表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
colour  作者: 神口 讃妥
名無しの道
2/68

流れる者

 柔らかな温もりを感じながら寝ていた、

感じるのは地鳴りの様に響く音と微かに聞こえる甲高い声ら湯船に潜った様な感覚であったが突如に刺すような寒さに襲われ声を上げそうになるが声は出ない、体に力が入らず見えるものは、ぼやけている

しかし赤い液体と褐色した自らの体、そして体につながる管の様なものを目にする。

しかしそれも束の間、呼吸が上手くできずに息苦しさを感じ意識を失った。




 街中に響き渡った悲鳴を耳にした男と女は走る、

茶髪に茶色の目をしたやや細身の男と、男よりは薄めの茶髪で青い目をした女の2人である。

2人はお互い同じように獣の皮を使用した革鎧と

鋼で作られた安物の片手剣を腰に携え、背中に隠すように短剣を装備している、その上から適当に獣の皮を継ぎ合わせた様な外套をたなびかせながら走る、理由はそれが仕事だからである、


 「ねぇ?あんたこれ本気で受けるつもり?」

薄い茶髪で青い目の女は心底嫌そうに話しかける

 「当たり前だろ?つうか受ける気のない依頼なんか俺が持ってくるわけないだろうが」茶髪で茶色の目をした男は答える、一見ふざけたようにも見えるがそれなりに共に行動している女はその目が本気な事を悟りため息をつく

 「はぁ…あんたね…最近この街の路地裏での連続婦女殺傷事件これの調査、現行犯での捕縛、または殺害…これって普通に考えて私たちの仕事じゃないわよ?衛兵の仕事だわ」

 そう言って今度は呆れた風にため息を吐く

それを見た男は強く机に手を叩きそして立ち上がり声を荒げて言う

 「報酬金みろよ!銀貨50枚だぞ50枚!これだけあればもっとお手製の外套から上等なものが買える!

干し肉だってもっと旨い物を買える、用は調査だ

別に見つからなくたって情報や痕跡さえ見つけて衛兵に報告すれば少しは入るんだし良いじゃねぇかよ」

そう言いながら自らの外套を引き伸ばしブチブチと何かが切れる音を聞きながら女は顔を伏せて呟く

「悪かったわね…私の手作りが粗悪品で」

男は何をもそもそ言っているのか聞き取れず聞いてしまう

「あぁ?今なんか言ったか?」

顔を赤くした女が荒々しく答える

「悪かったって言ってるのよ!わ・た・し・の

作った外套の出来が粗悪品で!」

それを聞いた男は自分の発言に気がつき顔を青くして挽回するために口を開く

「あ、いや、そういう訳では…そう!感謝はしてるんだ外套ないと雨を直接被ることになるからな、

少し、本当に少しだけ縫い目から水が染み出してこなければ…」

そこで女は男の持ってきた依頼書を奪い取り立ち上がる、

「やるんでしょ?さっさといきましょ」

ご機嫌斜めな女に対して男はうなずく事しか出来なかった。




 悲鳴の聞こえた辺りまで走り終えた2人は互いに警戒しながら路地裏を進む、むせ返る様な鉄の臭いを辿って行くとそこには刃物を手にして傍で嘔吐している男と腹の裂かれた女だと思われる物がそこにはあった、

「はぁ…」

男はため息を吐きながら刃物を持った男に近づき

刃物をその手から手慣れた手つきで奪い取り

両腕の関節を躊躇なく端折り脚に植物の皮を器用に編んだ様な縄の、様な物を男の足首に巻き付け強く結び身動きを、取られない様にした他に周囲を2、3回見渡す、「そっちはどうだ?」

男は共に走ってきた女に話しかける

「ダメね、もう死んでる…教会の神父様ならこのレベルでも治せるかもだけど…私じゃ無理、手に負えないわ」何かを諦める様に吐き捨てる女に男は言う

「まぁ出来ないことは仕方ない、これで報酬も貰えるだろうし仕事は終わりそれで良いだろ」

と男は出来るだけ明るく言ったつもりだが女の表情は変わらずどうでも良さそうに口を開く

「そうね、依頼はそれでいいんだけど…これ、どうする?」

女の指を刺す方向を見ると小さく呼吸している胎児が血溜まりの中で生きていた、ただ、一切泣き声を上げず、眠る様に呼吸をしていた、

「はぁ…そんなもん教会に連れてくしかねぇじゃねぇかよ…めんどくせぇ」

そう悪態をつく男に女は言う

「どのみちここに放置したらこの子は死ぬだけよ、

あまり良いところじゃないけど…教会に連れてくのがこの子のためよ」

女は臍の緒を素早く短剣で母体から切り離しこなれた様な手つきで臍の緒を結び止血するそして

粗悪な外套を、胎児に包み

2人は教会に、向かって歩いた

銅貨1枚=買えるものはほぼない

銅貨10枚=家畜の鳥の餌が1日分買える程度

大銅貨1枚=銅貨100枚=質素な食べ物の一食分程度、

大銅貨10枚=質素な宿屋で一晩泊まれる程度

小銀貨1枚=大銅貨100枚=古着が1着買える程度

小銀貨10枚=一月人が暮らしていける程度

銀貨1枚=小銀貨100枚=馬や馬車を買える程度

銀貨10枚=質素な家と土地が買える程度

大銀貨1枚=銀貨100枚=子供一人に学識をつけて大人になるまで育てられる程度

大銀貨10枚=質素な暮らしをしていれば死ぬまで食べていける程度

小金貨1枚=大銀貨100枚=豪華な暮らしを一月出来る程度

小金貨10枚=共同体などの集団で動かすレベルの金額

金貨1枚=小金貨100枚=豪邸を建てられるレベルの金額

金貨10枚=国家予算で割り振られるレベルの金額

大金貨1枚=金貨100枚=小国の国家総資産レベル

大金貨10枚=大国の国家総資産レベル

白金貨=もはや額をつけられないレベル建国の記念や統率者の記念日などに造られることがある、一部の富裕層がコレクションとして所持している事がある

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ