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聖なるイデアの探索

環境依存文字を使っております。

 見通しがいい森の中、下生えをくしゃくしゃと踏み鳴らして進んでいく。

 交差する葉と枝が作る多角形が緑蔭に揺らめき、空間も生物も穏やかに保たれていた。

 私もまた、内側から心身を洗われている気分だった。


「天使様〜、どこですか〜?」


 オーガニックな果実であるところの私は、声の終わりを波打たせるようにかの者に朗々と呼び掛けることにした。

 その声も心なしかいつもよりよく通っているように思えた。


 そうして5分ほど歩いた頃。

 誅戮対象が確認された。


 奴の名はスライム。

 神様いわく、ぷるぷる柔らかいお届け物。


 さっき生き物が穏やかと言ったけど、前と後ろの見分けが付かないそれは、私と出くわすやいなや体の後ろを向けて飛び掛かってきた。

 この奇行の理由は、異教徒(まつろわざるもの)から見た私もまた異教徒(まつろわざるもの)として映ることにある。

 そう、ともに天を(いただ)かざる敵なれど相手もまた誅戮者――すなわちプレイヤー、なのかもしれない……。

 というのは運営によって公式に否定されている。

 いずれにせよ末端に過ぎない私達はお上の(のたま)わすままに迷える魂を送り出す、それだけのこと。


Ƿind(ウィンド)


 風の魔術の一撃で水風船はスライムゼリーに変わり果てた。

 MPを確かめると28/30となっている。


 あと14回も魔術が使える!

 私は新たな原動力(後押し)を得て、再び声を張り上げはじめた。

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