#13 はじめてのお笑いです(が...)
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#13 はじめてのお笑いです(が...)
6月前半。ちょうど中間テスト(と補習)が終わり、
ようやくひと息つけれた今日この頃。
ある日の放課後、珍しく山村というクラスメイトの男子から声をかけられた。
「やあやあ転校生ちゃん。突然だけどお笑いとか興味あるかい?」
お笑いって何...
「もしよかったら、今週の土曜日10時頃にこの劇場に来てくれないかなぁ...?」
そうしてイベントの紙を渡される。
「あと、一応言っておくと水野さんや美歩も誘っておいたからねーぇ☆」
そのまま山村は私に手を振って去っていった...。
---この日の帰り道。
いつものように美歩と藍と一緒に駅まで歩いている。
「あ、そうだ優衣奈。優衣奈は今週末お笑い行くんっすか?」
美歩が山村に渡されたイベントの紙を持ってそう言う。
確かこの2人も誘ったって言ってたわね。
「お、お笑いなんて久しぶりですね...!私はもちろん行きます...!」
藍はお笑いを楽しみにしているみたい。
けれど私は...
「せっかくの機会だしみんなで一緒に行こうっすよー!」
水野さんにつられてテンションが上がっている美歩。
「え?まあ美歩がそこまで言うなら...」
お笑い、が何か分からないままとりあえずお笑いを見に行くことになった...。
---
家に帰ってから瑠夷斗にお笑いについて聞いてみた。
「え?お笑い?どうして急に...」
すると父も話を聞いていたようで、
「お笑いか。懐かしいな。昔はよく母さんと一緒に見に行ったよな?」
そう言って母の方を見る。
「ええ。なかなか面白かったわよ!」
へえ...
どんな風に面白かったんだろう...
謎が多いお笑いだが、ここで瑠夷斗が
「姉ちゃん、一緒に行ってもいい、か...?」
一緒に行きたいと言い出した。
「あら、そうね。瑠夷斗がいてくれれば安心だわ。」
...ということで私と瑠夷斗は一緒に行くことになった。
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週末土曜の10時頃。
瑠夷斗と一緒にイベントの紙に書いてあった劇場を目指す。すると...
「おやっ、来てくれたんだねぇ、転校生ちゃん☆」
「いい加減その呼び方やめなさい!」
...山村と幸佳、それに2人よりも大きな男の人が待っていた。
「いやあ、君が同じクラスの転校生さんかい?はじめまして、山...
んんっ、幸佳の父の琉夷です、よろしくね。」
大きな身体とは裏腹にとても優しそうな人だ。
そう思っていると、今度は学級委員長の美里愛とその連れの男の人、
学校で見たことのある男子4人もやってきた。
「お、お疲れ様です...山村、くん...」
あれっこの子...確か学校初日に遅刻していたメガネ少年くんじゃない。
「やあこのはたち。みんなも来てくれたんだねぇ。」
このはっていうの。なんか女の子みたいな名前ね。
...そして人数を確認した山村が言う。
「さあ、みんなこのチケットを持って。
そろそろはじまるから急ごうか。」
こうして劇場の中に入る私たち。
って...あれっ?美歩と藍たちは...?
そう思っていた矢先、ホールの中に既に座っているのが見えた。
なんだ、先に来ていたのね...
----そしてついにお笑いがはじまる。
ブー....
「どうもどうもー!関西でお笑い芸人やってます、
宇連泰三と申します、こんにちはこんにちはー...!」
へえ、何この人がお笑いする人?どんな面白いことをするんだろう...
魔法で珍獣と戦うとか?
「えーっと...あら、珍し!今日はこんなにたくさん観客がいてくれはるで、
嬉しいわな!えっと、まさか晋のツテやあらへんやろな?!」
そうなの?観客がいっぱいいたら嬉しいの?
まさかそれで私たちを.....
「えぇ、すんまへん。つい、いつもより人多くてですなぁ...
って何言っとるん!ここは東京なんやから当たり前やなぁ!」
その後もいろいろとお喋りをするばかりで、
優衣奈の思っていたお笑いとは程遠いものだった...。
------30分後、劇が終了する。
しかしほとんどみんな眠っているかぼーっとしていた。
それを見たスタッフの人が
「み、皆様...。次の公演がございますので、速やかにご退場願います...。」
みんなを退場させるべく声をかけていた。
---
みんなでホールの外に向かう。
「ねえ、これのどこが面白いの?」
「あのなあ、、、」
瑠夷斗が呆れ顔で言う。
「失礼だぞ、せっかく誘ってもらったのに...!」
「だって本当のことを言ってるだけじゃん!」
すると気まずそうに山村と隣の兄さんが
みんなに話しかける。
「な、なあ...」「あ、その...」
タイミングが被った?!
「ご、ごめん、晋兄...」
山村が引いて隣の兄さんが改めてみんなに話かける。
「...今日はみんな、僕の友達のために来てくれてありがとう...。
今夜、彼も含めた私たちで感想会をしたいのだが...」
とても申し訳なさそうに呟く。
「も、もちろん会場と代金はこちらが用意する。
無理に、とは言わないので時間があれば...」
すると美歩と藍がそれぞれ隣の兄さんにこう伝える。
「あ、あのっ!そんなにかしこまらないでください...!
感想会、必ず伺いますから...!」
「そうっすよ。人気俳優が聞いて呆れるっすよ。」
え...?この人、人気俳優なの...?
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この日の夜。
瑠夷斗は行かないとのことで、私はひとりで
感想会とやらの会場に向かう。
「えっ...?ファミレス...じゃない。」
すると水野さんや美歩もちょうどやってきたところだったので
一緒に中に入った。
ファミレスの一角を貸切状態にしているらしく、
昼間のお笑いを見に来たメンバーは全員そこに集まっている。
美歩や藍と一緒に、幸佳の隣に座ることになった。
---そしてしばらくすると、お笑いを披露していた宇連泰三が
女性を連れてやってくる。
「うわっ!いっぱいいるね?!」
私たち人数の多さに驚くその女性。
それもそのはず、総勢16名にもなっていたのであった...。
続く...
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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