人形
俺は帝国の城門を潜り外に出るとそこは植物がほとんど無い荒野が広がっていた。
『やっと解放されたね♪』
とアカツは嬉しそうだ
「次はどっちの方向に進もうか…』
俺が悩んでいるとアカツが『運で決めよう!』
と言い出したので俺は皮袋から木刀を取り出すと剣先の方に進むと決めて上空に投げる。
決めた方向に歩いているがやはりアンデットが多い
『流石にもう見慣れたけど…気持ちの良いものじゃないね…』
とアカツは辛そうだ、俺は触れたらアンデットが動かなくなるのだが多肉が服に着いたら噛まれて千切れたりすると服が無くなってしまうので貰ったハンマーで叩き潰して進む、
触れていなくてもアンデットが動ける機能を失うと飛び出ていた人間の体のような物が弾けて光になって消える。
そこには潰れた死体だけが残る訳だが眼球まで潰してしまうのは少しもったいないと思う。
適当に死体食べながら歩き続けると草木が増えてきて林の中を木刀で草や枝を折りながら進む。
『あ!ハンフだ!』
アカツが嬉しそうなのでハンフを取ると日当たりの良い場所に置いて乾燥させる事にする、
その間は休憩だ、俺は皮袋の中を漁ると以前作った葉巻が残ってる事に気がつく
「なぁ?アカツ、帝国ではハンフは違法じゃないのか?」
俺は自分の罰則金の事が気になり聞いてみる。
『あぁーどうなんだろう…ごめんシロツ私は知らないや、でもあの辺は草木があまり生えてないからハンフを禁止にする必要がなかったのかな?』
と言ってくる、よく分からないが
おそらく法に触れてない様なので安心する、
一応自分は帝国市民なのだそうだから。
ハンフを吸いながら歩いていると水が流れる音がしたので水浴びをする事にした、
思えば数日は体を洗っていない、
俺もアカツも特に気になってはいないが街を見つけた時に嫌そうな顔をされるのはそれなりに不快である。
水浴びをしている間アカツは川岸で足をバタバタさせてる頑なにこっちを見ないが、
俺は早く終わらせようと全身を水につけて体を震わせて水を出来るだけ弾くと上流から何か流れてくる事に気がついた。
それを掴むと少し体が濡れてるが服を着てアカツに聞いてみる事にした。
「何か妙に小さい人が流れて来たんだが…」
するとアカツは『可愛い人形だね♪』と言った後
『あぁ…人がってそう言う事なのねぇ』
と言ってげんなりした。
人形を絞って水を抜こうとすると何か硬いものが手に触れたので振って水を抜こうとする。
『目が!目が回る!いや!やめて!』
人形が喋る。
俺が手を止めて人形を地面に置くと人形は立ち上がり俺を見ると数本後退りする
『あ…人!どうしよう…神父様に怒られちゃう』
と言ってくる。
アカツが『その神父様って何処に居るのかな?』
と聞く『…………』返事がない
『あれ?答えられないの?』アカツが聞く『…………』俺はまさかと思い
「なぁ?神父ってのは何処に居るんだ?」と聞くと
『ええッとね!この川の上の方にみんなで住んでるの!』と言った後に
『あ!みんなで秘密にするって約束だった!忘れて!』と言ってくる。
どうやら死人に死人は見えないらしい。
俺は人形を左肩に乗せるとハンマーを右肩に担いで上流に向かって歩く、
迷子を家に届けなければならない。
アカツは不貞腐れて俺の腰に抱きつき引きずられている。
『神父様許してくれるかなぁ…』人形は不安そうだ
「神父様って人はどんな人なんだ?」
そう聞くと『優しくて温かい人!でも怒ると怖い…』
と言う「ちゃんと謝れば許してくれるんじゃないか?何で秘密なのかは知らないが俺は何もする気がないしな」
と安心させる様に言って歩く
『うぅ…私無視されちゃった…』
アカツは不貞腐れている。
しばらく川を登ると頂上付近だろうか、
木製で出来たそれなりにデカい家を見つけた、
屋根は木に所々に緑色の着色されていて遠くからでは気がつかなかった。
俺はドアを叩こうとすると後ろから男の声がかかった。
『アカシア?』
すると人形は『神父さまー』と言って男に抱きつく
『探したんですよ?何処に行ってたのですか?』
と優しい目つきで人形に尋問すら黒髪黒目の黒いローブに毛皮を綺麗に縫った服を着た、
筋肉質の男がそこにいた。




