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#3 弟とケンカしました

~おとめtheルル~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#3 弟とケンカしました


妖精だった私は生まれ変わって風野優衣奈という女子高生になる。

しかも神様の手違いで彼女の肉体そのままに、魂が入れ替えられた私は、

はじめての異世界に驚いてばかり。


今日、はじめてチキン...南蛮?とやらを食べて、その美味しさの虜になった私。

それをもっと食べるべく、こっちの世界のお店にたどり着いた私と弟。

...ただ、向こうの世界で見てきたどのお店よりも大きくて綺麗なことに

驚きを隠せないのであった。


「...本当にここで合ってるの?」


周りを見渡して弟の瑠夷斗に確認する。


「うん、ほら惣菜コーナーはこっちだぞ。」


そう言って連れて来られたのは、たくさんの食べ物が箱や袋に入った場所。

これは...


「えっ、これ全部買うことができるの?!」

ついその場で叫んでしましたので他の客から注目を浴びた。

すぐさま瑠夷斗に口を塞がれる。


「ちょっと...分かったから声に出さないで。」


「...ごめん、なさい...」


...とりあえずチキン南蛮の他に、気になるものを片っ端からかごに入れてみた。


「って、おい。こんなに食べれないだろ、ってか俺の小遣いは

無限じゃないし!」


気がつけば惣菜コーナーと呼ばれた場所の食べ物は

すべてかごの中に入っていた。


「あのー...お、お客様...」

すると新しいその食べ物を運んできた店員さんらしき人に

話しかけられる。


「他のお客様のご迷惑になりますので、そちらの商品を...何品か

お戻しできませんか...?」


...ところがかごに入れた商品は、適当に入れたせいで

箱から中身がずれていたり、袋がぐちゃぐちゃになったりして

戻しても売り物にならないと言われた。


「...仕方ないですね、今回はすべての代金を頂くことで

見逃してあげましょう...」


「は、はあー?!」


----------


「あ、ありがとうございましたー...」


お店を出ると、両手に白い袋を持った瑠夷斗はとても不機嫌そうだった。


「何考えてんだよー、姉ちゃん!!!いくら記憶がないからって

あれはないだろ!!」


不機嫌そうだが、なんだかんだ荷物だけは持っていてくれる。


「えーっ、だってどれもこれも美味しそうで...」


するとフンッ、と顔を逸らしてしまう瑠夷斗。


---家に戻ってきた。

すぐに袋から手を離す。


「ああっ、もう!!俺のバカ!!なんで記憶喪失の人と

買い物に行こうなんて言ったんだーっ!」


「ご、ごめんよ...その...何もわからなく、て...」


「いいよもーう!!だったら勝手にあれこれ入れないで!!」


瑠夷斗の機嫌はなかなか直らない。


「小遣いも無限じゃないって言ったのに...!

今のでほとんど使ったんだからなー?!」


私も深く反省する。

はじめてで、わからないことだらけで。

でもこうしていろいろ教えてくれた大事な弟を

このような形で裏切ってしまうなんて...


私は私自身に腹が立った。


「...もうっ!こんなものいらない!!」

そうしてつい、買ってきた袋をバラバラにする私。


それを見た弟はついに怒って家を出て行ってしまった。


「ああっ、もう!!私のバカ!!」


----------


家を飛び出した弟の瑠夷斗。


「姉ちゃんのバカ、姉ちゃんのバカー!!」


泣き叫びながら近くの公園へと走る。

するとポツ、ポツと彼の気持ちとリンクするように雨が降りはじめた。


ザー...


急に強く降り出す雨。

俺は、雨に濡れたままベンチに座って泣いていた...。


---それからどれくらい経っただろう。


涙と雨と鼻水でぐちゃぐちゃになった俺の頭上からは、

もう雨など降っていなかった。

...いや、これは雨が降っていないのではなく、

誰かが傘を差してくれたからなのだろう。


その誰かというのはすぐに分かる人だった。


「...さっきはごめん...」


「.....」


黙ったまま下を向く俺。


「...まだ怒ってる?」


すると俺は、その答えの代わりにこう答えた。


「雨...止んだぞ...」


あっ、本当だ、と傘をどける姉。

するとその頭上には、曇り空の中から七色の橋が青空に向かって見えた。


「虹...綺麗...」


こっちの世界にもあるんだ、などと訳の分からないことを言う姉。


ふと視線を横に移すと、俺と同じくらい濡れたまま、

上を見上げて開いたままの傘を持つ姉の姿があった。


「傘、畳めてないぞ。」


ええっ、と傘を振り回す姉。もしかして畳み方が分からないのか。


「まったく、しょうがないなあ、姉ちゃんは。」


そうして傘を畳んであげる俺。

次の瞬間、


「へ、へっくしょん!!」


雨に濡れたのを忘れていて体が冷えてきてしまった。


「あはは、びしょ濡れじゃーん。早く帰ってお風呂に入った方がいいよ!」


「姉ちゃんもな。」


その言葉にあっ、と自分の服を見る姉。


「やれやれ。久しぶりに一緒入るか?」


「はあ?!この変体スケベ弟野郎!!」


冗談だ冗談、と手を横にする俺は、晴れ渡った空と同じように

すっかり笑顔になっていた...


----------


夕方になった。

すっかり仲直りした私たちは、あの店で買った総菜を心ゆくまで食べている。

すると...。


ガチャ...


誰かが帰ってくる音がした。


「ただいまー、2人とも大丈夫だった?!ごめんねー、今日は好きなもの

何でも買ってあげ...って何これ!!」


リビングに置かれた大量の袋と総菜を見て驚いているのはそう、母である。


「どうしたの一体...!こんなに食べたら体に悪いじゃなーい!!」


母は最初にそっちの心配をする。

確かにこれだけ総菜ばかり食べていれば体に負担かもしれないな...


「ま、まあ、いろいろあって...」

母に私のほうを見て答える瑠夷斗。


...しかし私は、一瞬そちらに目をやったままコロッケを食べ続けている。


「まあ、いいわ。それで、そう...来月からのことについて

話があるんだけど...」


そう言ってコロッケを食べる私を見て話しかける母。

瑠夷斗はその隙を見て部屋に戻った。


------


「...転入?学校?」


私が母から聞かされた言葉には、はじめての言葉ばかりで

何を言っているのかさっぱりわからなかった...?!


続く...


はじめまして、おとめtheルルです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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