ギルド登録
ギルドに向かいながら私は赤毛の男にギルドについて説明をしてもらっていた。
要するにギルドと言うのは何か特定の職に付かずに様々な事を行いその対価に金と言うものを貰えるようだ。
ギルドの仕事は、幅広く動物や、魔物を狩り食料を調達する仕事や畑の草むしりから特定の人間の捕縛や殺人まで幅広く金を貰える方法があるようだ。
それなりに大きい木造の薄汚れた建物が見えてきたあたりで赤毛の男から声がかかる。
「あそこがギルドだ、行くぞ」
そう言って急かしてくる男の後を先程までと変わらず小走りでついて行く。
ギルドの中に入ると多数の武装した男や女が板に何やら紙が貼られたものを見ている。赤毛の男は人の少ない方を指差して私の方を見る。
「あそこが受付だ、まぁそこに居る女に登録だと仕事だなは聞け」
そう言って板のある方へ歩き始める男の背中に感謝を伝える
「ありがとうございます」
私は赤毛の男に言われた通りに受付と言われる場所の女に声をかけた。
「あの、仕事欲しいです」
すると女は目を細めて紙と羽ペンを差し出しながら声を出す。
「んーまずは登録ね文字は書ける?」
頷きながら羽ペンを取り紙に記入していくいこうと思ったが
名前
適性魔法
固有特性
そう、記入出来るものが何一つ無いのだ、なので女の方を見上げて紙を差し出す。
女は怪訝な目を向けながら私に聞いてくる
「名前は?」
私は首を横に振る。
「魔法は?」
同じく私は首を横に振る。
「特性は?」
三度、私は首を横に振る。
女はため息を吐きながら私の手を掴み針を薬指の爪の間に刺す、私は突然の事に驚きながらも痛みに耐える。
「規律上の問題は別に無いから登録するわね。呼び名は…そうね、『ブランク』とでも呼びましょうか」そう言いながら渡してきた樹皮を裂いて編んだ紐に綺麗な褐色した金属の楕円型が付いた物を受け取る。私が首を傾げていると女は説明を、始めた。
「それがギルドの人間って分かるようにする身分証ね、他の人も原則、首に掛ける事になってるから着けておきなさい?」
頷き私はそれを首に掛ける。
「ギルドの仕事だけど、そこの掲示板に貼ってある紙を受付に持ってくれば手続きはこっちでするから」
と言い思い出したように言葉を重ねる。
「あ、あと一度受けた依頼を失敗、又は破棄する時には罰金ら払えないようなら奴隷落ち、もしくは文字通り身体で払ってもらう事になるから覚えておいてね」
そう言いながら引き立った微笑みを浮かべる女に私は冷や汗を流して奴隷とは何なのか聞くことが出来なかった。
私は掲示板に向かい簡単そうな依頼を探す、一通り見て私は草むしりの依頼を受ける事にした、教会で草むしりは経験があるからである。それを受付に持って行き何とも言えない目をした女は淡々手続を終わらせる。紙を私に渡してきて女は口を開く。
「これがこの街の地図、今いるギルドが街の中心から少しズレた位置だからこっちの方向に…」
女は地図よ指差しながら説明を続ける。
「そうね…子供の足なら火が傾く頃には着くかしらね、そこの畑の横に家があると思うからその家の人から詳しくは聞きなさい」
と言うと私の後ろを見ながら上手な笑みを浮かべて
「次の人どうぞー」と声をかけて私は列から追い出される。
私は受付の女に感謝を伝えると街の外側にあるらしい畑に向けて歩き始めた。