13. 俺の学園生活はいつも予想外のことがいっぱい……
「やっと片付いた!」
放課後、佐々木先生に呼ばれてオフィスで机の整理を頼まれたんだ。
積み上がったファイルを処理するのは本当に大変だったけど、なんとか無事に終わらせた。
その後、いつも通り教室に戻り、持ち物をまとめてここから離れろうとしたけど、家に帰るわけじゃなく、サークルに向かうことになった。
噂が学校中に広がったせいで、目立ちたくない、ただ普通の存在でいたい俺は、逆に全校生徒の注目を浴びることになった。
俺だけじゃなく、噂の犠牲になった中野桜花、恒川紅葉、里浜彩奈も同じ状況だ。
でも彼女たちの立場は俺とは全然違う。彼女たちは学校で超有名で、好きな男の子が数えきれないほどいるから、みんなの反応は驚き程度だった。
でも俺は転校してきたばかりの無名の存在、だからみんなの反応は敵対的なものが多かった。
女の子や少数の男の子は中立的な立場で見てくれてたけど。
幸い、この騒動は長く続くことなく収束した。その立役者は、実は俺たちの担任である佐々木先生だった。
佐々木先生は俺たちが同じサークルのメンバーだということを学校中に広め、噂がだんだん収まった。
でもそのせいで、毎日放課後、すぐに帰宅していた俺は、サークルに通わなければならなくなった。
もちろん、サークルには本当の活動なんてないけどね。
結局、毎日サークルに行っても、やることはない。やることといえば、本を読むこと、それだけなんだよね……
ちなみに!以前、いじめられている生徒を守るために戦ったことがあるけど、今は全くそういうことに参加しなくなった。
でも勉強はちゃんとしてるんだ!ただのオタクじゃないぞ!
ただ、少し偏っているだけ……
国語と英語は苦手だけど、他の科目はまぁまぁできる。でもクラスの中でどのくらいの順位かはよくわからない。
だって、転校してきたばかりだから、ここでのレベルがまだよくわからないから。
でも前の学校では、成績は常に100位以内で、決して外れたことはなかった。
だから、まぁまぁ悪くない成績だと思うよ。少なくとも妹がわからないことは、だいたい俺が教えてあげられるしね。
話を戻すけど、毎日サークルに行ってやることといえば、本を読むことだけ。漫画でも小説でも、物理や生物の教科書でも、手元に本を持って読んでいる。
中野たちも、ほぼ毎日それぞれ自分のことをしている。中野はスマホをいじっているし、恒川は俺と同じように本を読んでいる。多分、文学系の本だと思うけど、俺はよくわからない。
そして里浜は、空手の練習をしているから、俺は本に集中できないことがよくある。
でも、仕方ないよね。
そういえば、前回、俺を「渚ちゃん」と呼んでから、ずっとその呼び方を直さないんだ。
何度も言ったけど、直してくれない。それどころか、呼び方が可愛いからこのままでいいって言ってる。
もう諦めたよ、彼女がそう呼びたいなら別に構わない。
とにかく、今の俺たちの状況はこんな感じだ。みんなそれぞれ自分のことをしているだけで、たまに雑談する程度。そんなサークルだよ。
名目上は文学部の支部だけど、実際は佐々木先生が噂を収めるために文学部の部長と相談して作った臨時のサークルだから、解散は時間の問題だろうね。
解散する時期は、佐々木先生が決めることだけど、今はまだ毎日サークルに行かないといけない。
「ハロー、佐々木先生に頼まれておそかっ……た……」
サークルの前に着いて、ドアをゆっくりと開けた瞬間、「ガラッ」と音が鳴り響くと同時に目に飛び込んできたのは……
え?なんだこれ!?ここに裸の女の子が二人!?
おいおいおい、まさかサークルに上半身がブラジャーだけの女の子が二人もいるなんて、間違えて教室に入ったのか!?
「うわぁ〜変態!!」
「ミ、ミサキくん!早く出て!!」
悲鳴が耳に届いて、ようやく理解した。あれは中野と恒川じゃないか!こんなところで服を脱いでるなんて……
「この変態、覚悟しろ!」
え?
振り返ったが、何が起きたのかまだよく分からないうちに、突然鼻に強いパンチが入った。
その瞬間、目の前が真っ暗になり、体がふわっと力を失って、その場に倒れ込んだ。
「いってぇ!!!!!」
鼻にぶつかった激痛で、思わず鼻を押さえて地面で転がってしまった。いったい誰だよ!
「ミ、ミサキくん!」
中野が慌てて倒れた俺を支えに来てくれた。
「あははは~ごめんね渚ちゃん、変態男が女子の着替えを覗いていると思っちゃって。」
「おい!お前が俺を殴ったのか!!」
なるほど、このパンチの力、うちのメンバーでこんな力があるのは里滨しかいないけど、あいつが何も確認せずに殴ったってわけか。
「へへ、ごめんごめん〜」
「こんな風に謝る奴がいるか?」
このヤツ、全然謝る気がないじゃん!
「あはは……誤解だったんだし、彩奈ちゃんもわざとじゃないし。」
「それよりも、二人はなんでこんなところで着替えてるんだ?」
「それは……さっき紅葉ちゃんと一緒にトイレに行ったんだけど、水道管が壊れてて、水を出したら水があちこちに飛び散っちゃって、結局服が全部濡れちゃってさ……最初はまだ見崎くんが来る前に着替えようと思ったんだけど……」
「まさか、ちょうどそのタイミングで俺が来るとは思ってなかったんだろうな……」
もっと遅れて来ればよかったのに、なんでこんなタイミングでドアを開けちゃったんだろう。
いや、待て待て!まず、こんなところで着替えるのがダメだろ!
俺が来ることをわかっていながら、あえて「まだ来ていないうちにさっと着替えよう」と思ってたなんて……やっぱりお前らのせいだろうな!
何も悪くないのに、こんな目に遭うなんて……
「あははは……ほんとごめんね、見崎くん!」
中野がちょっと恥ずかしそうに謝ってきたけど、俺はもう里滨に一発くらったって事実があるから、どうしようもなくて、ただため息をついた。
「……運が悪かったな、もういいや。」
そう呟きながら、バッグから本を取り出して、いつものようにその場に座り込み、読書を始めた。
彼女たちもそれぞれ好きなことをし始め、いつも通りに戻っただけだった。