その瞳で乾杯
俺は私は僕は目を覚ました、自分が誰であるなど何故ここに居るのかも全て忘れてただ目を覚ました。
木製で出来た檻のようなものに薄い布を敷いたのみの箱の中に入れられているのを確認し立ち上がろうとしたが頭が重くて上手く立ち上がらない、首も上手く動かす事が出来ない、ふと力を抜くと金髪で青い目の男と目が合った
「✳︎✳︎ ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎」
何か口を動かして音を放っているがとても意味のある羅列には思えず大きく瞬きをする
「✳︎✳︎✳︎ ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎」
また何か音を発しているが理解できずそして睡魔に襲われる「✳︎✳︎✳︎ ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎」
その音を聞きながら私は俺は僕は眠りに落ちる
私は聖職者をしている、幼い頃に親に教会に連れてこられたらしい、その頃の記憶は既にないが、そうだと言われればそうなのだろうと思う。
つい先ほど貧相な格好をした男女が乳児と言うにも小さすぎる子供を抱き抱えてきたが、そのあまりの小ささに内心同様していた、少なくとも自分の経験上、ここまで小さな子供は見た事がない、しかもその子どもは強引に奪い取り治癒魔法を掛けなければ今にも息絶えてしまいそうであったのだ。
別に子供の命などに興味はないがひょっとしたら有用な力を授かっていれば7歳になれば高くで売るか聖職者の道を歩ませれば自分の人生も安泰であると考え多少疲れるのを気にせず治癒魔法を使った。
決して優れた能力を持っていない私はこの治癒魔法のおかげで聖職者として安定してそれなりに豪華な暮らしが出来ていると考えると神に祈りでも捧げたくなる心地だ、そこでふと自分は神など信じた事がない事を思い出しクスリと笑う、すると視界に目を大きく見開いた先ほど引き取った子どもが目に入った「おや? 起きていたのですね」
子どもが大きく瞬きをすると変わったことに気がつく「緑眼、これは珍しいものですね」
内心飛び跳ねそうな心地を抑えながらもついつい独り言を呟いてしまう「これは、7年後が楽しみです」子どもが再び眠りに落ちるのを確認すると
今日の、出来事を日記に付ける事にした、
強くなる雨音を聴きながら聖職者は鼻歌を歌う