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colour  作者: 神口 讃妥
死者の道
20/68

アルスの墓

 俺は女後ろを歩いていると女は突然木に向けて矢を放つと木に近づいて矢を矢筒に戻すと矢で貫いていた大きな芋虫を口に入れ美味しそうに食べると何事をなかったかのように歩き出す。

『おい!アカツ!見たか?今の』

自分の中にいるアカツに話しかける

『あ、あはは…私が10年くらい森に篭ってた間に食文化が変わったのかなぁ?』

アカツはそう言っているがこれなら気にせずに食べても問題無さそうだと思いアカツから許可をもらう

『普通の人間が食ってるんだ、やっぱ問題無かったみたいだし適当に食べていいよな?』

と言うと渋々『う、うん』とアカツから許可を貰ったので女の後を追いながら地面を這っていたミミズなどを食べながら歩く。



「ここがギルドよ…緑?」

女がそんなことを言ってくるが特に言うこともないので

「あぁ、案内感謝するよ」

と言ってキョロキョロと見渡して受付に並ぶ。

自分の番が来て金髪に青い目の受付嬢に用件を伝える「ギルド登録をお願いしたい」

と言うと紙と羽ペンを渡してきて

「文字は書けますか?」

と聞いてきたが頷いて書き始める。


名前   シロツ

適正魔法 死

固有特性 吸収


このまま出そうとするとアカツから待ったがかかる

『シロツ!適正魔法に死とか生とか書いたら危ないんだよ!分かりにくいから風って書いて!』

焦ったように言うアカツの言葉に従いら死の文字を黒く塗りつぶすと横に風と書いた。


名前   シロツ

適正魔法 ◼️風

固有特性 吸収


 これで提出してドッグタグを作ってもらい首から下げる。

依頼を受けるために掲示板に向かおうとすると後ろから肩を掴まれる。

「ねぇ!貴方、これに見覚えはない?」

見せられたのは女の首から下げられた二つのドッグタグの片方、何も記入されてないただの板だった。

「いや…俺には見覚えはないな」

そういうと女は少し残念そうにしながら言う

「そ、そうよね…ごめんなさい、目の色がブランクと同じ緑だったからひょっとしたらって思っちゃって…よく見たらブランクとは全然似てないのに…ごめんなさいね」

と誤ってくるので

「いや、構わない」

そう言って依頼を受けるために掲示板を見る

『シロツ!これまで!』

アカツが、指を刺したのは街は外れにある墓地から出てくるアンデットの討伐だった。


 どうやらかなり前からアンデットが毎晩のように墓地に現れると言う噂があったがこの依頼を受けて達成できたものはおらず、特に急ぎでは無いために依頼失敗や破棄されても罰則はない様に処置されていた。



 日が沈んだ夜中に俺は墓地を歩き回るすると意外と簡単に見つけることがまだきた。

「俺の体どこに有るんだよ!墓もない!俺の体」

と言いながら少年が墓地を徘徊している、それなので俺は声をかけた

「おい!お前そこで何をやってる?」

すると少年は「体、俺の体がないんだ」と返してくるので冷たい様だが事実を伝える

「いいか?お前は既に死んでる、体を見つけたところで何をする気だ?」

そう言うと少年は

「あ、ブランク!ミールは!ミールは無事なのか!」

と言ってきて「パパとママに会いたい」

と言ったのち姿は闇の中へ消えて行った。




 翌朝ギルドの中で人を探していた、ミールだ、確か初日にギルドに案内してもらった女の名前がミールだった、それなので何かしらないかと思いギルドの、中で待つことしたのだ。

ちょうど昼が過ぎたあたりにミールがギルド内に入ってきた

「おい、少し聞きたいことがある」

そう言うと何やら警戒した様ではあるが

「な、何よ?」

と聞いてきたので単刀直入に言う、ブランクって誰だ?



 それから俺はミールからブランクの話を聞き出した

関わった時間は随分と短い様だがその過ごした内容を事細かに覚えていた、ミールとアルスとブランクで森に狩に向かい魔物に襲われてしまった。

ミールは何とか生き残ったもののアルスとブランクは死んでしまったらしい、このブランクと言う男が俺と同じ緑の目をしていたのとブランクの死体が普通じゃ無かったことからブランクは生きているのではと思っていたらしいが、人は頭が潰れたら死ぬと言う当然のことをミールに教えると

『そんなこと、知ってるわよ…でもブランクはどこか何があっても生き残りそうな…そう感じる何かがあったのよ』

と言っていた、とりあえず昨日の少年はおそらくアルスだろうと見当をつけてアルスの墓の場所を教えてもらった、

ミールは『見せる顔がないから…』と言って場所を教えるのみで頑なに動かなかったので諦めて下見に行く、そこは鍛治職人の作業場と家が一緒になっている建物で家の隣に小さな墓があった。




 夜中に昨日の墓地に行くとまたもや少年が徘徊していた

「おい、アルス、ついて来い」

そう言った俺にアルスが大人しく付いてくるしばらく街を歩いて鍛治職人の家の前に行くとその側にある墓を指差して「それがお前の墓だ」と伝える。

「父ちゃん…母ちゃん!」

と言いながら少年は家に向かって走り出した。

家の中から悲鳴が聞こえた後に

「父ちゃん、母ちゃん…ごめん、俺が無茶言ったばかりに…俺死んじまって」

と少年の声が聞こえる

「本当に…本当に馬鹿な息子だよ」

これは母親の声だろうか少なくとも女性と思われる声が聞こえた。

「父ちゃん…俺、悪いけど死んじまったから先に行ってるよ、一人息子で跡取りだったのにごめん…父ちゃん」

そう言ってキラキラとした光が屋根を透けて登って行くのが見える、それは悲しくも儚い、そんな感覚がした。

「ブランク、お前はスゲェ奴だよ、ありがとな!」そう言って少年が犬歯をこちらに見せつけてきている気がした。

その光が空高くで弾けて消えた頃に鍛治職人の男だと思われる声で

「親より先に死ぬ馬鹿があるかよ…」と涙を堪えながら言う声が聞こえた。



俺はギルドに戻り報酬は確認が終わり次第渡される様でもうしばらくこの街に滞在することになった。

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