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#18 お見舞いに行きました

~おとめtheルル~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#18 お見舞いに行きました


6月後半の月曜日のこと。

いつものように学校へ通っていると、突然美歩が体調を崩し早退してしまう。

藍も一緒に早退したみたいなので

私はひとりで美歩のところにお見舞いへ行くことに。


お見舞いに行くときには何か持って行ってあげたらいいとのことで

私は美歩の体調が早く良くなるよう、こっちの世界のポーションである

栄養剤やお薬を大量に持って美歩の家にたどり着く...。


「...と、とりあえず中へどうぞ...」


大量の箱に驚きすぎ、まだ中へも入れてもらえていなかった私。

ようやくお家の中に入る。


「わああ...私の家より天井が高い...!」


家に入るやいなや、美歩のことよりも家の様子を気にしてしまう私。

だって美歩の家はもちろん、他人の家すらはじめてだったんだもん...!


「ゆ、優衣奈...来てくれたんっす...ねっ...ゴホゴホ...」


「あ、起きた...?無理はしないで...」


ソファの上で横になっている美歩。

美歩の体調はやっぱりまだ悪いみたいだった。


「美歩、大丈夫?ほら、ポーションいっぱい持ってきたから

どんな症状でもすぐ治ると思うわよ。」


そうして私は箱から様々なビンを取り出す。


「これが頭痛に効くポーション、これが風邪を治すポーション、これが...」

すると藍がポーション(栄養剤)を取り出す私の腕を掴んで止める。


「だ、ダメですよ優衣奈ちゃん...!

こんなにたくさんのお薬を飲ませたら...逆に身体を悪くしますよ...!」


んえっ...?そうなの?


「それに、ゲームじゃないんだから

お薬だけで瞬時によくなったりしないですよ...」


ゲーム?

いやいやいや、私真剣に考えて持ってきたんだけど?!


「...そうっすね...その...気持ちだけ受け取っておくっす...」


美歩は横になったまま私のほうを見て言う。

どうして...?こっちの世界のポーションは効果が違うっていうの...?


すると藍はスッと立ち上がると、台所のほうに向かう。

そして台所のほうから私を呼ぶ。


「ねえ、優衣奈ちゃん...これ持って行ってもらってもいいかな?」


「え...?あ、うん、分かった...。」


------------------


藍と一緒にドリンクやりんごを美歩のところに持っていく。


「2人ともありがとうっす...」


起き上がり、ドリンクを飲んでいる美歩。


「...ねえ、ポーションは飲まないの?そしたらすぐに良くなるのに...」


「だから瞬時には良くならなっ....ゴホゴホ...」

ああしまった...美歩に無茶させてしまった...


「大丈夫ですよ優衣奈ちゃん。

お薬よりもまず、果物で栄養取ってしっかり休んだらすぐに治りますから...」


へえ...こっちの世界の果物には魔力でもこもっているの?


...するとガチャっと、玄関のドアが開く音がして、誰かが家にやってきた。


「わー、美歩、大丈夫ー?!」


やってきたのはそう、金髪で長い髪の佳穂姉である。


「あれっ、藍ちゃんとえーっと...抽選会のときのお友達!

お見舞いに来てくれたの?」


そっか、自己紹介してなかったっけ...


「私は風野優衣奈。次からはちゃんと名前で...」


「大丈夫?ほら、うどんとか買ってきたよ...?」


優衣奈のことよりも美歩のほうを心配してそっちに行ってしまう佳穂姉。

そりゃあそうなるか...


---------


しばらくしていると、外はすっかり暗くなってしまう。


「...あ、藍ちゃん、お友達ちゃん。もうこんな時間だし、

そろそろ帰ったほうがいいんじゃないかな。後は私に任せて。」


そう言われて時計を見ると、もうすぐ20時になろうとしている。

すると藍が佳穂姉に問う。


「...あの...瑠香お姉さんは来ないのですか...?」


「瑠香姉は小田原に住んでるから急にはなかなか来れないよ。

それに、ちょっとした体調不良だし。」


眠っている美歩に毛布をかけながらそう答える。


「今日は美歩のお見舞いに来てありがと。気を付けて帰ってね。」


-------------------------------------------------------------------------


翌日。


学校に行くとやはり美歩はお休みだった。

外は天気予報で言っていた通り雨が降っている。


「ああ、美歩は結局今日もお休みじゃない...」


「仕方ありませんよ...たぶん、明日には来てくれると思いますから...」


藍と一緒に窓の外を眺める。

あれ...そう言えば美歩とは何か話の途中だったような...


「そうだ...!!つゆって何?!」


「今思い出さなくても...」


え?何、と藍のほうを見る私。

しかし藍は、いえ、何でも...と言って誤魔化すのであった。

すると...


「梅雨とは日本のほとんどを含む東アジアで、毎年5月の末から7月初旬にかけて

現れる雨や曇りの日が多くなる季節現象だ。

今年は例年よりも梅雨入りが遅く、梅雨が明けると(どうたらこうたら).....」


突然メガネ優等生の誠が早口で梅雨について語り出した。

何なの、いきなり...


「...っておい、聞いているのかね...!」

そして私に向かって少し偉そうに言う。


「いや、アンタが勝手に喋り出しただけでしょうよっ!!」

すると今度は頭を抱えてしまう誠。


「なぜだ...なぜ、みんな僕を邪魔者扱いする....!」


いや、そこまで言ってないでしょ?!

何なのよ、もーう...面倒くさいわねぇ...


そんな様子を見た藍が言う。


「誠さん...頼られたいのは分かりますが、あまり頼られることだけに

執着しないほうがいいと思います、よ...?」


「水野、さん...」


誠はそう呟いて藍に近づこうとする。


「はい、ダメーっ!!なんかよくわからないけど、

アンタ偉そうにしていたから藍に近づくのはなーし!!」


そう言って私は藍の前に立ちはだかる。

...すると誠は後ろから来た山村たちに連れて行かれたので事なきを得た。


「...もしかして、私を守ってくれました...?」

私の後ろにいる藍が呟く。


「当然でしょ?あの誠とかいう奴、なんかウザかったし...」


「ま、まあ本当は悪い人ではないんですけどね...

けど守ってくれたことは嬉しかったです、ありがとう...」


そう言われて私ははじめて友情、というものを知った。

そう、あの時とは違う...

目的、で守ったのではなく、友達、として守ったということ...

私も随分と人間慣れしてきたじゃない。


...すると藍が嬉しそうに言う。


「明日、美歩に自慢出来ますね、うふふ...」


その笑顔を見た私は改めて友達っていいものだな、と

そう思うのであった。


続く...


はじめまして、おとめtheルルです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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