釈放
俺はアカツと今後について今後について考えていた
今日の仕事では16年と少し働かなければならない、さすがにそんなに長期間働いて安息の地を見つけられないなどと言うことにはなりたくない。
「取り敢えず様子を見て…時間かかりそうなら逃げちゃおうよ!」とアカツが言っていたので検討する。
ミスリルの依頼を2ヶ月ほど受けたときには掲示板にはもうミスリルの依頼しか貼られなくなった。
毎日毎日上半身裸の筋肉の塊と仕事をするのは心地よくなく、アカツがあることだけが俺の癒しだ。
「おい!四百六十二番!オメェ…ミスリル加工を覚える気はねぇか?」
筋肉の塊が汗だくで光を反射させながら言ってくる。
「なんだ?そのミスリル加工っていうのは?」
俺が聞くと筋肉の塊が水を飲んで答える。
「ミスリル加工ってのは魔力や魔法を一切使わずにミスリルを高熱にして金槌で何度も何度も叩いて不純物を叩き出す作業だ、オメェは今の仕事で失敗がゼロだやる気が有るなら明日から仕事とらして貼っておくからやってくれると助かる」
俺は報酬金次第だと思いながら今日の仕事を終わらせる
俺はいつものように雑穀を頼み食べると石の上で眠り、翌日に掲示板を見ると筋肉が言っていた仕事が張られていた。
加工
ミスリル精製 10時間
小銀貨50枚
それを見て俺はミスリル精製をやる事に決めた。
ミスリル精製の仕事を依頼口に入れると直ぐに刑務官がやってきて俺にいう、
「この仕事は夜からだが、午前はいつもの採取はやらないのか?」
俺は二つ出来ることを知るとミスリル採取の依頼を直接、刑務官に渡す。
俺のさらなるハードワークの始まりだった。
俺は朝から夜までミスリルの筋肉と仕事を共にする事になった朝はから夜までミスリル採取、
採取したミスリルを木炭を燃やして窯に入れるとミスリルが真っ赤に染まるまで熱を加える、
それを外に出すとアダマンタイト性の金槌で叩いて薄くしていき均等な薄さになるとそれを折り曲げて叩く、
また焼いて叩いて折り曲げて叩くそれを何十何百と続けていくと最初に比べて6割程の大きさになるとひとまずアダマンタイトの型に柔らかいミスリルを入れて上からしっかりと型に入るように叩いて入れる。
それを10時間行うと牢屋に戻されて4時間と少し眠る、
最近は夢の中でアカツと話せるようになり、
俺の日常は充実している、
しかしここは安息の地とは言えないので出来るだけ早く旅に出なくてはいけない。
あれからそろそろ3年が経つ頃だろうか、
俺はついに大銀貨60枚を貯めて刑務官を呼ぶと刑務官は俺に敬礼をしてくる、
他の帝国市民も俺に対して敬礼をして来るものが一年は前から現れ始めたのだ、
俺は敬礼を返すと刑務官に言う
「大銀貨60枚分、小銀貨60000枚だ、確認を頼む」
と言うと刑務官は笛を鳴らすと他の刑務官たちがやってきて丁度小銀貨が入るサイズの筒に小銀貨を入れ始める。
何時間経ったのか分からないが数十人の刑務官が俺に敬礼をしてくる。
「「「「お疲れ様でしたシロツさん!」」」」
と言ってくるので俺は敬礼を返すと足枷を外されて
それでは市民登録をするのでついてきて下さい
と言われたのでついて行く、
アカツが『まだ何かやらされるのかなぁ…』
と考えたくないことを言っているが言われた通りについて行く。
市民登録は簡単だった、奴隷上がりはつけられた囚人番号がそのまま市民と証明するものに変わるらしい、
最初に刻まれた刺青はどうやら帝国でのみ生産されている特殊な鉱石から作られた染料であるらしく、
そこに魔力を流すと変色するらしい、
色は人によって異なるそうだが…
俺に魔力を流すように刑務官が言ってくる。
俺がどうしたものかと思っていると
『あ!私が流すね!』と言ってアカツが魔力を流すと緑と紫のグラデーションで四百六十二番と刻まれる事になった。
俺は来た時に没収されていた皮袋と腐った眼球、
それと魔木で出来た木刀を返してもらうとすぐに出国手続きをする。
手続きの際に妙な物を見せられた。
名前 不明
特徴 白髪 緑目 右足欠損
討伐証明部位 全身
報酬金 金額100枚
依頼主 聖女アザミ
確実に俺のことである、
聖女アザミが誰かは知らないが俺はどうやら指名手配されていたそうだ。
「シロツさんに似てる人が指名手配犯だと旅が不便そうですね…でもシロツさんは白髪ですが両足ありますし目も緑ではなく黄緑ですから大丈夫だと思いますが気をつけてくださいね」
そう言った男の鎧に写った俺の目は確かに黄緑に変色していた。




