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colour  作者: 神口 讃妥
名無しの道
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落ちる者

初投稿なので拙い文章ですが…

よく冷えた日のこと、澄んだ夜風を浴びながら男はビルの13階の窓から煙を吹かしている、ビルの下には赤いパトランプが点滅し周囲に呼びかける人の影、ビル内に響き渡る警報音さえ無ければ、くたびれた男がマナー悪く煙草を吸っているだけであっただろう。

その人この時この時間にはビル内には男のみが警備服を着て窓に腰をかけ外を眺めているだけなのだ、

それなのに騒いでる人々を詰まらなそうに眺めて男は静かに囁く

「ったく…普段は誰も気にしないくせに、こういう時ばかり騒ぎ立てる…」

そう、これは紛れもなく独り言である、近くには人はおらず、囁く程度の声では下にある人々の耳に入らないのは一目瞭然であるのだから、

煙草を大きく吸い、男はこれまでの人生を振り返る、ただただ何も特徴のない人生だ、ごく普通の家庭に生まれ、ごく普通に成長し、ごく普通の収入でごく普通に生活している男の人生である。

夜風を浴びているとしたから黒雲が登ってきて男はむせた、そうそれは人が入らない様に入り口に放火した所為である事に気がつき、男は引きつる様に口角を上げる、

そうして男はこの天体の引力に身を任しただ吸い込まれていく、距離を増すごとに増える速度を肌で感じ生唾を飲むも既に後戻りなどは出来ない。

そうして男は頭蓋を混凝土に叩きつけられ粉砕し、生命を維持できない状況に追いやったのだ、

ごく普通の男がごく普通に死ぬ、ただそれだけ事、動機なんてものは何でもない、ただ人生が詰まらなくそして死ぬ事に興味があっただけなのだ。

こうして男の人生は幕を閉じた、

柔らかな温もりを感じながら。

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