#1 異世界転生しました
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
私の名前はシャイニー・ライトニー。
コールの村の近くにある森に暮らすシャイニー家の妖精よ。
ある日、魔王によって煙の魔法に覆われてしまった村と森。
それは、人間族にも妖精族にも害のあるもので、
私たちシャイニー家も森から離れざるを得なかったわ。
...なんだけど、その途中移動先の森で迷子になって
湖のほとりに取り残されてしまう私。
そんなとき現れたのが、そう、彼らだったの...
そこからは彼らと一緒にコールの村へ赴き、
無事、煙から森と村を守ることに成功するわ。
そんな中、どさくさに紛れて彼が失踪してしまうのよ、私の目の前で...
失踪した彼を救うため、彼の仲間たちが
私の手がかりだけを頼りに探しに行く。
そこで出会った魔王軍の第一補佐官は、とんでもなく強い魔力を帯びていた...
ただでさえ強い奴は、自分以外の魔力も吸収し一時的に魔王よりも強く
なっているというわけ...
突然現れた超強力な相手に、私たちは成すすべなく
あっという間に瀕死状態にさせられてしまったのよ....
...次の一撃で完全に全滅してしまうことを悟った私は、
今あるエネルギーをすべて魔力に変えて、彼女たちを守ったわ。
...幸いその守りは成功し、彼女たちを攻撃から守ることができた。
その代わり、私の命を代償にして...
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#1 異世界転生しました
「ライトニー...ライトニーや....」
「...?」
どこからか声が聞こえる。
「よくぞ勇者の仲間たちを救ってくれた。君の死は
偉大なものだったと感激する。」
「...はい?」
見ると目の前は真っ白で、ただそこに光り輝く創造主のような人が立っていた。
「私はすべてを司る神だ。ライトニーよ、お主は今、力尽きたのである。」
「...はあ...」
まあそうかもしれないわね、とさっきまでの走馬灯を振り返って思う。
「しかしだ、しかし。君のような素晴らしい御霊を持つ者には
もう一度"生きる"機会を与えたい!!」
「...それってつまり...?」
「...これから君にはトウキョウという街で、人間の少女として
生まれ変わる、ということじゃ!!」
「生まれ、変わる...?私の肉体は?!」
「残念だがシャイニー・ライトニーの肉体はすべて力尽き、生き返ることは
できない...だから、生まれ変わるのじゃ!」
そうして力強くこちらを見ている神。
まるで転生してくれ、と言わんばかりに。
「いわゆる異世界転生じゃな。それも、妖精族が人間族に生まれ変わるという...
これは見ものじゃな、ホホホホホ...」
勝手に転生することを前提に話をする神。
けれどライトニーのほうもまんざらではないというような感じで、
「転生かぁ...しかも人間族に生まれ変われるんだよね...?
ちょっと面白そうかも!」
段々と転生することに前向きになっていた。
「ようし!では、さっそく生まれ変わりの儀式をすることにしよう!!
...そうじゃ、生まれ変わってもお主の名前以外の記憶は維持しているから
安心して楽しんでくるのじゃぞー.....!」
そうして神が眩い光に飲み込まれたかと思うと、
次の瞬間には目の前に誰かが写り込んでいた。
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「...優衣奈?優衣奈っ!!」
すると突然、目の前にいた女性が私のことを抱き着いてきた。
「...っ...何何、なんなの一体...?」
その言葉にすぐさま距離を置く女性。
「...優衣奈、大丈夫...?」
「優衣奈...?」
さっぱりわからない。
神は、確かに人間族に生まれ変わる、と言っていた...
自分の手を確認する。
「...ひゃ、に、人間だーっ!!」
そうして突然立ち上がってわあわあとはしゃぎ出す私。
「だ、ど、どうしちゃったのー?!!」
ガラガラ...
するとこの騒ぎのときに、私より小さな男の子が扉の向こうからやってきた。
「ね、姉ちゃん...!無事だったの?!」
「ね、姉ちゃん...?」
そしてその男の子はさっきまで私の前にいた女性に捕まる。
「あのね、瑠夷斗...姉ちゃんは
記憶喪失になっちゃったみたいなの...」
それを聞いた瑠夷斗、と呼ばれた男の子は一瞬肩をすくめる。
けれどすぐに落ち着いてこう言う。
「...でも、姉ちゃんはこうして生きているじゃないか...!」
...今のところ、何が何だかさっぱりわからない。
するとこのタイミングで、私の脳内に例の神の声が聞こえる。
[おお、転生は無事成功した...って、そうか。
タイミングが被ったのじゃな。]
「タイミング...?」
[すまぬすまぬ。お主は今、交通事故で亡くなるはずだった
風野優衣奈という女子高生の肉体へと生まれ変わっておる。
本当は赤子のところへ転生するはずだったのじゃが...
優衣奈ちゃんの魂が先に赤子のところに入った、というわけでのう。]
「交通、事故?風野、優衣奈?」
何を言っているのかさっぱりわからない。
[まあこれはこれで、すぐにトウキョウでの生活を楽しめるように
なったということでよかったのではないかの?ホホホホホ...]
「笑ってんじゃないわよっ!!」
...と、神の声が聞こえていない私の目の前の人たちにとっては
突然ひとりごとを言っているだけの怖い人になっている。
「...見えちゃったのかなぁ...いちど逝きかけたから...」
「なんてこと言うのっ...!」
ガラガラ...
すると今度は扉の向こうからまた別の男性が現れた。
「優衣奈っ!大丈夫なの、か...?!」
そして同じように私の前にいた女性に捕まる。
「実は...優衣奈、記憶喪失みたいなの...」
「記憶喪失...?!」
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とりあえず私は白い服を着た女性たちにいろいろと検査(...?)させられ、
いろいろ質問もされた。
「優衣奈さん、自分の名前は分かる?」
「...たぶん。」
みんなから散々聞かされたし、神様もそう言っていたから間違いないだろう。
「優衣奈さん、この人たちのことは分かる?」
そう言ってさっきまでいた3人のことを指す。
「...えーっと、そこにいる男の子が瑠夷斗...?って名前だったことくらい...」
「わかった、ありがとう。」
そうして持っていた板に挟んだ紙に何かを記入する。
「...完全に記憶喪失ですね...ただ、言語能力だけは衰えていないよう...」
それを聞いて軽く下を向くみんな。
しかし...
「いえ、この状況は私たちもはじめてなのでもしかしたら
一緒に生活をしている間に記憶を取り戻す可能性はあります...」
そう言ってなんとか気を落とさないようにと配慮する白服の人。
「すみません...娘がまだ、記憶喪失だなんて信じられなくて...」
最後に入ってきた大きめの男の人が言ったあと、
それを聞いた瑠夷斗が次のように言う。
「父さん、僕だってまだ信じられないよ...
けど、こうして今、目の前にいてくれるだけで十分じゃないか...!」
その言葉に泣き出してしまう最初の女性。
その姿から、本当に入れ替わる前の私を愛しているということが分かった。
とすると、この人はもしや...
「お母、さん...?泣かないで、私、大丈夫だから...」
それを聞いたみんなは驚いていた。
...それからのことはあまり覚えておらず、気がつけば私は
フカフカのベッドの上で眠っていたのであった...
妖精さんの異世界転生は続く...
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
気軽に反応を頂けると嬉しいです。
少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、
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