#22 はじめてのバイトです
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#22 はじめてのバイトです
7月後半、終業式。
その日、フィアラに連れられてカレー屋にやってきた私は
なんやかんやあってそのカレー屋で働くことになってしまった。
そしてその数日後。
学校の代わりにカレー屋に行くと
店の前にはフィアラと楓、そして店長が開店準備をしていた。
「おはようございまーす....!」
「あ、風野さん、おはよう!」
私のことを見つけ嬉しそうにする楓。
「...あれ?他のみんなは?」
「もうすぐ来るわよ...」
フィアラが呟くと、
「おはようおはよーう!」「おはようございます。」
ちょうどバーランドとリアンがやってきた。
そしてバーランドは優衣奈を見て言う。
「...って、あれ?ひとり多い...?」
「いや、この前新しく入ってきたでしょ...」
フィアラにツッコまれる。
「...あ、そっか。よろしくね、謎少女ちゃん!」
「私の名前は風野優衣奈なの!!」
本当に私だと気づいていないの...?
「さて。それじゃあまずは...店の掃除をしてもらおうかな。」
...と、店長の合図で私たちはさっそく仕事に取り掛かることになった。
「では...私はこれからカレーの仕込みで忙しいからあとは頼んだぞ、楓。」
「はいはい。」
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フィアラやバーランドが店を掃除している間、
私は楓に接客の仕事について教えてもらっていた。
「...とまあ、そんな感じかしらね。今日のところは私たちの様子を見ておいて。
あと、わからない時は私や真乃に聞くこと。いいわね?」
「は、はーい...」
なんだろう、同級生のはずなのにここではすごく年上の人に感じる...。
すると...
「...どうしたの、表情固いんじゃない...?」
さっきまで一気に説明していた楓は私の顔を見てから言う。
「...そっか、学校ではあんまり話したことなかったもんね。
大丈夫!あとはもう慣れるしかないから!」
そう言って私の肩を叩く楓。
このとき私ははじめて憧れというものを知った。
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昼になるとお客さんが流れ込むようにやってきた。
「いらっしゃいませ。空いている席へどうぞ。」
「本場インドカレーの2辛ですね。少々お待ちください。」
「お待たせしました、キーマカレーです...!」
私は同級生の楓やもう一人のアルバイトの真乃、
フィアラ、バーランド、リアンの5人が切り盛りする様子を見ていた。すると...
「...さすがであるな。」
いつのまにか私の横で壁に寄り掛かって偉そうにするフィレッチェ。
「...どうした。君も明日から仕事に入るんだろう。メモはしなくていいのか。」
...って、何もしていないくせに偉そうに...
なんて思っていると、
「なあなあ!遊ぼうぜー!」
上の階からアイツ(ディエル)の声が聞こえた。
「やれやれ。やっと起きたか。」
そう呟くと、すぐに2階に上っていった。
...なるほど。フィレッチェはフィレッチェで大変そうね...
昔(妖精時代)アイツの世話をしたことがある優衣奈には
その大変さが容易に想像できた。
「...なんだ、あっちの世界と変わらないじゃない....」
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昼のピークを終えた。
最後のお客さんを見送ると、店は昼休憩に入る。
「ランチタイム終了っと。」
バーランドはそう言って伸びをする。
「...あれっ。今日はこれで終わりなの?」
私はみんなに聞くと、店長や真乃たちにクスクスと笑われた。
「...な、何!私変なこと言った?!」
「すまんすまん。いや、最初の頃のバーランド君と同じ反応だったからつい....」
そしてなぜかバーランドは少し照れていた。
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夕方。
再び店を開け、さっそく準備をしているみんな。すると...
「...あ、風野さん。それで、夜から接客手伝ってみる?」
楓は机を拭きながら私に問う。
「それはいいけど...一体何時に帰れるのかしら?」
「って、それも知らずに来たの?!」
「だってアンタがいきなり誘うからー!」
「それは...ごめん....」
すると一緒にいた真乃が話を聞いていたようで...
「あ、夜の時間は9時(21時)までですよ。
あと私からも風野さんに謝らせていただきます。すみません。」
突然頭を下げる真乃。
えええっ、な、なんで?
「...ほら、あのとき私も風野さんが働いてくれるのが決まったかのように
勝手に納得してしまい、それで...」
真乃は本当に真面目なのね...
「い、いやいや!別にそのせいとかじゃないから...
もうそんなに気にしないで!」
「そうだよ真乃。最初に誘ったのは私だし...!」
なんて話していると店長や他のみんなもやってきていた。
「...どうした風野君。何か困ったことでもあったのかい?」
「ううん大丈夫!みんな本当に真面目なのね!」
「...???」
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夜。
たくさんのお客さんが来てくれる中、私は楓と一緒に接客の手伝いをする。
「いらっしゃいませ。3名様ですね。空いている席へどうぞ。」
昼間と同じように真乃やフィアラ、バーランドやリアンが店を回してくれる。
「...あ、えーっとチキンカレーの4辛お願いしまーす...!」
さっそくリアンの担当する席から注文が入った。
楓がすぐに準備をしてくれる。
「それじゃあ...これを持っていってくれる?
渡すときはお待たせしましたを忘れずにね。」
「はーい。」
これが私のはじめての仕事。
チキンカレーを持ってお客さんのところへと運ぶ。
「お、お待たせ、しました...?
えー...チキンカレーですっ!!」
カレーを置いて、すぐに楓のところに戻る。
「ハア、ハア...」
た、たったこれだけの作業なのにどうしてこんなに緊張するというの?!
そしてその後も注文を受けると、それを運ぶという仕事を
閉店時間になるまで繰り返した...。
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閉店の21時を前に、お客さんがいなくなったので今日はここで終わりとなった。
「お疲れ、風野さん!」
楓はそう言って私の肩をポンと叩く。
「よく頑張ってくれましたね!」
真乃も私を褒めてくれる。
「...本当あの2人よりも全然仕事してくれるわ。」
フィアラまで私を褒める。
な、なんか照れるわね...
「おい。コイツと一緒にするな。」
フィレッチェはフィレッチェでまあ...お疲れさん。
しかしフィレッチェのことは誰も気にしてくれない。
そしてそのまま店長もやってくる。
「お疲れ様、風野君。どうだったかな。今日はじめて働いてみて。」
「うん、人間族も結構大変なのね!」
???、と戸惑う店長たち。
私は慌てて口を抑えた。
「ま、まあ働くことの大変さがわかったということでよかったかな。
...はい、これが今夜のまかないと、明日からのシフトだ。
これからよろしく頼んだよ。」
「は、はーい、ありがとうございまーす...」
こうしてアルバイトの初日を終えた私。
私の生活はこれからどうなっていくのかしら...?
続く...
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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