#31 優衣奈とフィアラ
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#31 優衣奈とフィアラ
10月の前半。
体育祭が終わり、次の行事である文化祭に向けての準備がはじまっていた。
ちなみに文化祭は10月の26日だって。
...だけど私の日常にそこまで大きな影響はなかった。
強いて言うなら...授業が短縮して文化祭の準備時間が増えたくらいかしら。
その後、放課後は楓と一緒にカレー屋の仕事をして....家に帰るって感じの生活。
...そういえばこの数か月の間、楓とはすっかり仲良くなったんだけど
結局フィアラとは疎遠のままあまり話すらできていない。
いつもどんなときも教科書や本を読み漁っていたり、
放課後はどこかに寄ってからカレー屋(家)に帰ってきたり。
なんていうか...勉強が苦手な私にとってはちょーっと
話しかけづらい雰囲気なのよねー...
勉強の邪魔しちゃうと悪いし...
何よりその話題(勉強)について質問されたりしたら、私、わかんなーい。
...ってなりそうだし。
...と、そんな感じでこの1か月間、
学校でのフィアラとは会話をすることすらなかった。
放課後、カレー屋で会うときもやっぱり本を読み漁っているし、
一緒に仕事をしていても必要最低限のこと以外は話してくれない。
なんならこの間の体育祭だって、木陰でテントにも入らず
ひとり本を読んでいたのを私、知ってるんだからね?!
一体何をそんなに本ばかり読み漁っているのよ...
....とまあ、10月になってもフィアラ(たち)との関係は進展することなく
いつもの日々を送っていた。
そんなある日の放課後...
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「優衣奈ちゃん、今日もアルバイトなんですか?」
藍は寂しそうに私に聞く。
「ええ、そうよ。それじゃあまた明日。」
「了解。お疲れっす。」
楓と合流して2人の元から離れる。
廊下を歩き、階段に向かって歩いていると....
スン.....
「.....?」
何やら魔力の気配を感じた。
「...優衣奈、どうしたの?」
隣にいた楓が心配する。
「え、ええ...ちょっと....ね....ごめん、先に行っててもらえる?」
そう言って私は楓を置いて気配のするほうへと走っていた。
「だ、大丈夫....なの...?」
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気配を感じ、向かったのは隣の棟にある誰もいない自習室。
理科室、音楽室がある棟の3階で、たまに臨時集会などが行われる部屋だが
クラス教室からも遠いためめったに人が訪れないのが普通。
しかしその教室の中からは紫色の強い光が発していた。
ガラガラ...
「お、お邪魔しまー....」
私は恐る恐る扉を開けると、
なんとそこにはフィアラの姿があった。
「...って、優衣奈!?なんでここにいるの!!」
その部屋をよく見ると、フィアラの他にフィレッチェとバーランド、
それにリアンとディエルも....全員いる。
「なんでなのよ...!術式は完全に成功しているはず...!!」
バーランドは叫ぶ。
「術...式?」
なんのことやらさっぱりわからない。
すると私が入ってきたことでその術式とやらを中断するフィアラ。
そのまま紫色の光は消え、普段の空き教室にフィアラが立っているだけになった。
「い...今のは...」
詳しく話を聞こうと近づくと、
フィアラはそんな私のことを無理やり引っ張り、すぐに扉を閉めるのであった...
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「ちょっとちょっと!!あれは何よフィアラ!!」
私は先ほどの術式とかいうのが気になって仕方ない。
「はあ....さすが同じ世界出身の人ね。」
んだっ...!
まだ私のことそんな風に思ってたのー?!
...とまあそれは置いといて...
「見られたなら仕方ないわ.....単刀直入に言うね、優衣奈。
私、この世界での魔法....つまり魔術が使えるようになったの。」
フィアラは持っていた本を見せながら言う。
「...魔術....」
どうやらこの世界で魔法を使うには、
術式を操る技術(魔術)が必要とのこと。
まあ簡単に言うと、あっちの世界の魔法とは
召喚方法が異なっていたってことかしらね。
「...ちなみにさっきのは空間の次元をねじ曲げる術式。
同じ場所にいながら違う次元にいるということを実現する魔術よ。」
そっか、だからフィレッチェたちはここから見えない(次元が違う)のね。
もう一度術式を召喚すれば元の次元に戻ってこれるらしい。
術式は本来、術式を開いた者とその術式を意識した者....
つまりさっきで言うと、術式を開いたフィアラに加え
フィレッチェやリアン、バーランドにディエルが
術式を意識した者としてこのねじ曲げた空間にアクセスできる。
...それなのに私は、魔力の感知で先ほどのねじ曲げた空間に
突入できてしまった...ということらしい。
でも...一体どうしてそこまでして魔法を....
などと考えていると、
ガラガラ...
「...きゃっ?!ごめんな....って、風野さんにフィアラさん!!」
委員長の美里愛が入ってきた。
電気もつけずにこもっていたので私たちに気づかなかったみたい。
「まったっく...驚かさないでください。
今からここは学年委員会で使おうと思ったのですが
使用中なら隣を使うので電気くらいつけていてください。」
そう言って電気をつける。
「...あ、そういえば...奥野さんから伝言がありましたよ。
[もうすぐ仕事はじまるけど来れそう?]と....」
「あ...」
しまったーー!!魔術に夢中になりすぎて、仕事のことすっかり忘れてたーー!!
...ってあれ。ということは
仕事を忘れていたのはフィアラも同じなんじゃ....
「あの、私たちもう戻ります...優衣奈、帰るわよ...!!」
こうして私は無理やりカレー屋に連れていかれるのであった...。
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「おかえりー、フィアラ。あ、優衣奈も一緒に来た?」
カレー屋に戻るともうすぐ開店の時刻。
店長がのれんをくぐってやってきた。
「おお、遅かったなみんな!
帰って早々悪いが、もうすぐ開店だ。一旦上で休むか?」
店長は心配してくれる。優しい。それから....
「ねえ、2人とも、何かあった?今日は私一人で回そっか?」
楓もすごく心配してくれた。2人ともほんと優しい。
「一人...?...そういえば他のみんなはどうした?一緒じゃなかったのか?」
あ...と顔を見合わせる私とフィアラ。
楓と店長がよそ見したのを見計らって術式を展開する。
「まったく...あのまま戻ってこれなかったらどうしてくれるのだ...!」
「あー、ガチで怖かったー....!!」
「よかった...帰ってこれましたね....!」
「ギャハハハハハ!」
次元を超え、フィレッチェとバーランド、リアンにディエルが戻ってきた。
一方、魔術の存在を知らない楓と店長は...
「あれ....?みんな....?今、どこからきたの??」
「う....何かの錯覚か...?
今、目の前から突然出てきたような...ハハ、そんなわけ...」
突然現れたみんなに衝撃を受けるのであった...。
続く...
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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