である僕、山村も、ねぇ☆」
なんだこいつ。
「ちょっとちょっと。みんなして転校生のことをいじめないの!!」
すると今度はメガネをかけた、頭のよさそうな少女が現れた。
「いじめているだなんて失礼だなぁ、委員長。
僕はただ、彼女と仲良くなりたいだけだというのに...」
はいはい、それは分かったからそうやって馴れ馴れしく
話しかけてくるのはやめて...
そう思っていると、おとなしそうな雰囲気の女の子が
山村を後ろから引っ張ってそのまま部屋の外に連れていってくれた。
その隙を見てメガネ少女が話しかける。
「...あなたが転校生の風野さんですね、はじめまして。
委員長の佐加井美里愛です、以後お見知りおきを。」
そう言って丁寧な挨拶をしたあと、
「くれぐれも翔には近づかないよう、、よろしくお願いしますよ...?」
去り際に小声でそう言い残して部屋の隅へと行った。
な、何なのよこの子...
気がつくと男子少女や優しい雰囲気の少年の姿はなく、
再び水野さんと私の2人だけが取り残されていた。
「...よ、ようやく静かになりましたね、あの...大丈夫でした?」
そうして風呂敷から箱を取り出しながら、こちらを見て言う。
「...さっきは...ありがと。ちゃんと答えてくれて...」
照れていたのと慣れていないのとでもじもじする私。
「いいんですよ、だってもうお友達じゃないですか...!」
友...達...
同じクラスメイトで、友達になりたかったからという理由で友達なれる...
今まで[目的]にとらわれた交友関係しか築いて来なかった私には
未だに納得できていなかった。
ぐぅぅ...
すると水野さんが開けた箱の中身を見てお腹が空いたことを思い出す私。
「...風野さん、お弁当食べないんですか?」
水野さんの目の前にある箱の中身があまりにも美味しそうで、
もはやそちらから目が離せない私。
「...わ、わかりましたわかりました...!
少しあげるのでそんなにジロジロ見ないでくださいぃっ...!」
恥ずかしそうにしているが、その顔はなんだか嬉しそうでもあった。
「やった、ありがと!」
そして箸も使わず手でポテトを食べた私。
「んんーっ、美味しーい!」
この様子を笑顔で見守る水野さん。
「あの...そろそろお弁当を...」
「もう一口食べてもいい?!」
「あ...うん...」
私の喜びように断ることができない水野さん。
そんな水野さんはただただ苦笑いしていた。
「うーん、ありがと!!」
「よ、よかったです...!それで、風野さんのお弁当は...」
「お弁当?なあにそれ。」
散々食べておいてお弁当が何なのか分かっていなかった私。
その姿に思わず固まってしまう水野さんなのであった...
続く...
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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