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いきもの と わたくし

今年の初夏は「男女三人夏物語」だったんですよ、奥さん!

作者: けも

今年の初夏もツバメご夫妻が、当家の軒下に帰ってきました。

おかえんなさい、

なんにもありませんが、ゆっくり子育てしていってね、

と、


何となく、

いつもの様に、

観察していたのですが …


多くない?


一羽 多いよ?

軒下に三羽います、男子二羽に女子一羽

あらヤダ、

恋のさや当てですか、ツバメ子さんモテモテですな。

と、下世話に観察していたのですが、


女子を争った末に、卵や雛が落とされる悲しい出来事も多いと聞くので、

なので、

あぁ、ケンカをやめて二人を止めて …

争いは何も生まないのに、

と、緊張感を持って見守っていたのでございます。

その様な大家の気持ちを知ってか知らずか、

軒下は和やかです。


そのうち奥さんが巣ごもりし始めたので、

いよいよかも、

と、いつもの「座布団入り箱」を巣の下に設置して様子を見ていました。

えーと、卵落ちてきたらどうしよう、

私が脇の下で温めればいいの?

また、育てる羽目になったらどうしたものか、

今度はどれほどのコオロギが犠牲に ……


大家さんは、あらぬ悩みを抱えながらソワソワしていたのですが、

杞憂だったようです。

三羽来ている … けど、女子をめぐる争いは発生していません。

一羽の男子はやたらと巣の端っこに止まっていますが、

巣の中にもう一羽いるので、

巣の中の女子にアピール ?

いや、これがダーリンで奥さんを口説かれないようにブロックしているのかな ?

と、見ていたんですが

2・3日後に、一羽の男子が口移しに巣の中のツバメに給餌するのを目撃します。

あら、ダーリンとハニーかしら、睦まじいですな、

と思っていたら抱卵を交代しました。

巣から出てきたのは「男子」

― オスがオスにご飯あげていたようです、

仲いいな、あんたら …


その後も、三羽で仲良く「抱卵」して、雛が「ひよひよ」し始めました。

でも、殺伐とした雰囲気も無く、三羽で雛に給餌しています。

今年は雛が六羽と多かったのですが、

育児体制が三羽と人手ならぬ燕手?が多いので、雛もすくすく育っています。

この様な事態は初めてなので、興味深く見ていたのですが、

心配したような事態も無く、和やかです。


そのまま、巣立ちまで、こんな感じなのだろうか?

と、思っていたのですが、

雛が「ひよひよ」し初めて一週間ほど経過したある日、

ふつりと、

一羽のツバメ男子はこなくなりました。

何処かに新しい恋を見つけたのか、

彼の新しい恋路が上手くいくようエールを送りつつ、

大家さんは、ツバメ家族を見守っていたのです。


そんでもって、

穏やかに巣立ちも終了し、軒下が寂しくなった七月のある朝、

うちの軒下に「ツバメの軍団」が …

30~ 羽くらいのツバメが飛んだり、鈴なりに軒下に止まったり

しているのですが、

その … みなさん何がありましたの?

この奇妙な現象は2~3日で落ち着き、

三々五々と、ツバメたちは少なくなり、

最後にはいなくなったのですが、

それまでは、私が玄関に出ても気にせず軒下を多くのツバメが飛び交っていて、

たしかに、大家さんはツバメ肉には興味がございませんが、

君たち、少しは大家さんを警戒してはどうか?


推理するに、

ご近所の川岸に、ボーボー生えている葦とか、もろもろの雑草が、

護岸工事に伴い、きれいさっぱり刈り取られてしまったことが原因の様です。

「巣立ち」の後に集合して、秋の旅立ちまで過ごす場所が無くなったんですね、

多分?

で、当家周辺の軒下が一時集合場所になったのではないでしょうか?

ホントのところはツバメたちに聞かないと分かりませんが、

来年は川岸辺りも、またボーボーでしょうから、一時的な現象なんだろうけど、

わたしが真ん中につっ立っていても気にせず、周囲を飛び交うツバメを観察できたのは楽しゅうございました。


まあ、糞が多かったのは掃除すればいいしな ……

な …


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