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colour  作者: 神口 讃妥
旅の道
36/68

人形屋敷

 神父と呼ばれていた男に俺は話しかける

「お前が神父か、子供は確かに届けた」

そう言う男はこちらを警戒した様に見て目を見開くと人形に向けたような優しい目つきになり俺に言う

「正しくはもう神父では無いのですが昔のまま子供達は私のことを神父様と呼ぶのです…

私の名前はアルカンと申します、

職業を言うとすれば…そうですね、

死霊術師でしょうか?」

と言って笑う、何処かで書いた様な言葉だった。



「何も無い家ですがお二人とも上がって行ってください」とアルカンは言った、

アカツが顔を上げると目をキラキラさせて

『私が見えるの!?』と言う、

するとアルカンは首を傾げて

「申し訳ありません、私には何と言っているのか聞こえないのです、教えて頂けますか?」

と俺に言ってくる

「アカツが自分のことが見えるのか?と」

そう告げるとアルカンはアカツの方を見て申し訳なさそうに言った

「アカツさんと言う名前なのですね、申し訳ありません、私には貴方の姿も声も聞こえないのです、ただそこ居ると感じるだけで」

と神父が良い『へぇー』とアカツは嬉しそうに言葉を漏らした。



 アルカンの料理はご馳走だった動物の中に果実を潰した物を塗って焼いた物と新鮮な野菜、

それとふかふかで温かいパンを振る舞ってくれた。

「子供達と果実や野菜を作っているのですが悲しい事に私しか食べる事が出来ないのです。いつかちゃんと食べさせてあげたいのですが、辛い思いをさせて死なせてしまいましたし…」

アルカンは俺に教えてくる。

人形達が楽しそうな声を出して話しながら食器を持ってきたり歌を歌ったりしている。

「それにしても良いところだな此処は」

そういうとアルカンは頬を掻いて会話を続ける

「えぇ、そう言ってくれると嬉しいですね、

此処は周りに人里がなくて人目に付かないので教国に見つかりにくいのだと思います。

それにしてもシロツさんには子供達が見えているのですか?」

アルカンはそう聞いてくる

「あぁ、何といえば良いのか分からないが人形が動いていて、そこに子供がいる事が見える、

口で説明するのは難しいがな、

同時に同じものを違う形で見えると言えば分かりやすいか?」

そういうと「すいません、よくわかりませんが…

そうですか、見えているのですね、

ちゃんと子供はそこに居て笑って歌っているのですね…」

そう言ってアルカンは涙を流す

「どうした?」俺は突然泣き出したアルカンに聞く「あ、すいません、貴方の黄緑の瞳を見るとつい…

黄緑の瞳は私は初めて見ましたが、

昔緑の目をした子供を教会で神父をやっている時に育てたのです、

私が育てた子供達は私の手を離れると必ず死んでしまったので私はその子に名前を付けない事で死なせない様に出来るのではと思ったのです、

結局…死んでしまいましたがね。

きっと私を怒っているのでしょう…

私がいくら呼び掛けてもその子は他の子達と違って来てくれないのです。

瞳の色が似ていたのでつい…」

アルカンはそう言った、

「すまん、変な事を聞いたな」俺はそう言うと

「いえ、大丈夫です、見たところシロツさんは帝国の元奴隷の方でしょう?たいへんだったのでは?」

そんな話をしながら夜通し俺たちは話した、

アカツが『ひょっとしてエデムのシグァフター教会の神父さん?』

と聞いた事で俺たちはどんどん意気投合した。



 俺たちが安息の地を探してる方を言うと

「見つけたら私達にも教えてもらいたい」

と言われたのでアルカンと握手をするとアルカンは自分の瞳を片方抉り出し傷口を治癒魔法で止血すると俺に眼球を渡してくる。

「突然自分の眼球を取ってどうかしたのか?」

俺は聞くと少し苦しそうだがアルカンは答えた

「私の固有特性は共感です。

私は何処に何が誰が何処にいるのか大体分かるのです。

緑の子は見つけられませんでしたが、

死者の特徴は目に出ると言います、

私が死んでいるのに安息の地を教えに過去まで来ていただくのは申し訳ないです。」

そう言ってたので俺は眼球を受け取ると口に入れて飲み込む

アルカンは驚愕した様に俺を見つめる

「俺の固有特性は吸収だ、アルカン…お前の体は俺の一部になった、俺が死なない限りお前が死ぬ事はない」

そう言うとアルカンは泣き出して

「ありがとうございます」と頭を下げた。

「それじゃあ俺たちは旅を続ける」と言うと涙を拭いて

「えぇ、また会いましょう」と良い子供達と一緒に俺たちを見送る。

『良い人だったね♪』そういうアカツに

「そうだな」と俺は返す、

アルカンは温かい人だった、

きっと良い父親と言うのはアルカンの様な男だろうと思う。
















 私はシロツと言う青年の背中が見えなくなるまで見送っていた。

『神父様!中に戻ろう!』そういう子供達に引っ張られる

『元気出して!神父様」』

私は眼球を飲まれた時、驚愕した、

見つけたのだ、そして私は許された、

許してもらえたと感じて泣いてしまった、

私は子供達に笑顔を向けて

「えぇ、そうですね、彼らが安息の地を探してるなら私たちは出来るだけ多くの種や食料…後は…『服!後は薪!』そうですね、

服や薪を沢山用意しておきましょう」


生きていたのですね、緑の子、私の子

また会いましょうシロツ君

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