存在証明
私は退屈していた
「マリー暇なんだけど」
私の言葉にマリーは笑う
「みんなそう言って最終的に生まれたんだよ」
私は頭を押さえていう
「生き物全てがアンデットで蠢く世界を見ていて楽しい?」
私が聞くとマリーは首を振る
「そりゃつまらないさ、でも産まれたくないね
クロユリもそうだろう?」
私はその問いに答える
「そりゃ痛いのも苦しいのも嫌だから産まれたくないけどさ?アンデットしか居ない世界で産まれることって出来るの?」
そう言った私にマリーは首を傾げて言った
「さぁ?」
「というか、私此処しか知らないけど他の部屋とかあるの?」
私が聞くとマリーが答える
「いや…無いはずだよ?私も昔に探索したんだが
何か壁に当たるんだ、探すだけ無駄さ」
私は溜息をついて
「私ちょっと探してくるわ」と言うと
「そうかい、何か見つけたら教えてくれ」
とマリーは言っていた。
白く明るい空間の明かりに向かって私は進む
すると突然暗い空間にたどり着いた
「何これ?何も見えないんだけど」
1人の声がよく反響する
暗闇の中を歩いていると
道に緑の炎が道を示すように
燃えていく
「シロツ…さん?」
シロツらしき男が静かに座っている事に気がついた
シロツの前の石碑を読む
『祈る者に巣食う者、汝の存在を証明せよ』
そう言うとシロツが目を開く
仄暗い緑の目だ私は吸い込まれるような
錯覚を覚えたままシロツに話しかける
「シロツさん…だよね?」
シロツが私を強く睨んで答える
「お前はシロユリか?それともクロユリか?」
よく分からない質問だったが答える
「私はクロユリよ?貴方に落とされた後に死んだみたい」
私がそう言うと「そうか…」と答える
「貴方は此処で何をしているの?」
私は聞く『俺は己の存在を証明している』
私は「なにそれ?」と尋ねる
「クロユリはアザミから産まれた子供だ」
私はそれに頷く
「俺は一体誰の子だ?」
私には答えられなかった
「取り敢えず私達で戻りましょう?マリーに教えなきゃなの」
そう言うと
「あぁ、マリーに伝えるのを忘れていた」
そう言ってシロツは歩き出したので
私は後を追う
「なに!お前が教皇だと!」
マリーの声が聞こえる
「マリーどうかしたのか?」
シロツが問いかける
「誰だ?お前は?」
マリーはシロツを知らないようだ
「お!久しぶりだねシロツ」
シロツは目つきが鋭くなり冷たく言う
「お前は…アカツじゃないな?」
少女は溜息を吐いて答えた
「私は…いや僕はアカツが失敗して作ったクロハだよ、長期間アカツとして、教皇として過ごしてたからね」
「クロハ、お前に俺の魂は見えるか?」
クロハと言う少女が答えた
「見えないよ?それとクロユリちゃんもね」
私は訳がわからなかった
「クロユリちゃんの存在証明はシロツ君がしたよね?」
私は頷く
「私がシロツ君の存在証明をするよ、
君は私が殺した女の子供だ」
シロツが息を飲むのを私は聞いた




