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その知らせを聞いた時、魔王軍幹部ヒーブは耳を疑った。
ちょうどパリモリからの報告書を読んでいたからだ。
内容はほとんどが愚痴みたいなものだった
「人間は弱すぎる、こいつらにこんな資源はいらない」
「勇者は大したことない」
などと、いろいろ愚痴が書いてあり
ヒーブもうんざりしながら読んでいる最中に
その訃報は急にやって来た。
「死んだだと? パリモリがか? それは本当なのか? なにかの間違いだろ」
そんな事を部下に言っても仕方がないのに、つい口にしてしまった。
自分のあり得ない行動にヒープは自分が動揺している事を知る。
「いや、いい」
部下の返事を遮って、ヒープは酒を煽る。
「何があったんだ? あいつは好戦的ではあるが馬鹿ではない
ちゃんと考えて行動出来る奴だ。
だから魔王も、あいつを先遣隊に加えたというのに
それが何故だ、勇者か?
いや、でも勇者は倒したと書いてあったはず……」
もう一度、報告書に目を通す。
そしてパリモリの部下が、敵の自爆によって死んでいる事を発見した。
「自爆か、確かにそれならばパリモリもやられてしまうかもしれない
が、あいつがそんな簡単にやられるだろうか? 」
「おい、パリモリの部下はいないのか」
「それが、全滅だそうで」
「全滅だと」
ヒーブはますます分からなくなる
「パリモリだけじゃなく部隊さえも、一体何が起こっているんだ」