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「お見事」


 グロッパはもぎ取られた右腕の事などお構いなしにデピアを褒める

 

 初めは何を馬鹿な事を始めたのかと思っていたが、

 

 自分の右腕を持って行った事には賛辞を贈る。

 

 諦める事のないその精神力は称賛に値する。

 

 グロッパは右腕の後を止血した。

 

 まさか人間界で片腕を失うなんて思ってもいなかったが

 

 これほどの猛者が居るのであれば人間も捨てたものでもないなと思う。

 

 なかなかいいおもちゃになるだろう。

 

 これからどうやって遊ぼうかと考えていると時間が来てしまったようだ

 

「はぁ~」

 

 溜息をつく。

 

 折角、気分が乗ってきた所だったのだが、仕方がない。

 

 役目を果たさないといけない。

 

 好き勝手にやってはいるが魔王の配下であることには変わりない。

 

「おい、人間。お前より強いモノはいるのか? 」


「さぁな。何の心配をしているのか知らないが、お前は私が倒すから心配するな」


 この状況の中でよく口が回る。

 

 グロッパは少し面倒になった。

 

「そうか、もういいよ。ここまで楽しませてくれた礼だ。受け取れ。」


 力の解放

 

 80パーセントまで解放し、何の小細工もなくただ殴る

 

 おそらくはこれで死んでしまうだろう。

 

 ただ、もしこれでも耐えられたなら

 

 淡い期待をしつつ戦いを終わらせた。

 

「まったく、あいつら適当にやってんじゃないだろうな


 そう言えば前にも…… 」


 独り言ちてグロッパはその場から消えていく。

 

 

 

 

 グロッパは単身、人間界にやって来ていた。

 

 人間界に興味などはないのだが

 

 どんなところか見ておきたかったというのが理由である

 

 自分よりも弱い者にも興味がない

 

 だから町に入っても何もしなかったし、

 

 観光気分で歩いていたグロッパ

 

 だが、人間にしてみれば恐怖でしかない

 

 猛獣が街中をうろついているのである

 

 警戒しない方がおかしい。

 

 そうして戦闘が始まってしまうのは必然。

 

 グロッパにしてみれば戦闘と呼べるものでもなく

 

 コバエを払う程度のものだった

 

 そうしているうちに勇者と名乗る者が出て来た。

 

 グロッパは歓喜した。

 

 まさか勇者と戦えるなんて思ってもいなかったからだ

 

 さっそく戦ってみることにしたら一撃だった。

 

 弱い、弱すぎる

 

 勇者ってこんなに弱いのか

 

 それがグロッパの感想だった

 

 なんてつまらない世界なんだ。

 




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