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勇者は今日も食事の準備に精を出していた。
いつものように、テキパキと進めて行く手付きに迷いはない
トントントントントントン
心地よいリズムで食材が切り分けられていく
本日のメニューは
ビーフシチューにパセリライス トマトとフレッシュチーズのサラダ
出された料理をモシャモシャと食べる三人娘。
「おいしいわマクス、さすがね」
「うむ、さすがだ」
「おかわりいいですぅ? 」
「いいにゃ、いっぱい食べるにゃ」
そうして今日も料理を堪能する三人娘。
「で、今後の事なんだけどどうするの? 」
「そうだにゃ。今回の戦闘でみんなの実力は大体分かったにゃ。
これならこのまま魔王も倒せるにゃ。
だから魔王の所まで真っすぐすすむにゃ」
「真っすぐって言ってもだな、さすがに飛んで行く訳にもいくまい」
「飛んでいきますぅ? 」
「それはまだ無理にゃ。最短ルートを進むにゃ」
「じゃあ次はバクアンあたりか? 」
「そうね、じゃあ次はバクアンを目指しましょう」
今後の方針が数秒で決まってしまった。
食事が終われば団欒の時間だ。
「それにしても、今日のピアの弓は凄かったわね」
「凄かったですぅ。あんなの初めて見たですぅ」
「そ、そうか? まぁあのくらいは出来ないとな。私たちは魔王を倒すのだし」
二人に褒められてピアは耳を赤くしながら答える。
「リースの魔法も凄かったではないか、あんなに大きいのは初めて見たよ」
「大きかったですぅ」
「まぁね。一番大きいやつだったしね」
リースは照れながらもどこか誇らしげだ。
「ロダの回復も凄かったわよ。あんなにすぐに回復するなんて知らなかったわ」
「私もだ、流石だな」
「そうですぅ? よかったですぅ」
三人娘がお互いに褒め合う行事はこの後も続いた。
三人娘がお互いに褒め合っている頃、マクスは馬に餌を与えていた。
馬は餌をモシャモシャと元気に食べている。
マクスは馬のその様子を見ながら、うんうんと頷く。
毛並みもよく、調子もよさそうだ。
ここまで結構無理をさせて来たので気にはなっていたのだが、
この様子なら大丈夫だろう。
マクスは後片付けに戻った。