ミールの依頼
トートドッグを殺すのは思った以上に簡単だった、
俺がトートドッグに触れると生えている腕や首が反発したように激しく動き青白い光を上げて砕け散ったかと思うとトートドッグは動かなくなった。
「アカツ、俺はトートドッグを初めて見たんだが依頼に乗ってた絵と見た目が違いすぎないか?」
俺はアカツが何か知ってるか聞く
「トートドッグに人の腕が生えてるのなんて初めて見たよ…でも死体を見たところトートドッグで間違えないみたい、アンデットは魔石がないから私の固有特性じゃこれ以上調べられないよ…」
取り敢えずトートドッグの首を落として今日はギルドに持ち帰る事にした、次からは大きなバックパックがないと直ぐに街に戻らなくては持ち帰ることが出来なさそうだ。
ギルドのドアを開けると白髪で黄色の目を持った女が掲示板の前で頭を抱えていたが気にせず受付にトートドッグの首を渡して報酬をもらう事にする。
茶髪を三つ編みにして青眼の受付は俺の目を見ると少し目を見開いたがテキパキと首を確認して首を箱に入れると受付の裏の扉を開けて去っていったと思ったら直ぐに大銅貨25枚を持って渡してきた。
「最近はアンデットが多くて依頼を受けてくれる方が少ないんです…報酬も危険性を考えると安いので少しでも狩ってくれて助かります」
そういう受付から報酬を受け取る。
「金は出来たし…アカツ?何処か行きたいところはないか?」
俺はアカツに聞く、するとアカツはいつものように笑みを浮かべて言ってくる。
「美味しいご飯を食べに行こうよ!シロツは最近ロクなものを食べてないんだから!」
と言ってくる、アカツは飯を食べる事が出来ないのだがそれでも良いのだろうかと思いながらもギルドのドアに向かう。
「あの!私から報酬を出すから私と一緒に森に行ってくれないかしら?」
白髪の女がいつの間にこれほど近づいたのか分からないが俺の方を掴み言ってくる。
俺はアカツの方を見るとアカツが何度も頷いているので女の依頼を受ける事にした。
「あぁ…構わないが、場所は?」
そう聞くと女は腰にかけた皮袋から皮で出来た地図を取り出して説明を始める。
「この街から日が沈む方向に3日歩いたところに霧が濃い森があるの、そこの奥に生えてる薬草をとりに行きたいのだけど…大丈夫?」
不安そうに女が確認してくる
「あぁ…問題ない」
そういうと女は息を大きく吐き出して俺の手を握ってくる。
「ありがとう!最近アンデットが多いから誰も手伝ってくれなくて…私1人だと取りに行けそうにないから本当に助かるわ!」
そういうと手をこっちに出してくる
「私はミールよろしくね」
そう言ってくる女に首を傾げていると
『シロツ!シロツ!握手だよ!手握って自分の名前を教えてあげて!』
と言ってくる、アカツに言われた通りに俺は手を握って言う。
「俺はシロツだ、よろしく」
女は微妙な笑みを浮かべている、
アカツは『あちゃー』と言いながら頭に手を当てている、何か間違えたのだろうか。
「依頼の前に大きめの皮袋を買ってきてもいいか?」俺は女に聞くと頷いて聞いてくる
「構わないけど…出来るだけ早く行きたいの…」
そう言うミールに俺は
「わかった、袋を買ったら直ぐにギルドに戻る」
と言ってギルドから出た。
俺はギルドから20分程歩いたところに革製品を売っている露店があったのでそこで大銅貨10枚と銅貨60枚の皮袋を買おうと大銅貨11枚で買おうとすると所持金を聞かれたので大銅貨25枚だと答えると露店の男は大銅貨27枚の大きく分厚い皮袋を25枚で売ってくれると言うので大銅貨25枚でその皮袋を買ってギルドに戻る。
「戻ったぞ」
そわそわしながらギルド内で歩いているミールに話しかける。
「あ!早かったわね、準備は…」
女は何かを言い淀んだ
「なんだ?」俺が聞くと
「なんでもないわ、行きましょうか」
と言ってギルドのドアに向かって歩き出したのでその後ろをついていく。
街を出る頃には既に日が沈みかけていた、
ミールが「日が沈んでるけど…大丈夫?」と聞いてきたので
「特に問題ない」と言って暗い平原を歩いてある程度森に向けて歩く事にした。
「そういえばシロツ?貴方…武器は?」
ミールが効いてくるので正直に答える
「無いな」すると「は?」と言った後
「ごめん、もう一回言ってくれる?」
と言ってきたのでもう一度「無いな」と答える
ミールはため息を吐きながら流れるように矢を放って少し離れたところのネズミを射抜くと駆け足で取りに行き、矢を矢筒に戻すとネズミを皮ごと食いながら戻ってくる。
「まぁ単独でトートドッグを五匹狩ってるんだから大丈夫なのよね…」
と呟いてるのを聞き俺は足元の小石を手に持つと斜め上、上空に投げる草むらに鳥が落下したのを確認するとこれを手に持ちミールに聞く
「フォイルニスオウルの討伐証明の部位は何処か覚えているか?」
すると寿命が心配になるほど深い溜息を吐いて答えてくる
「アンデットは首ってなってるけど実際は眼球を二つ持ち帰れば証明扱いに成るわよ?何か死んでるのに動いてる生き物特有の特徴が目に出るらしいのよね、知ってると思うけど魔物は魔石よ?他にも売れそうな部位は持って帰るけど…動物は肉と皮が売れるわね」
色々初耳な事が多いが目を抉り出して皮袋に詰めると俺はフォイルニスオウルを食べながら歩き出す。
「アンデットを食べる人…初めて見たわ…」
ミールが引き立ったように笑っている。




