表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/145

第零話 イントロダクション

「おねーちゃん、おかえりなさい!」

「ただいまー、ユイ。久しぶり」


 妹のユイは、困惑した。数年振りに帰宅した姉のサツキのお胸が、なんだか、おっきい。


「ゔおぉ……!」

「なんだ、どした? 変な声出して?」


 ユイは高校生活の傍ら、開業医である母のお手伝いと、お師匠の元で修行の日々だ。

 姉と父は軍属だから、滅多に家には帰ってこない。今日は久しぶりの家族水入らず。お土産話が、思わず弾む。


(胸まで弾んでおる……!)

「凝視しすぎ!」


 高校生というには少し幼く見えるユイからすれば、いつだって先を行くおねーちゃんは憧れの対象で、そんな態度を隠さないものだから、サツキは妹の事が可愛くてしょうがない。


「今度の防衛任務はニーブックの街なんだよ。ユイの分まで、お姉ちゃん頑張るからね」


「え、いいよ。私は私で頑張ってるもん」


 サツキは、頑張り屋さんの妹の頭を優しく撫で回す。黒髪のポニーテールに指が触れ、可愛く揺れた。

 子供の成長は早い。サツキが軍人になる前は、ユイはまだ、アホヅラ晒して鼻水垂らしていたのに。


「垂らしてませんー!」


 モンスターの巣は、日々拡大の一途を辿っている。ニーブックの街は父の故郷だし、サツキとユイにとっても大切な場所だから、サツキは今度の防衛任務に少し張り切っている。


「みんなは私が守る。大丈夫、無茶なんてしないから」


 今日という一日を、夜が侵食していく。

 きっと彼女一人が何をしようと、変わらず明日はやってくるだろう。


 はしゃぎ疲れたユイは、リビングのソファで鼻ちょうちん膨らませて涎を垂らしながら寝息を立てた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ