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colour  作者: 神口 讃妥
名無しの道
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夢のような生活

 私がここに連れてこられてから3年と少しかまたった、水溜りに写る少し長めで癖のある黒髪と緑色の目と目を合わせて笑顔を作る練習をしている。

 何故このような事をしているかと言うと今朝の会話にある「緑の子よ、貴方はそろそろ表情を作る練習をしなさい」金髪で青い目の聖職者の男は私にそう語りかけた、「はい、神父様」私は一言、了承する旨を伝えた。

 そうそれだけである、やれと言われたので笑顔を作る練習をしている。神父様の様に違和感のない自然な笑顔を作るのに苦戦しながらも表情筋を痙攣らせ水溜りに、向けて笑顔を作る。

 教会には様々な子供達がいるがその子供たちは女に限り笑顔の練習をさせられている、何故男の自分が同じ様に笑顔の練習をさせられているのか疑問に思いつつも頭の片隅に追いやり練習を続ける。


 日の光が丁度真上に来た頃合いに神父様が笑顔で子供達に声をかける「さぁ、皆さんそろそろお腹が空いた頃合いでしょう、お昼にしましょうか」

その言葉を合図に少女達は違和感のない上手な笑顔を作り神父様の元へ駆け寄る、その楽しそうな声を聞きながら私は顔を手で揉み少しでも顔の強張りを無くそうとすると上手くいかない「皆んなは上手に出来るのに…」少し涙目に、なりながらも悟られない様に努めて神父様の方へと私は歩く、自分以外の少年たちは木の棒を振り回したり走らされたりしている所為か恨めしそうにこちらを見つめ、目を晒し神父様の方へ歩いていく。



 「皆さん、大地の恵みに感謝し神に祈りを捧げましょう」と神父様はいつもの様に上手な笑顔を浮かべ口にする、それを合図に皆、目を瞑り手を組んで手の甲を額に当てて祈りを捧げている神父様も同様だ、少し遅れて私も同じように真似をする。

 目を閉じて数秒後に再び声がかかる

「それでは皆さん、お食べ下さい」

それを合図に少年たちは一心不乱に硬くて黒いパンを手に取り口に入れ果実の果汁を絞ったもので胃に流し込む、対照的に少女達は硬くて黒いパンを手で小さく引き千切り口に入れる。

 私は神父様の真似をして周りの子供達の表情を観察しながら硬いパンを手で千切り口に入れてよく咀嚼したのち口内の水分が枯れたあたりで果実の果汁で喉を潤す。


 食事の時間が終わると男女共に教会裏の畑を耕し種を植える、今は時期では無いが寒くなる季節では少年たちは木を斧で切り倒し輪切りにしたのち4当分から6当分に火を割る、自分には周りの子供達より力が無いのかこの作業は苦手だった、それに対して少女達は動物の皮刈り上げて巻きつけた物を器用に編み込み服を作る、何故か自分はどちらも教えられた為に編み込みが出来、力を使わない編み込みの方が好みであった。

夜になると教会内に、ある1つの広い部屋に厚めの布を敷き自分を含め子供達は横になり全員で寝に入る教会では男は7歳になると外の世界へ旅に出て生活をしていくらしい、その為子供達は30人と少しの人数が、いるが少し窮屈くらいの感覚で寝る事が出来る、少し暑苦し思いをしながらも私は寝た。




『少し本を読んであげましょうか』

神父様が私に声をかける、木製で出来た檻のような物の中にいる私は返事をせずに神父様を、見つめる

『昔々、人々は獣や魔獣に狩られ種の存亡の危機にさらされていました』

神父様が本を読み始める、そこで私は昔の記憶である事に気がつきそのまま話を聞く。

『人々は神に祈りました、他の種に刈られないほどの強さを、人々の傷を癒し生き抜けるだけの力を、

すると天は輝き神々しい光を放ちながら1人の少女が舞い降りました、その少女は数多の獣を退け遍く人々の傷を癒し人々を救いました、そしてその力を目にした人々はとても感謝し、そして羨みました。


 そこでふと一人の男が思いつきました、赤毛の男と金髪の女の子供がそれぞれ似た髪の色と似た目の色を持って産まれてきたことを思い出し、少女の子はその力を引き継ぐのではないかと、その思い付きを仲間内で話し合い少女は沢山の人々の子を宿しました。 するとある子供は殺す力を、ある子供は癒す力を宿して産まれました、こうして少女と少女の産んだ子供達は数多の子を宿し、そして作りこの世界中の人々は少女の力を引き継ぎました。

 こうして世界中の人々は狩られる恐怖から免れ幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし』

私はその話の意味をよく理解できずに神父様を、見つめる。

『貴方はどんな力を宿しているのでしょうね』

そう呟いた神父様の瞳は酷く冷たく青かった

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