時間転移魔法
俺たちはロベリアの家で食事をしていた。
「それにしてもロベリアの料理は美味しいね♪」
アカツは上機嫌に食べている。
「そうかい?アンデットの氾濫で食糧難が予想されるから試験的に作ってる物なんだが…」
ロベリアは自分で作った料理を不味そうに食べる。
「原料が…ちょっとな…」
アカツは首を傾げて「何を使ってるの?」と聞く
「シャーべだ」
そう言ってアカツの反応を見るロベリア
「なるほど!調理するとこんなに美味しくなるんだね♪シロツにもちゃんと調理してもらいないよぉ…」
と言いながら食べ続ける。
俺の姿が見えていない筈のロベリアがこちらを見て
口を開けている「へ?」
シャーべとは長い触覚に黒光りした体と薄い羽を持つ昆虫の事だ、
寒い時期や地域以外は何処にでも生息しているので年間の殆どを狩猟採取して生活している俺はよく食べる、
初めはアカツが嫌そうにして叫んでいたが最近はどんな物でもどうしたら美味しく食べれるかを考えるようになっていた、
と言っても焼いたり茹でたりすり潰して団子にしたりなどであるが蒸すのが一番美味しいとアカツは言っていた。
食事を終えて俺が主導権を、
渡されるとロベリアと話す
「それでシロツ君、君はこれからどうするつもりだ?」
ロベリアが俺の目を見て話す
「アンデットも増えるばかり元凶が分からなければキリがないと思うのだが…
どう考えているか聞かせてもらっても?」
俺は答えることにした
「俺もそれは考えていた、フェアグニューゲンの時から考えてはいるのだがな…」
解決策が見当たらない、原因不明、
「やはりな…そこで提案なのだが、
私と古代遺跡に言ってくれないか?
中途半端で打ち切りになったからな、
まだ何か残ってるかも知れんのだよ」
特にあてもないので俺は了承した。
翌日にロベリアの家の地下室に連れてかれ、
「これから見るものは他言無用だ」
と言うと何やら機数模様の上に立たされる。
そしてバックを背負わされると
「そのハンマーは置いていって欲しい、危険だ」
と言うので部屋の端に置く。
ロベリアが俺の腹に背中を当てて丈夫な帯で俺と体を固定する。
一呼吸置くとロベリアが突然魔力を込めて大きな声を出す
「1秒先のこの場所へ」
目に映る風景が一瞬で変わった、
あたり一面雲の海、巨大な球体が目に映る、
上を見ると真っ暗な空間に幾千もの光、
一瞬の浮遊感の後に球体に吸い込まれるように俺たちの体は落下する。
ふと見るとロベリアの意識が無いことに気がつき
「アカツ!代わってくれ!治癒魔法だ!」
と叫び交代する。
アカツが治癒魔法をかけると直ぐにロベリアは眼を開き、
「アカツ君…かい?すまないそのまま治癒魔法と…
火属性魔法で温めて欲しい、操縦は私がする」
と言いバックから下がった紐を引くとバックが開き中から光沢のある革で作られた翼のような物が出てくる。
俺たちは凄まじいスピードで上空を移動するが下には海しか見えない、
数分滑空すると遠くに陸地らしき場所を見つける。
「後少しだけ、40分ほど滑空するぞ、魔法は頼んだアカツ君」
そう言って上空を飛び陸地の上をしばらく飛んでいると石造りの巨大な建造物が見えるその上を旋回して徐々に高度を落とすと砂の上に転がるように落ちる。
「ふぅ…到着だよアカツ君、気分はどうだい?」
ロベリアが笑ってそう問いかける。
「少し気持ち悪いけど…それよりあの魔法は何!?」アカツが身を乗り出して聞く
「あぁ…あれは時間転移魔法だよ、欠陥だらけだがね」
そう言ってロベリアは服についた砂を払う
「転移!?それって伝説上とか物語とかで出てくる架空の物だと思ってたよ!」
アカツのテンションは高い、気持ち悪いと言っていたのが嘘のようだ。
「まぁ落ち着けアカツ君、
君が思ってる伝説や物語ほど便利な物じゃ無いんだよ、
この魔法はまず、一方通行だ、
転移で来ても転移で帰れないんだ、
それと時間設定を間違えると観測不能…
どうなるのか把握出来てないんだよ皇国もね、
だから他言無用なんだ、
勝手に数多な人が実験したら何が起こるか予想がつかないんだ、
まぁ地下室のは私が勝手に作ったのだがね」
そう言うとアカツは言葉の意味を理解してロベリアに聞く
「時間転移って事は…過去にはいけるの?」
ロベリアは首を振る
「残念ながらそれは出来ないと私は考えている、
それからこの魔法は正確には転移じゃないんだ、
周りは転移と言ってるから便宜上転移と呼んでいるがね?
私達が最初に転移した上空だが、
あそこは私が魔法を発動した一秒後の私の地下室の場所なんだよ」
アカツは首を傾げている
「まぁ話すと長くなるから帰りにでも話そう、
数年は歩くことになるのでね」
そう言ったロベリアにアカツは引きつった笑みを浮かべた。




