〇登場人物紹介 その2
エターナルはせず、楽しく嬉しく執筆していきます。
今後ともヨロシク!
『墓守のリッカ』 人間
本名はリッカード・アル・タンクエン。
教会の墓守として働いており、アンデッドの活動が活発になる夜に墓場の見回りをしている。害の無いアンデッドならば、大きな干渉をしない。だが、墓守や他のアンデッドの体を奪おうとしたり、危害を加えようとするアンデッドには清めの酒を使って魔素に還している。
アンデッドの声を聞く、波長を合わせる。法術の才能はかなりの物らしく、魔素を操作して球を作る修行でも他者の倍以上の数を同時に操作する事をやってのけた。
普段はおっとりしているが、危険な相手がいたとしても逃げずに戦う勇敢な一面も持っている。いつもボロボロになってギリギリで何とかしているため、クーラからは自分を大事にするようにと何度も怒られている。
灰色の上下に黒のローブがいつもの服装、ローブには沢山のポケットなどの収納があり、色々な物がつめこまれている。ローブは金属などで補強されている事もあり見た目より重い。
炎を放つ魔法媒体、衝撃波を飛ばす魔法媒体、清めの酒、簡単な工具一式、ナイフ等がローブに収納されている。
愛用の武器はナイフだったが、墓地で悪魔を見つけてからはショートソードも欠かさず持ち歩いている。
相棒のスぺックは「嫌な予感だけは気味が悪いほどに当たる能力がある」と話している。
お酒や食べる事が好き、墓守は人々には悪い印象が強いため、街を歩く時の視線を悲しく思っている。仕事帰りに寄れる店が少ないことも悲しい思いの理由の1つ。
第60話にて、教会に一度破門された過去があることが分かる。
『相棒のスペック』 幽霊
本名は教えてくれない。
幽霊タイプのアンデッド、だれにでも見えている訳ではなく、リッカでもその姿は黒や白の靄が人の形に集まっているようにしか捉えられていない。リッカをからかうような言動も多く、時々死んでいるという事を忘れさせるような性格をしている。
貴族の区画に詳しく、保存食を作る腕があるなど生前は様々な仕事をこなしていたのだと思われる。リッカの体術などを見て下手くそと言えるくらい、生前の身体能力は高かったらしい。
本人は生前の事を話したくないのか、それとも記憶が薄まっているのか誰にも語る事はない。リッカの手伝いをしている時以外は孤児院の近くを見て回っていることが多い。
相棒としての仕事は、リッカと共にアンデッドの捜索や調査を行う事、リッカが交戦中には周囲の警戒を行う事などがある。時々、家事や荷物持ちもさせられているらしい。
金色のツンツンした髪の毛を持っており、元冒険者のような仕事をしていたらしい。
魔素を操る事で物を持ったり、他の幽霊タイプのアンデットを霧散させたり、いくつかの技能を持っている。
幽霊タイプのアンデッドにしてはかなり意識がハッキリしている。
墓守の相棒の相手としてはかなりの例外、一歩間違えれば死霊術師扱いされてしまうのに自分の事を受け入れてくれたリッカに内心感謝している。
『カルア・コルフィ』 人間
貴族のお嬢様。見習い墓守に転職。
土地を管理するという業務を国王から承っているコルフィ家の娘。貴族でも護身術として格闘や剣技などを習う事があり、カルアも習っていた。その中で特に格闘術にセンスがあったようで、本人も普段から動き回れるような服や道具を仕込んで置く事が習慣になっていった。
法術の才能もあり、幽霊の姿を曖昧であるが捉え、拳や蹴りでアンデッドの魔素を散らすことができる。
いかなるアンデッドも悪であり、即座に魔素として世界に還す事をよしとしていたが、リッカに謎の指輪を壊されてから思想が少し変わり、性格も大人しくなった。
貴族の中で「悪魔付きになった」と噂が広がった事、勝ち気な性格でコルフィ家の土地管理の仕事がうまくこなせなかった事などから、教会の仕事に関わる事になり、リッカを師匠とした墓守に任命された。
法術の腕も上がり魔術媒体も使うようになったが、細かい制御は苦手としており、拳で直接叩くような技が冴えている。
スペックいわく「魔術禁止なら、だんなより強い」。
短慮な部分はあるが、心根は優しく、仕事に関しては真面目に取り組む。
自身のガサツな性格や、口より先に手が出てしまう事など未熟な面を気にしている。
『ブラグ・コルフィ』 人間
カルアの父。
土地というトラブルになりやすい部分の管理を行っている家の当主。貴族とは思えないほど腰と頭が低くなる瞬間があるが、彼が当主になってからは土地の管理などが順調に進み、ごまかしや横領などの件数も減ってきているとのこと、実は優秀な人材。
髪の薄い頭皮と、大きな体格が目立っている。髪の薄さについての原因はカルアかもしれないと使用人達からはささやかれていた所、悪魔付きという噂が立ってしまった事でさらに髪の薄さに拍車がかかっている。
娘のカルアの事を大事にしている一方、勝ち気な性格に手を焼いている。
縁談の話もまとまらず、コルフィ家の仕事も順調にこなせない、悪魔付きの噂も出た。対策としてカルアを教会の墓守として、悪魔付きの噂の対処、仕事を変えるという手を使ってきた。
あわよくば、リッカをカルアの縁談の相手として立てたいと企んでいる面がある。
貴族とは思えない程腰が低く、ペコペコと頭を下げる姿が印象的。
それも、争いよりも話をまとめる事を優先する彼の作戦なのかもしれない。
『カルド神父』 人間
リッカの所属する教会の重役というか、トップ。
元貴族らしいが、本名や家の名前は限られた人しか知らない。大体の人が「カルド神父」と呼ぶ。
白髪の混じった黒い髭が口を見えないほどに生え。背の高い帽子を被っている事が多く、朝は祈りの儀の煌びやかなローブを纏っているため、周囲からは話しかけにくいような印象を与える。
そんな印象は話してみると一瞬で吹き飛ぶ、少年のように軽やかに振る舞う性格をしている。祈りの儀を面倒と言ってしまうなど本心を隠さない性格をしているが、清濁併せ飲むような懐の広さも持っている。
なぜか墓場で魔素を集める指輪が続いて発見されている事、悪魔が見つけられた事などから不穏な空気を強く感じており、積極的に調査を行っている。
これらが解決したあとも、リッカが不気味な金属片と宝石を見つけてきたりと街中の不穏がぬぐいきれない事に不安を感じているが、周囲に伝播させないためにもいつも通りの態度で過ごしている。
法術使いとしても上級の腕を持っており、アンデットを見たり払ったりする事ができる。
波長合わせもできるため、スペックとも普通に話をしている。
『鉄柱のバル』 ピグマン
戦士ギルドの重鎮。
ボルとは双子の兄弟で見た目はそっくり、声もしゃべり方も似ているので区別がつかないほど。縦にも横にも大きな体を持っている。ピグマンという種族で、ピンク色の肌と豚のような顔、小さな三角形の耳が目立つ。
通称で鉄柱と言われる大きなメイスを自在に扱う、並みの人間では持ち上げることすら大変な重量があるものを振り回して戦うため、ギルド内でも個人戦最強と言われている。
戦士ギルドと冒険者ギルドの構成員の半分はどっちにも所属しているので、月に1度は双方の人員を誘って飲みに行っている。彼らが来た店は酒も飯も完売になり、売り上げ以外に何も残らない。
リッカとも飲み仲間であり、明け方まで飲んでいる時に酒場でよく行き会っている。
『鉄板のボル』 ピグマン
戦士ギルドの重鎮。
バルとは双子の兄弟で、同じように大きな肉体を持っている。バルとは違い2枚の巨大な盾を扱っており、大砲ですら止めると言われている。ギルド内では盾ではなく城壁を持っていると言われている。
ピグマンという種族では、危険を考えない無鉄砲な性格をしている者が多いが、その中でも盾を主な得物としており、巨大な体と粗暴な態度とは裏腹に慎重な性格。見た目はそっくりなバルよりも用心深くてちょっとだけ臆病なところがある。
バルと同じくリッカとも飲み仲間であり、墓守の仕事帰りの深夜か早朝の酒場でよく行き会っている。
『教会の治療師・薬の使い手クーラ』 人間
本名はクーラ・クロンディナル。
治療専門の技術を持つ女性。
患部を手で押し込むことで、怪我人や病人の体の状態を細かく調べる事ができる。法術を変化させた技術をもっている。効果的だが重傷者ほど体への負担が大きいため、好んで受けたがる人はいない。
高価なメガネをいつもかけており、仕事の邪魔にならないように、髪を後ろで1つに縛っている。仕事中は常に冷静である事を心がけており、周囲からは淡々とした性格と思われている。
時々、リッカに対して腹を立てたり、からかったりする様子を見られてからかわれる事も増えているため、印象が変わってきたと言われている。
患者が早く怪我が治るようにと最善を心がけているため、実際にはとても人の事を考えている人物。母親がアンデッドになり、墓守の力でその姿を人間として会わせてくれた経験があり、墓守の仕事を良い仕事として捉えている。
最近、新人で入ってきたカルアの不器用さにリッカが足を引っ張られないか心配している。
その様子を同僚のリキュにからかわれて赤面する今日この頃、治療院の空気を明るくすることにも一役買っている。
『熟達の墓守・墓守のコラー』 人間
リッカの先輩の墓守、師匠でもある。
本名はコラー・ニー・トニコ。
灰色の上下と黒のローブという墓守の定番の服装に加えて、黒のつばの広い帽子と日傘を身に着けている。手袋もいつも欠かさず身に着けているが、これは太陽の光で皮膚がただれてしまうことを避けるため、日か沈むまでは一切の肌を見せないで過ごしている。
その体質のためか、肌も髪も美しいまでに白い。老人と言えるほどの見た目をしているが、カルド神父より少し年上という程度らしい。
カッカと笑いながらしゃべる事が多い。光に当たれない体質のため生活には苦労していそうだが、それを感じさせない。
法術の腕に関してはリッカのはるか先にいる。白と黒の靄のようにしか見えないスペックの姿もはっきりと捉えて、角のようにツンツンとした髪型をしている事を知っている。
相棒は白いカラス、いつもコラーの肩にとまっている。全身は白銀とも思えるほどの羽に覆われ、嘴も灰色かかっているが白と言える色に染まっている。法術が得意な人物を好むような様子があり、リッカとカルアにもなついている。
彼が持つ傘の中には刺突剣が仕込まれており、直接戦う時にはこれを使う。
法術の腕は特級とも言えるほど、ぼんやりとしか捉えられない幽霊でも生前そのままの姿に認識できるほどの技を持つ。
『墓守のパニシュ』 人間
本名はパニシュ・ラ・スタウン
相棒は灰色に近い毛を持つ大きな犬のバカルラム。
墓守の中では新人にされていたが、一応の修行期間を終えて独り立ちをした。カルアが新人墓守で入ってきた事により通称から新人が消えた。
身長が高く、顔つきも凛々しい。愛用の武器は1メートル程度の長さの短い槍。
元冒険者をしていたが、多人数でワイワイして過ごす事や初対面の人と話す事を苦手としており、多数の人と関わる事が少ない墓守に自らなった変わり者。
お酒の席や、店の人とのやり取りがあるような所は避けているが、墓守は仲間という認識があり、リッカ達とは新人のカルアも含めて普通に話す事が出来ている。
法術の扱い方は墓守で一番ヘタと言われているが、バカルラムの咆哮に自分の法術を乗せる事で周辺のアンデットを一掃する技を持っている。
直接攻撃して倒す事が得意なため、愛用の槍に清めの酒をかけたうえで法術を乗せる事で苦手な法術をカバーしている。
槍を用いた戦いでは無類の強さを誇るが、墓地や街中で槍を振り回すわけにもいかないため、短い槍を装備している。
それでも接近戦の腕前は墓守達の中ではトップクラスの腕をもっている。
『モーラ神父』 元人間・悪魔
カルド神父とは別の教会の重役。
魔素を集める魔石を指輪に加工し街中にばら撒いていた犯人とされている男性。
指輪には狂信の魔法もかけられており、長期間身に着けた人は気が付かないうちに思想を捻じ曲げられる効果もあったらしい。
狂信は名前負けの魔術と言われており、ほんの僅かしか思想に影響を与えないはずだがモーラ神父自身は悪魔を天使として崇拝するほどに思想が捻じ曲げられていた。
教会の運営をおろそかにして、悪魔を何体も出現させていた事から異端審問にかけられる。
自身が天使として崇拝する存在を悪魔とされた事などを詰問される中、自らの身を人間ではなく悪魔に変えてリッカ達に襲い掛かるが撃退されてその生涯を閉じた。
なぜ悪魔を天使と思うようになったのか、魔素を集める指輪を作っていた目的は何だったのか、カルド神父達が追跡調査をしているが、まだ何も掴んでいない。
『審問官のゼロスト』 人間
本名はゼロスト・ログ・パーワー
異端審問官・聖騎士・戦乱の神父、など多数の異名や肩書を持つ。
初老に差し掛かる程の年齢だが、ピグマンに匹敵するほどの大きな体と豪快な性格を持つため、年齢を全く感じさせないエネルギーに満ち溢れた男性。
モーラ神父への詰問のために呼ばれ、悪魔化したモーラ神父をリッカ達との共闘により撃破している。
神父不在、悪魔や悪魔付きも多数出たモーラ神父の教会を立て直すために滞在することとなり、時々カルド神父の教会へも顔を出している。
巨大な炎を噴き上げさせるほどの強力な魔術、金属も紙のように簡単に曲げてしまうほどの怪力、壁に叩きつけられそうになっても体制を立て直すほどの身軽さなど、様々な面で高い能力を持っている。
法術もかなりの腕のようで、悪魔が使う魔法を叩き落す事をやって見せた。
肩書に『聖騎士』とあるが、騎士の位も貴族の位も持っていない。
あるとき全身鎧を着こんで、教会の入口に立っていたら、礼拝に来た子供がその巨大な体を指さして『騎士様がいる』と言われた事から噂が広がっていった。
悪霊を払い、悪魔を倒し、いくつもの戦場を越えても豪快に笑うその姿からいつしか聖騎士と呼ばれるようになった。
魔術の研究職出身なのだが、その見た目と評判のためか、誰も本業が魔術だとは思っていない。
『魔術研究所職員カミュ』 人間
本名はカミュ・カイルゼ
ゴーレムの研究を行っている、魔術研究所に所属する男性。
自称、リッカの親友。
ゴーレムや魔術に関して並々ならぬ知識を持ち、常識や倫理を吹っ飛ばしてまで新たなゴーレムや魔術の開発に心血を注ぐ危険人物。
光の当たり方によっては茶色に見える黒い髪を持つが、手入れする時間も仕事に当ててしまうため、いつもボサボサになっている。そのため白衣もいつもヨレヨレ。
話し始めると、回りくどい言い方で一方的な喋りが止まらない。
魔術に関しての分析力や応用力は非常に高く、ちらりと見るだけで機能や性質を理解するなど紛れもない天才。
ゴーレムもリッカ達が訪れる度に大型の新型が登場しているため、驚異的なペースで新型を作成している。
魔術研究は本来フィールドワークは主体になる。特にゴーレムは運営されている場所によって求められる性能や耐久性に大きな差があり、メンテナンスも必要なため研究所よりも現場に出る事が多いはず。
だが、新たな技術を湯水のように産む発想を活かし、常識や倫理を吹っ飛ばす危険さへの対処のため師匠によって研究専属とさせられて研究所に常駐している。
師匠は特定の時間にならないと姿を現せない、本を媒体にする幽霊となっており、魔術研究所に置かれている。
リッカと親友を名乗っているのは幼馴染という背景もあるらしく、スペックは好奇心から知りたがっている。語らせると長そうなのでスペックから声をかけることはしていない。
『教会の治療師リキュ』 種族不明 人間と異種族のハーフらしい
本名はリキュ・リキュル
身長はリッカよりも頭1つ半は小さく、ふくよかな体系をしている。いつも微笑みを絶やさない明るい性格をしている。
目はたれ目で、間延びした口調で話をする癖があるため、とてもおっとりしている印象を受ける。
髪はオレンジ、肌もオレンジ色を帯びており、人間とは違う印象を受けるが、出生について本人はあまり語らない。
その見た目や印象からクーラと対極とも思えるイメージになる。重症を負って運ばれて来た人も微笑みを絶やさずに治療するため、ある意味怖いとされている。
『店主バイオレット』 種族不明
娼婦の館を経営する女店主。バイオレットという名前も通称。
紫色のドレスを身に纏い、長い煙管を常に持ち歩く。
借金や暴力など世の様々な理不尽に触れて夜の世界に流れてきた女達を雇い、夜の世界での生き方や昼の世界への帰り方を伝えている。
彼女の助けによって、天涯孤独だった所から自立して新たな家族を持ったり、奴隷だったところから日の当たる道を堂々と歩けるようになったりと救われた女性も多い。
夜の世界は様々な人の想いが交錯するが、その中でも負の感情は蓄積しやすいため、それが溜まってくると居心地の悪さにも直結してくる。
世間が禁欲期間と定めている時期は夜の店に来るお客も激減するため、この時期に墓守に来てもらい負の感情がこびりついた魔素を払ってもらっている。
そのため墓守達と接する事が多く、不吉とされている事への偏見はない。
仕事をキチンとこなし、彼女の煙草に優しい火を移すことができる使い手は名前で呼ぶが、それ以外は肩書や『お嬢ちゃん』など名前を使わない呼び方をする。
リッカは名前で呼ばれるが、カルアは彼女の煙草に火をつける時に煙管を黒焦げにしているので、お嬢ちゃんと呼ばれている。
コラー、リッカ、カルアと3代にわたって彼女の煙管を1度は黒焦げにしている。
すくなくとも初老にさしかかるコラーの若い頃から見た目が変わっていないらしい。
続き、書いてます。
書き進めていますが、リアルの影響もありまして、のんびりお付き合い頂けると嬉しく思います。