22 アレクとリーニャ
よく、夢を見る。
遠い遠い、過去の日々の夢を。
『ママ、今日も遊びに行ってくるね!』
『カイ! 夕方までには帰ってくるのよ?』
『分かってるよ! さ、行くぞメイー!』
『待ってよー、お兄ちゃん……』
『はは。ほんとに元気な子だな、カイは』
台所で料理の支度をする、優しい母親。
いつも自分にくっついてくる、可愛い妹。
そして――新聞を片手に微笑む、大好きな父親。
『パパ! 帰ったら、いつもみたいに魔法教えてよ!』
『もちろんだとも。さ、たくさん遊んでおいで』
『うん!』
記憶にこびり付いた、幸せな日常の光景。
出てくるのは、決まって自分と家族の4人だけだ。
『行ってきます!』
そう言って家の玄関を開け、外に飛び出す。
次の瞬間、目に飛び込んできたのは、
地面に横たわる、母親と妹の死体だった。
視界が歪み、荒い呼吸が止まらない。
今すぐに目を背け、逃げ出したいのに、体が動かない。
その場で立ち尽くしていると、背後から声が聞こえる。
『カイ。お前は魔術師になるんだ。父さんとの約束だ……いいな?』
その言葉が頭の中で反響し続け、狂気じみた強迫観念が心を蝕んでいく。
頭を掻きむしり、蹲って縮こまるも――誰も助けてはくれない。
自分は、独りだ。
いつもは、そこで夢は終わってしまう。
だが今回は違った。
『カイ』
もう一つ背後から別の声がする。
夢の中では初めて聞く、幼い少女の声だ。
『カイ……』
自分を呼ぶその声は、どこか優しくて、心が暖かくなる感じがする。
そして、助けを求めるように、声のする方を振り向いた。
――――
「カイ、起きて」
「ん……」
体を揺すぶられ、重い瞼をゆっくりと開く。
何かと思って見れば、くりっとした紅い眼がこちらを覗き込んでいた。
「あ、起きた。カイ、おはよう!」
「……ルナ。お、おはよう」
半開きの目をこすりながら、カイはむくりと上半身を起こす。
辺りを見渡すと、そこは見慣れた自宅の居間、ソファーの上だった。
とある集合住宅の一室で、居間と寝室だけの狭い家。カイはここに師匠と二人で暮らしている。
その師匠は今不在だが。
「……ああ、そうだ。俺、寝ちゃってたんだ……」
カイは寝惚けながらも、徐々に寝る前の事を思い出してきた。
確かあの後――ルナを連れて、綿花畑からこの家へ帰ってきたのだ。だが、帰宅した瞬間に強烈な眠気に襲われ、ソファーに倒れ込んでそのまま寝てしまった。
昨日は朝から街中を歩き回っていたし、回復魔法で重症患者を治療したりした。その疲労が祟ってしまったのだろう。
(……ん?)
昨日、ルナをどうしただろうか。
考えてみれば、彼女を家に連れてきてからの記憶が無かった。
ルナに何の説明もせず、寝てしまったのか。
カイは窓の方を見た。気持ちのいい陽の光が差し込み、鳥のさえずりが聞こえてくる。
朝だ。
昨日の夜から朝まで――ルナを放置してしまった。
じわり、と冷や汗が滲み出てくる。
(……まさか)
カイは自分の体の上に一枚、毛布がかけられているのに気がついた。
「……っ!! ル、ルナ!! ごめんっ!!」
カイはソファーから跳ね起き、勢いよく頭を地べたにつけ突っ伏した。
「えっ? な、何が……」
「ごめん!! 俺、最悪だ。なんの説明も、もてなしもせずに、勝手に寝ちゃって……」
自分から客を家に招いておいて、その客を完全に放置して寝てしまう。相手次第ではぶん殴られても言い逃れは出来ない失態だ。
床に土下座したまま顔を上げられないカイ。焦りと自責の念で、残っていた眠気も完全に吹っ飛んでいる。
だがそんなカイを見て、ルナは柔らかく微笑んだ。
「そんな事……いいの。ルナも、無理やり起こしちゃってごめんなさい」
「……え?」
「ホントは、寝かせておいてあげたかったんだけど。カイ、いつまでも起きないから、ちょっと怖くなっちゃったの」
カイは思わず顔を見上げた。だが目に入って来たのは、申し訳なさそうに笑みを浮かべるルナの姿で、再びがっくりと項垂れてしまう。
ルナの健気な優しさが、罪悪感で満ちた心に染み込んでズキズキ痛む。
「ほんとに……ごめん。毛布までかけてもらって」
「いいの。それよりほら、朝ごはん出来てるよ?」
「……え?」
気づけば、何やらいい匂いが居間に立ち込めていた。
朝の空きっ腹に効くような、スープか何かの匂いだ。
ルナに手招きされ、カイは立ち上がって彼女についていく。
見れば、食卓机の上にスープとパンが用意されていた。
「こ、これは……」
「ルナが作ったの。勝手に食材とか使っちゃったんだけど、だめだった?」
「い、いや、それはいいんだけど……さ……」
「よかった。じゃあ、冷めないうちに。ほらっ」
カイは促されるまま椅子に座り、野菜や肉の入ったスープを口に運んだ。ルナはそれを少し緊張したように見ている。
「……おいしい」
「ほ、ほんと!? よかったあ!」
ルナは安心したようにホッと息をついた。
ありあわせの材料だけで作ってくれたのだろう。とても優しい味がする。
というか、ルナが料理を出来るなんて知らなかった。
「俺が寝てる間に、作ってくれたの……?」
「うん。ルナはもう先に食べちゃったけど。ほんとは一緒に食べたかったんだけど、カイ、凄い気持ちよさそうに寝てたから、起こせなくて」
「…………」
「あ、それとね、家のお手伝いしておいたの!」
「……え?」
そう言われて辺りを見渡すと、やけに家の中が綺麗になっている事に気がついた。
散らかり放題だったはずの居間は綺麗に掃除され、家具や壁、床に至るまで丁寧に磨かれている。家の中が心なしか輝いているようにさえ見えた。
「ま、まさか、部屋の掃除まで……?」
「うん。これくらい、とーぜんだよっ。昨日からたくさん助けてもらってるんだし」
「……あ、ありがとう。ほんとに……」
絞り出すように感謝の言葉を言いつつ、不甲斐なさにカイは顔を上げられなかった。本来は自分の役割だったはずの事を、居眠りしている間にルナに全部やらせてしまった。
「ほんとに、すごい、申し訳ない……」
「いいの。だって、ルナはカイのお手伝いするんだもん。昨日言ったでしょ?」
「…………」
カイは昨日の綿花畑での一件を思い出す。
病気を治し幸せになるという夢を叶えてやると、そう約束したのは記憶に新しい。そしてルナは、その代わりに自分のお手伝いをしたいと言っていた。
そういう訳で、いろいろと家事をこなしてくれたのだ。
まだ彼女に何もしてやれていないのに。
こちらの失態で、完璧に順序が逆になってしまった。
しかし、後悔しても仕方ないだろう。一度犯した失態は取り返せない。
ならばこれからやるべきは、約束を果たすことに全力を尽くす事だ。そうだ――まだ時間はたっぷりある。これから幾らでも挽回すればいい。
「……そうだね。ありがとう、ルナ。すごい助かったよ」
「うん。ところで、今日は何するの?」
「ん? 今日は…………っ!?」
決意したのもつかの間。
カイはハッと息を呑んだ。
そして壁に掛けられている時計を見て、一気に青ざめる。
「ルナ、はやく病気治したいの。魔力せいぎょ?の事、教えてほし――」
「やばい!!!」
そう叫び、勢いよく立ち上がるカイ。座っていた椅子がガタンと倒れる。
顔面蒼白のカイを見て、ルナは目を丸くした。
「ど、どうしたの?」
「遅刻だ……」
「え?」
「今日は仕事なんだ!! 完全に忘れてた!!」
冒険者の仕事がある事を、カイはすっかり忘れていた。
いつも朝早くにギルドに行き、リンカ達と合流するのだが――その待ち合わせの時間はとっくに過ぎていた。
それも、40分オーバー。
あの生真面目なリンカの事を考えると、絶望的ともいえる遅れだ。
しかも確か今日は、Aランク昇格テストが懸かった大事な日。
昨日リンカに「絶対に来い」と念を押されていたのだ。
(……終わった)
彼女の鬼の形相が容易に想像出来る。
待つのは修羅場のみ。
だが、行くしかない。行けば半殺しだが、行かねば死なのだから。
「こうしちゃいられない! 早く行かないと!! えーと……」
(ルナはどうする――連れて行くか?)
カイは一瞬迷ったが、すぐ愚問だと気づいた。そもそも、ルナを一人置いていく事なんか出来ない。
「ルナ、ついてきて! 今日は冒険だ!!」
カイはルナの作ってくれたスープを一気にかきこみ、パンを口にくわえて玄関をバタンと開け、彼女に手招きする。
ルナは突然の事態に困惑していたが、冒険という言葉を聞くと目を輝かせ、足早にカイの元へ駆けていった。
――――
走って走って、ギルドへ向かうカイとルナ。
ギルドはこの街、ウェストレアの中心部にある。カイの家がある住宅街エリアからは、少しばかり離れたところだ。
通りを突っ切り、家と家の間を抜け、とにかく走る。
ルナがついて来ているか心配で、カイは何度も後ろを振り向くが、ずっとぴったり背後にくっついて来ていた。
しかも驚いた事に、ルナは全く息切れをしていなかった。
カイは走り始めて3分もすれば息も絶え絶えだったのに、ルナは平然とした顔でツインテールを揺らしている。しかも、走るのが異様に速い。
それもこれも、彼女が紅血族だからだろうか。普通の人間とは根本的に体の出来が違うのかもしれない。
そんなこんなで、走り始めて10分ほど。
大きな通りに出ると、突き当たりにギルドが見えてきた。周りの家々から頭一つ抜けて大きな5階建ての建物だ。
そしてギルドに近づいていくと、建物の正面に一人、革鎧を来た茶髪の女性が立っているのが見えた。
リンカだ。
腕を組み、玄関の前で仁王立ちしている。その顔には遠目からでもわかる、「怒り」の二文字が張り付いていた。
カイは今からでも家に引き返そうと思ったが、リンカがこちらに気づいたらしくキッと睨みつけられたので、諦めて腹を括った。
絶望を胸に、息を切らしながら彼女のもとへ走って行く。
「……はあ……はあ……リンカ……ご、ごめ……」
「遅いっ!!! 何してたのよアンタ!!!」
街中に響き渡らんとする怒声。
周りの通行人の視線をもろともせず、リンカは声を荒げた。
「今何時だと思ってんのよ!! 今日は大事な仕事だって、あれだけ言ってたでしょ!!!」
今にもビンタが飛んできそうな雰囲気のリンカに、カイは思わず後退りする。
「……ご、ごめん。寝坊した……」
「やっぱりね。今から家行って叩き起こしてやろうと思ってた所よ。まったく、アンタは……」
リンカはそこで言葉を切った。
丁度、カイの後ろでもじもじする少女が目に入ったのだ。
「……って、あら。ルナちゃんじゃない」
「リ、リンカ……さん。おはようございます」
気まずそうに挨拶するルナ。
膝に手をつき肩で息をするカイと対照的に、彼女は何事も無かったかのように全くの自然体だ。あれだけ走ったのに、とカイは驚きを隠せない。
「あらあら、リンカでいいのよ。どうしたの、こんな所で…………って」
次の瞬間。リンカはカイの腕をガシと掴むと、ルナから少し離れた所に引っ張って行った。
そして声を落として言う。
「ちょっと……! なんでこの子、連れて来てんのよ!!」
「え? い、いや……」
「馬っ鹿じゃないの!? 家に置いてきなさいよ! 何考えてんのよ!!」
「ち、違うんだ。聞いてくれ。事情があるんだよ」
カイは、ルナが冒険者になりたがっている事をリンカに伝えた。
「……は? 冒険者に?」
「うん。だから今日、一緒に連れて行ってやりたいんだ」
リンカは開いた口が塞がらない様子だ。
「何を言い出すかと思えば……呆れた。あんたには掛ける言葉もないわ。ルナちゃんに冒険者をやらせようだなんて……」
「大丈夫だよ。冒険者っていっても、俺の付き添いって感じだからさ。危険な仕事とかはやらせないし、俺が守るから」
カイのその言い分に、リンカは眉を吊り上げた。
「そういう事じゃないのよ! あのね、ルナちゃんがどこの子でどういう子なのか、分からないの? 危険なのはこっちなのよっ!! あんたはいいかもだけど、私達の事も考えなさいよ! 一緒につれていくなんて考えられないわ!」
「それも大丈夫。俺が傍にいて見張ってるし、万が一が起これば俺が皆を守るから」
「駄目よ! 今日は大事な日なんだから、万が一はあって欲しくないの! あんた寝坊してきたくせに図々しいわね!」
「うっ……いや、でも――」
「あ、あの……」
二人が揉め合っていると、ルナが割って入った。
カイの服を掴み、申し訳無さそうに言う。
「……ルナ、やっぱり家で待ってる。カイ、お仕事行ってきていいよ」
そう言って、ルナは気まずそうにうつむいた。
聞こえないように声を落としての言い合いではあったが、ルナには筒抜けだったのだ。
完全に気を遣わせてしまった。
しょんぼりするルナの姿を見て、カイが慌てて慰めようとする。
だが、先に口を開いたのはリンカだった。
「ル、ルナちゃん! そんな気遣わなくていいのよ。いいのいいの、ついてきても全然いいんだからね!」
さっきまでの態度とは打って変わって、リンカは猫なで声でまくし立てた。
カイは目が点になってしまう。
「ほ、ほんと?」
「もちろんよ! 迷惑ともなんとも思ってないんだから! 全然、なーんの問題もないの。ついてきて、全然オッケーよ。ただ、その代わり、カイの傍から離れちゃ駄目よ? 危ない目に遭うかもしれないからね?」
「……うん!」
ルナは安心したようにニコと笑った。リンカはその笑顔を見てほっとため息をつく。
リンカは、子供に弱かった。
こういった小さな子のいじらしい姿を見ると、どうしても手を差し伸べてしまうのが彼女の心柄だった。
「まあ……カイに一任すれば……ついてくるだけなら……別に邪魔になる訳でもないし……」
リンカは自分を納得させるかのように、何やらぶつぶつと呟いている。
「リンカ、いいの?」
「…………いいわ。でも、あんたじゃなくて、この子を思っての事だから。そこ履き違えないでよね」
リンカはカイに背を向け、ギルドの中へ歩を進めた。
「今回だけよ。あの二人は中で待ってるから、あんたが全部説明しなさい。あと、遅れたのをちゃんと謝る事。いいわね」
さっきのルナへの猫なで声は何処へやら、あからさまに怒りを含んだ冷たい口調だ。
「寝坊してきた挙げ句……ほんっと、しょうがないわね」
「……すみません。ありがとうございます」
――――
大開になった玄関から、ギルドの中に入っていく。
中は大きめの広間になっており、受付や掲示板には他の冒険者や職員がちらほら見受けられた。
先程の騒ぎが中まで聞こえていたのだろう、彼らはこちらを見てひそひそ話をしている。かなり辛い。
「ほら、こっちよ」
だがそんな周りの目は完全無視なリンカ。彼女に手招きされ、カイとルナは後をついて行く。
机と椅子が並ぶ待合スペース。
その一番奥の席に、二人はいた。
「よーお、カイ! お寝坊さんか!?」
こちらに気づいて話しかけてきたのは、ガタイのいい大柄な男だ。
薄く煌めく金髪を短く揃え、長身で筋骨隆々、戦士風の大男。しかしその顔つきはシャープでとても若い。明るくて気前のいいお兄さんといった感じだ。
すぐ横の壁には彼の扱う武器であろうか、重厚な戦斧が立てかけられていた。
「……うん。遅れてごめん、アレク」
「はは、良いってことよ。もうちゃんと怒られたんだろ? リンカの怒鳴り声がここまで聞こえてきたぜ」
そう言ってワハハと笑うアレク。そこへもう一人が口を挟む。
「まったく……寝坊で遅刻なんて、考えられませんね。非常識にも程があります」
ぼそぼそと不満を呟いたのは、アレクの隣にちょこんと座る小柄な女性――いや、女の子だ。
青空を閉じ込めたような薄水色の髪を肩まで垂らした、可愛らしい若い女の子。だがジト目でこちらを睨む顔つきから、無愛想でツンとした性格なのが伝わってくるようだ。
ベージュ色のケープを全身に纏い、その腰に短剣を二本差している。
そして特徴的なのが、頭から生えた手触りのよさそうな獣耳だ。
彼女の臀部からは、狐のような大きな尻尾が一つ垂れている。
「別にいいじゃねえかよ、リーニャ。失敗は誰にでもあるんだぜ」
「いいわけないでしょう! どれだけ待たされたと思ってるんですか。迷惑極まりない行動は慎んで貰いたいですね」
リーニャと呼ばれた女の子はフンとそっぽを向いた。
「ご、ごめん……リーニャ」
「……謝罪はいいです。言葉じゃなくて、行動で示してください。今日はうんと働いて貰いますよ」
頭を下げるカイに、リーニャはため息混じりにそう念を押す。
が、そのとき。
「……? なんです、その子は」
カイの背後から様子を窺う幼い少女を、リーニャは横目に捉えた。
「あ、ああ。この子は、今俺が訳あって預かってる子なんだけど」
「……へえ?」
「その、冒険者になりたいみたいでさ。今日はちょっと見学につれて行きたいなー、なんて……」
カイは少し遠慮がちに言った。
「は? 冒険者?」
リーニャの狐のような耳がピクと動く。そして怪訝そうな表情でルナの顔を見た。
「……こんな、虫も殺せそうにないような子が、ですか?」
半ば呆れたような表情を浮かべるリーニャ。そんな中、アレクがずいと身を乗り出す。
「なんだよ、こんなかわい子ちゃんが冒険者志望とは珍しいな! 嬢ちゃん、名前は?」
「……ルナ、です」
「ルナちゃんか。俺はアレクだ、よろしくな!」
そう言ってアレクは手を差し出した。ルナが気恥ずかしそうにその大きな手を握り返すと、アレクは白い歯を見せて笑った。
「ふーん……」
リーニャは訝しげにカイとルナを交互に見ている。特にルナの顔を不審そうにじろじろ見つめており、ルナは耐えられないようで伏し目になっていた。
カイは何か小言を言われるのではと思い、先に口を開く。
「そ、それより! 遅れちゃったしさ、早く出発しようよ、リンカ」
「……そうね」
「そうそう、気になってたんだよ。今日は、どこに何しにいくの?」
カイが聞くと、リンカは腕を組んでフンと鼻を鳴らした。
「今日の仕事は、いちご狩りよ」
 




