聖なるイデアの自省
「すみません、少しお待ちいただいてもいいですか?」
「うん、私ここ初めてだから色々確認してるね」
というやり取りがあってミィちゃんは再び草むらへと引き返していった。
私はというと、降って湧いた余暇を最大限活かして今一度ステータスを眺めていた。
イデア・マギカ Magica Idea
エルフ Lv.1 初心の魔術師
健康
HP 20/20
MP 30/30
STR 6
VIT 24(+2)
INT 24(+10)
MND 20(+8)
AGI 12
DEX 10
武器 【始源の聖痕】
防具 頭 【マギカのエナン】
胸 【マギカのローブ】
腰 【マギカのワンピース】
手 【空きスロット】
足 【マギカのブーツ】
アクセサリー
【空きスロット】
【空きスロット】
スキル SP 10
【魔術起動Lv.1】
【護身Lv.1】
【献身Lv.1】
称号
【イデア氏族の末裔】
【魔法の保因者】
順を追って見ていこう。
まず一番上にこの世界における私の身の上。
続きまして健康状態。どうやら私は胸の高鳴りが治まらない健康優良児らしい。
お次は各種能力値。キャラクターメイキングでもらった100ポイントを割り振った形だ。コンセプトはずばり序盤での継戦能力! 装備が調って耐久力が上がったらMPとINTに注ぎ込んでDPSを高めていく予定だ。
装備はお気に入りの衣装を流用した初期装備。なりたい私を演出するついでに能力値が合計10上昇する効果がある。
そしてスキル。
魔術の理解を助ける【魔術起動】と独立した武器スロットを増やす【護身】で戦う魔術師のでき上がり。
一時的に自身のステータスの一部を対象と共有できる【献身】は例えばMP消費の大きい魔術の発動に役立つ、らしい。
最後の称号というのは特定の条件下で解除される実績で、永続的かつ自動的にプレイに影響してくる要素となっている。
【イデア氏族の末裔】は苗字を設定するという条件を満たしたらもらえた。効果はSPが2もらえて、一部のイベントで苗字が呼ばれる、というものだった。
【魔法の保因者】は事前情報にはなかったけど、きっと魔法への想いが萌したってことだよね! えっと、効果は――。
「あった……!
マギカさん! ここ、見てください!」
と、お呼びがかかった。
どうやらお目当ての物は見つかったらしい。
ミィちゃんと肩を並べるようにしゃがんで草陰に目を凝らす。
「これって……抜け穴?」
草に隠れた囲いの下側は欠けて脱走におあつらえ向きの抜け穴ができていた。
「はい。友達が教えてくれたんです。
その時は使わないんだろうなって思ってたんですけど、覚えててよかった……」
「お友達にもありがとう、だね」
「はい!」
ミィちゃんがただただ嬉しそうな笑顔を向けてくれる。
私も笑顔と励ましの言葉で返した。
「お母さんには天使様とミィちゃんと私がついてる。
元気になれそう、って気がするのは私だけかな?」
「いえ、すごく楽しそうだなって思います」
「ふふっ、よかった。
方角はどっち?」
「ちょうど穴を抜けてまっすぐです」
「だったら天使様にもすぐに会えそうだね。
それじゃあ、行ってきまーす!」
「はい、お母さんとお帰りを待ってますね」
――そして私は明るい外の温かい土に立ち上がった。
個人的に時間をかけたステータスですが2点ほど神様が便宜をはかっており、2つ目の称号はなろうでしばし見かける【○○神の加護・祝福】と同様の、期待も込めた餞別です。




