聖なるイデアの報酬
文中に母親の体調不良の原因が登場しないですが、最初のセリフから分かるものとして進めていきます。
「おめでとうございます!」
「ありがとう。
強くて優しい女の子に見てもらってこの子も喜んでるわ」
招かれたツリーハウスで私は母娘と話していた。
「すみませんマギカさん、わたしの勘違いでご心配かけてしまって……」
「ミィちゃん……。
そうだね、すごく心配した。
でもね、外では大切なものをもらって、帰ってきたら嬉しいお知らせを聞けて……。
何よりも今、ミィちゃんと仲良くなれてよかったって思ってるんだよ」
「こちらこそ娘と仲良くしてくれてありがとう。
外では危ない目に遭わなかった?」
「大丈夫です!
お届け物のスマイルを天に送り返してきました!」
「不届き者のスライムは神のみもとに行けたのね、よかったわ」
ここに来て私の勘違いが発覚した。
そうだよね、不届き者のスマイルが立ちはだかってたら私の手には負えないもんね。
私は頭の中のモンスター図鑑に不届き者のスマイルを描き加えた。これでよし。
「マ、マギカさん……!
もしよかったら、外のお話を聞かせてもらえませんか?」
不届き者(住所不定無職)とにらみ合っていると、私の前に真剣な声が割り込む。
声の主は私をじっと見つめていて、力の入ったその目もとからは勇気を持って歩み寄ってくれたことが見て取れた。
「もちろん!」
「話が盛り上がりそうなところごめんなさいね。
マギカさん、ギルドには行った?
あまり時間がなかったみたいだけど」
……あっ!
そういえばギルドに向かう前にミィちゃんの声が聞こえて道を外れたままだから、私も公的には住所不定無職なんだった!
「忘れてました……。ありがとうごさいます!
ミィちゃん、外の話はあとでいい?」
「もちろんです。すみません、わたしこそ気付かなくて……。
よければわたしがギルドにお連れしましょうか?」
「うん、お願い!」
そしてお母さんに見送られて、私達は再び日向へと繰り出した。




