ロベリアの実験
「それで、君の探していた死者蘇生の方法は見つけられたのかな?」ロベリアが目を細めていう。
「うーん…死者蘇生は出来なかったよ、クロハ兄は生き返らなかった、けどシロツと会えたから私はそれでいいんだ♪」
ロベリアは数秒目を瞑ると真っ直ぐアカツを見ていう。
「そうか…それを聞いて安心したよ、死者蘇生や不老不死は誰もが興味を持つ事だと思っているがね?私には何処か恐ろしく感じるんだ。」
「恐ろしい?」アカツが首を傾げる。
「何と言えばいいのかな?勘とでも言っておこうか、研究者である私が勘なんて不確定なものを基準にするのはどうかと思うのだがね…」
ロベリアは頬を掻く
「ところでアカツ君は死んだ…と言ったが君の体は何処にあるんだ?それにクロハ君の体で動けている、これは死者蘇生と呼んでも良さそうだと思うのだが?」
アカツが微妙な笑みを浮かべて言う
「えっと…シロツが食べちゃった…」
「は?」ロベリアは口を間抜けに開けている。
「私がね?教国の人に殺されちゃった後にね?シロツがね?食べちゃったの…私の体も魔石もね?」
「…そ、そうかい、何でそんな事をしたのか問いただしたいものだが今は置いておこう、それでアカツ君、何故君は今過去に存在出来ているんだ?」
ロベリアが興味深そうに目を細める。
「それはね…私とシロツが一緒になったからだよ!」ロベリアがまだ口を間抜けに開いて
「は?」と言う
「私とシロツが一緒になったからだよ!」
何故かアカツは同じ言葉を繰り返す、
ロベリアはこめかみを抑えて言う
「アカツ君は感情的過ぎてよく分からん…シロツ君に代わってくれるかい?」
と俺を指名してくる。
「シロツ?うん、わかったよ!」
主導権が俺に戻ってくる
「それで何故なのかシロツは分かっているかい?」
俺に聞いてくるので俺は簡潔に答える
「俺の固有特性の影響らしい、邪教団の信者の言う事には魂の融合と言っていたな」
ロベリアは「宗教か…」と呟くと俺の目を見ていう
「その魂と言うのは本当にあるのかい?君には何処か確信しているように思うのだが?」
とても真剣な目だなので俺はロベリアの目を見て答える
「俺には魂が見えている、クロハの固有特性らしいがな」
ロベリアは目を見開いて考え込む
「クロハ君の固有特性、見える物…見てはいけないものを見て処刑」
ロベリアは大きくため息を吐くと
「如何やら教国は何かを知っていて何かを隠してるみたいだな…しかし魂が有ると考えるとなかなかに面白い」
ロベリアは楽しそうに笑う。
「少し君に見てもらいたいものがある、ついて来てくれるかい?」
そう聞いてくるので俺は頷く、ロベリアが突然忍足で扉に近づき蹴り開けると悶絶する男の声が聞こえた。
「やはりな…ナル、ここで聞いた事は他言無用だ、それと実験の準備をしてくれ」
ナルと呼ばれた黒髪長髪の男は顔を青くすると頷いて走って言った。
「悪いね、あいつは優秀ではあるが馬鹿何だ」
辛辣であった。
白い壁と床の道をロベリアと歩く、
ロベリアは実験の内容を説明してきた
「まずこの実験を始めた理由だが、アカツ君が本気で死者蘇生を考えているので私も考えて見たんだ、
ただ、実験には人を殺す必要があった
、動物で実験する事も考えたのだが…
魔物や動物と人間は色々とかけ離れてるんだ、
人間は生き物の中で異端で異常だ、
それなので細かなデータを取るために他国の死刑囚を買ってね、
それなりに高額だったから慎重に実験して見たんだが…
合わないんだ、重さがね、そこで魂とやらが見える君に見てもらおうと思ったわけさ」
とても非人道的実験だった。
目隠しされて手足を縛られた男がガラスの箱の中で紐を首に括り付けられて椅子に座らされている。
ガラスの箱の下に同じようなガラスの箱が有りその下に全体の重さだろうか?細かな数字が光っている。「全体で126381.69か、まぁいいだろ良く見ていてくれ」
そう言われたので俺はよく見る事にした。
突如男の下のガラスが割れて男が下に落下する。
男の首をが折れる音が聞こえる。
「何か見えるかい?」そう聞いてたので
「まだ何も、魂は離れていない」と告げる、
大体15分だろうか、
「離れたぞ」と言い俺は男の魂に触れて「
ゆっくり眠れ」と言って殺す
「……君が言った直後に重さが126360.69に減った、如何やら魂と言うのは本当にあるのかもしれないな…」
そう言ってロベリアは眉間を手で揉み、
目を瞑っている。
『うわぁ…これは酷いよ…』
とアカツは俺に抱きついて震えている。
ロベリアが目を開けると
「この実験はもうやらない方が良いかも知れないな…
死者蘇生の模索もだ、魂が有るのならば、神話の真実味を帯びてくる」
「神話?教国のか?」
俺は聞くがロベリアが首を振る。
「これでも研究者で学者だからね、古代の遺跡などに足を運ぶことがあるんだ、
石碑に刻まれた文字の解読は大変だったがある程度解読が進んでいる、
読めた内容が非現実的だったので皆辞めてしまったのだが…
石碑曰く神と言うのは初めからいた訳ではなく、
人が作った…いや考えた物だそうだ、
『人の生まれに生の神有り、人の死に死の神有り、死した者は生者の中で永遠に眠る』
だそうだ、他にも
『生が蔓延ると死が迫る、死が蔓延ると生が迫る』や
『死者は49日旅をして、生者の一部で巡り廻る』などだ、
どうにも意味がよく分からない内容だ死んだ人間は49日も動き回ったりしない、
アンデットと考えても49日も経てば体が朽ち果てて動けるなはずだ、
いや、筈だったと言うべきかな、
私が見たところアンデットは幾らたっても朽ち果てない、
骨になっても動き続けている私にはもう何が本当で何が偽りなのか分からんよ」
ロベリアは肩を竦めて俺を見る、
俺の意見が知りたいらしい。
「俺は聞くところによると死の神の使徒だそうだ、
神とやらに会ったことは無いが、死者を殺す、
それが俺の役目で約束だ」
ロベリアが俺の言葉を聞いて少し目を瞑り考え込むと
「少しここで待っていてくれ」
と言って実験室から出て行った、
男は首をったまま放置されて徐々に肛門から腸が漏れ始めている。
しばらく経つと「思った以上に許可を貰うのに手間取ったよ」と言いながら実験室に入ってくる。
「遺跡で拾った使い道不明の物だ、落ちていた場所が場所だけに君に渡しておくのが正解な気がするよ」
そう言って渡してきたのは黒い球が連なり輪っかになっている物だった
「これは…アクセサリーか?」
そういうとロベリアは肩を竦めて言う
「さぁ?これが落ちてたのは古代遺跡の墓場だと思われる所だ、地面に大量の人骨が埋まっていた、そこの奥に座ったまま死んでミイラになった様な死体と石碑があってな?そこにはこう書いてあった
『死者と向き合う者に』
これ異常は劣化しすぎて読めなかったんだが…
そのミイラが着けていたものだ」
俺は受け取ると首からそれを下げる
「ミイラは輪っかを二重にして手に持っていたんだが…
まぁ何に使うのか分からないからいいか」
俺はそのアクセサリー感触を確かめながら
「あぁ…もらっておく」と答えた。
「色々話も聞きたいから数日、うちで泊まっていってくれないか?」
ロベリアがそういう、
俺はアカツにを向けるとアカツは首を傾げて頷く。
「わかった、そうさせてもらう」
ロベリアは瞳を不気味に輝かせて笑った。




