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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

27枦

作者: 秋籠 雨加瀬

いい感じの夢を見たので

ある時、俺は2人の男性が話しているのを偶然耳にした


「27枦?コイツが?」


「そうそう、旧式の安楽死装置だよ。金入れて中に入ったら2時間7分で中のヤツは安楽死して、遺体が5グラムになるまで処理してくれるんだ」


「なんで5グラム残すんだ?」


「そりゃー、遺族にとっては何にも残らない最新型の安楽死装置よりも、少しでも生きてたヤツの形が残る方が良いって思ったんじゃないのか?」


そういうものだろうか?だがまぁ、ただ楽に消えて無くなるよりそっちの方が良いってヤツも居るのかもしれない


少し気になった俺は、2人組が立ち去るのを待ってその27枦を見に行ってみることにした


モノは旧式の安楽死装置だが、装置の横に電子レンジのようなものが付いている、コイツから残った5グラムが出てくるのだろうか?


何となく、27枦の蓋を開けてみる


中は至って普通だな、安楽死装置って事を知らなければ普通の機械にしか見えない


その後も色々見ていると、あまりにも不可解な点に気がついてしまった


この装置…起動スイッチが【機械の外側】にしかない


「奇妙だと思いますよね?」


声をかけられ振り向くと、先程27枦の説明をしていた男が立っていた


「安楽死装置なのに起動は外部からしか行えない、内部に取付義務のあるはずの非常停止ボタンも無い、そもそも人生の最期を迎えるには粗末な造りの内部」


言われてみれば確かに、違和感が無数にある


「本来の27枦はこのような形では無かったのです、ガスによる安楽死の後、火葬し遺骨を骨壷に納める装置でした。ですが違法な方々が盗品の27枦の改良を進めるにつれて、この形の27枦が開発されました」


言っている意味が分からない、俺はいきなり何の話を聞かされているんだ?


「ではこの27枦は5グラムの【何】を生成するのか…それは身をもって体験してください」


いきなり後ろから別の男につかみかかられ、27枦に押し込まれる


「そう言えば、かつて魂の重量は21グラムだと言われていたとか。【5グラム】の中には収まらないでしょうし、貴方の魂は無事に昇天出来そうですね」


巫山戯るな!必死に出ようとするが、蓋がロックされて開く気配は無い


「それでは、お別れですね」


装置が起動する音が聞こえ、俺の意識は一瞬で途絶えた……


そう言えば遺骨からダイヤモンドを作るサービスがあるらしいですね。

大体1カラット200万円だとか

まぁ、関係の無い話ですが

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