おっちょこちょいな神様
神様もある一定の時間で交代する。
人間を創り出した神様は、平等を好んだ。
だから、皆の寿命を二百年にした。みんな二百年経ったら死ぬようにしたのだ。
しかし、その神様は人間を創り出してすぐ交代してしまった。
次に来た神様はとてものんびりとしていた。それでいて、少しおっちょこちょいだった。
その神様はある日、何もないところで躓いて転んでしまった。
それがいけなかった。神様の転んだ場所は、人間の寿命を管理する部屋だったのだ。
神様は人間の寿命を表す花を踏みつぶしてしまった。
それは、その花の持ち主である人間の死を意味する。
神様は「あーあ……」とつぶれた花を見つめる。
神様の周りには他にも沢山の満開の花が咲いていた。
ふと近くの花を見ると、花弁が何枚か落ちてしまっていた。恐らく神様が転んだ衝撃で落ちてしまったのだろう。
この花弁の残り枚数は残りの寿命を表していた。
神様はさすがに慌てた。前の神様は平等を願っていたのに、自分の所為で寿命が平等ではなくなってしまったと。
そこで神様は思いつく。他の花も同じくらい花弁を取ってしまえばいいのではないか、と。
神様はすぐに行動に移した。結局は状況を悪化させる一方なのだが、神様は一通り花弁の枚数を調整して満足げに笑った。
やはり、神様の目分量でやったため、人間の寿命はばらつきが出るようになってしまった。
また、神様のおっちょこちょいは治りそうもなく、毎日何本か花を踏みつぶしてしまうのだとか。
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