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黒閾のダークブレイズ  Re.FIRE  作者: 星住宙希
第十四章
19/31

星降る夜に月は瞬く

メルテシオンの王城には、駐屯する王宮近衛騎士団専用の待機室が存在する。ほとんどの時間を王族守護にあてるのだから、当然と言えば当然の待遇だ。


待機室と言っても個室であり、迎賓室並の豪華さを誇る。

個人のプライベートルームとしての側面もあり、城内でも破格の扱いと言えよう。


ガルンが目覚めたのは、その一室のベットの上だった。


見知らぬ天井を見ながら、頭の鈍痛に顔を歪ます。


アズマリアの邪眼を受けて気がつけばここだ。


「くそ、あの吸血鬼、何してくれやがる……。試験はどうなったんだ?」


無理矢理上半身を起こす。


と、ベット横にいた少女と眼があった。


キョトンとした少女はゆっくりと破顔する。


「目が覚めたかや?」


「姫さん?!」


ガルンは間が抜けた顔でパリキスを見た。


現状がさっぱり理解出来ない。


「そなたはアズマリアの試験後に倒れたらしい。その為、急遽ここに連れ込まれたとの事じゃ」


ガルンは部屋を一望する。


豪華過ぎる部屋は居心地が悪いが、眼の前のパリキスには遜色無い華やかさだ。


部屋にパリキスしかいないのが気になる。


取りあえず精霊の眼に切り換える。


「……!!」


ガルンは目を細めた。


パリキスの存在の光が膨大過ぎる。





(暖かい光だ……。清浄なる癒しの光)


ガルンは頭を振った。


パリキスに纏わり付く、呪いの闇のお陰で我に帰る。


彼女を近くに感じると警戒心が薄らいで行く。


自分の根源にあるモノがぼやけて行くような、妙に安らぐ安堵感が逆に疎ましい。


(部屋の外に光を二つは感じた……か? 近衛騎士は付いているようだな)


ガルンはゆっくり深呼吸をして、ベットにもたれ掛かった。


塔の一件の為か、姫の身辺が気になるのは笑える条件反射と言える。


いつの間にか頭痛が消えているのに気がついた。


ガルンは額を手で押さえて小さく苦笑する。


どちらが護られていた存在なのか、よく分からなくなりそうだ。


「それで、姫さんがここにいるのは……もしかして介抱しててくれたとか?」


「わらわの為に訪れた騎士じゃ。わらわが介抱するのは至極当然の事」


得意顔で何故か胸を張る。


落ち着いた印象が強いが、実際はまだ少女の粋は出ていない。

歳相応の表情に、ガルンは不思議と笑みが零れた。


「わらわは、この国でもトップクラスの治癒師でもある。どんな大怪我もたちどころに治してみせようぞ」


「しかし……よく姫様が一人で看病するなんて……許されたな?」


「許される? この場でわらわが許可を求める相手などおらぬ」




王政において、王族より発言権が強い人間などそうはいない。


ようするに、我が儘を通した結果が現状であろう。


「職権乱用見たいなものか」


「そのようなものじゃ」


パリキスは嬉しそうに微笑する。


塔で見た少女より、幼く感じるのをガルンは不思議に感じた。


「それに、そなたに結果を伝えたくもあったのでな」


パリキスの言葉で、はたと我に帰る。


「結果は?」


「合格じゃ」


パリキスは満面の笑みを浮かべた。


それを聞いてガルンは一息ついて、胸を撫で下ろす。


どうやら誓いは守れそうである。


「一安心だな。しかし、何だよあの吸血鬼。人の意識を刈り取るような術をかけて、冷や冷やさせやがって」


ガルンの悪態に、微妙にパリキスの顔が陰る。


その僅かな変化にガルンは気付いた。


「何かあったのか?」


「……」


パリキスは微妙に視線をずらす。益々怪しい。


「試験自体は落ちたのだ。アズマリアはそなたの入団を許可しなかった」


「……? どう言う事だ? 受かったんだよな。そう言えばあいつどうしたんだ」


よくよく考えれば、姫至上主義のようなアズマリアがいないのはおかしい。


落とされたのなら、尚更である。





「アズマリアは試験中に事故にあったと言って、ねぐらに帰ってしまったらしい」


心配そうな表情に嘘は見えない。


そして、この場合のねぐらとは棺桶をさす。彼女は吸血鬼なのだ。


アズマリアのように昼間に出歩ける吸血鬼は、デイウォーカーやハイ・ヴァンパイアと呼ばれる通常のヴァンパイアを遥かに凌駕する強力な能力を有する。


それが、棺桶で休眠しないと治癒できない怪我ともなれば、かなり有り得ない部類と言えよう。


気絶する目にあったガルンには、あの場で何があったかは意識に無い。


「アズマリアは不合格を告げたらしいのだが、お父様と将軍の計らいで合格になったのじゃ。そなたも合格基準は知っておろう?」


ニヒルな騎士の言葉を思い出す。


『王宮近衛騎士十名の内、七名が認めるか、王が認めた場合のみ合格となる』


アズマリアの一存で不合格になりそうだった訳なので、その判定基準も正確にはあやふやだが、どうやら後者の言葉は本当だったようだ。


(あの野郎……)


特例で受かった事も、あのニヒルな騎士の、抜けた説明もいまいち釈然としない。


「これで、そなたも晴れて王宮近衛騎士の一員じゃ。よろしく頼むぞよ?」


嬉しそうなパリキスの手前、余り不服そうな顔は出せない。


ガルンは愛想笑いを浮かべながら、上体を起こして、


「了解」


と呟いた。




次の日、任命式が行われる事になった。


普通に考えると、こうぽんぽん式典も行われるのは非常に不自然な流れだ。

だが、半年前の王宮襲撃事件を考えれば、王宮警護に直ぐにでも人員を増やしたいと言う意図とも取れる。


特に、今年度の王宮近衛騎士合格者はガルンのみである。


人員補充で考えれば急いでも、不自然な点は見当たらないようであった。


しかし、その急な展開にガルンだけは追いつけないでいた。


試験後、大事をとって待機室で一泊をする事になり、次の日の朝には騎士らしき者が訪れて、いきなり式典を催すと告げられたのである。


そして、騎士が去るとメイド然とした女性と少女の侍女二人と、騎士甲冑に身を包んだ少年が現れた。一人の侍女は何やら色々入ったトローリーを引いている。


「さぁ~ガルン様。式典は間近です。さっさとお着替えしましょう」


「そうだよね。式典前に、あれこれ覚える事もあるから、さっさっと脱ぎ脱ぎしよ~」


侍女二人がにじり寄る。


「ちょっと待て?! 何だお前ら!」


「お付きの侍女と、専属のエスクワイア(従騎士)ですよ」


少年騎士はにこやかに笑う。


歳はガルンより二つばかり下に見える。

気真面目そうだが、元気が有り余っているような、生気に満ちた顔色をしていた。


「俺の名前はアベル・ラジャジーン。アベルと御呼びください」


「私はクロエね」


年長の侍女は、白い服を取り出しながらウインクする。




「僕はマリーベル。マリーでいいよ」


年若い侍女は、何故か両手をワキワキ動かしている。獲物を捕獲しようとしている猫のようだ。


「と、とりあえず服ぐらい自分で着る! あんたらはいらん」


「酷い! 僕らの仕事を無くす気なんだね」


「それは無いよね。私らに首になれと?」


ガルンの意見に、侍女二人はまくし立てる。


ガルンはベットの上で後退りした。今までに見ない押しの強さに面食らう。


「諦めてください。それが彼女達の仕事です」


アベルは屈託の無い笑顔で話しを続ける。服をひんむかれるガルンは無視である。


ガルンが本気になれば、彼女達は触れる事すら出来ない筈なので、脱がされているのは肯定したと

判断したようだ。


「基本、王宮近衛騎士の護衛としての拘束時間は非常に長いので、身の回りの世話や雑用は我らに何なりとお申し付けください」


「うわ、結構筋肉あるよ!」


「ふ~ん。へ~。成る程」


「お前ら何でベタベタ触って来るんだ……」


と、何やら微妙な侍女の声がするが、アベルはスルーして話を続ける。


「それでは、今日の予定です。着替え後、会議場予備室である白羽の間に移動。そこで式典の手順の説明を受けてください。まあ、基本、返答はイエスのみで単純な行程です。それから正午に式典が開始され、恙無く進めば会食になります。そこで、沢山の城の要人と会うので顔は覚えてください。他は俺がフォローします」




「一騎士の就任だろ? なんでそんなに、大々的なんだ? お前ら下着は引っ張るな」


「駄目だね。本来、水浴場で清めるのがしきたりだけど、時間が無いから簡易沐浴で済ませまようてっんだい。せめて身体は拭かせな」


「そう言うこと。そう言うこと」


クロエとマリーがニヤリと笑う。


アベルはそれも無視して話を続ける。


「王宮近衛騎士とはそれだけ重要なポジションと言う事ですよ。会食が終了したら、小休憩を挟みまして第二式典になります。まあ、初めのがお約束の形的なオープンな式典で、こっちが本当の式典ですね。こちらで王族の方々との面通しを行い、正式に契約をする形になります。そこでは王族の方々から贈り物として、サクラメント(成聖武器)が与えられますので慎んでお受け取りください。後は王宮近衛騎士団全員との面通しをして終了になります。……お聞きになってますか? なってませんね」


目の前ではパンツを巡って、微妙な争いが続いている。


「それでは身仕度が整ったら御呼び下さい」


そう言うと、アベルはわざとらしい敬礼をする。


「ちょっ、ちょっと待て! こいつらも連れてけ!」


ガルンの訴えに、アベルは胡散臭い薄っぺらい笑顔を浮かべる。


「早めに慣れた方がいいですよ。では」


そう言い残すと、アベルはそそくさと退室する。


「ふざけんな~!!」


後にはガルンの微妙な訴えだけが木霊した。




「つかれた……」


ガルンが休憩所で大きな溜息を吐いたのは、一回目の式典と会食が終わった後だった。


「ご苦労様です」


座り込むガルンを、アベルは呆れ顔で眺める。


憔悴ぶりが半端ではない。


式典などはガルンにとっては初めての経験だ。生半可な戦闘より、遥かに神経を擦り減らす作業に近い。


行われた事自体はたいしたモノでは無い。


大聖堂に居並ぶ要人とやらの前で、よくわからない司教達と将軍の有り難い言葉を聴き、王の前で宣誓して肩に剣を置かれたぐらいだ。


式典はまだ良いが、問題は会食にあった。


次々と顔見せに来る人間の数が半端ではないのだ。


そもそも多神教国家である側面があるので、派閥だけで十二もある。それに足して数ある騎士団の代表と、貴族連盟、ギルド代表と目まぐるしく人が入れ代わる。


ガルンの横で、アベルが小声で出会う人々の職と名前を囁くが、覚える気にもならなかった。


「何なんだ、あの薄ら笑いの連中は。見ててへどが出る」


ガルンは比喩ではなく、本心でそう愚痴る。


会場は人の澱みで溢れていたのだ。策謀溢れる社交場とはよく言ったものだ。


人の負の感情が多くなると、気分が悪くなるのは罪人と幽宮の塔で立証済みである。




「まあ、あれは通例行事のようなモノですから。本番はこれからですよ」


「だったよな」


ガルンは肩を大きく落とす。


「しけたツラしてんな、少年」


唐突に何も無い空間から声が掛かる。


アベルはビクリと身体を震わすが、ガルンは身じろぎもしない。


「またか、おっさん。昨日は酷いナビゲーションだったな?」


ガルンは左側の壁に視線を向ける。


そこには、いつの間にか試験の案内をしたニヒルな男が立っていた。


「いらっしゃったんですかグライド様。驚かさないでくださいよ」


「わりぃ~な。何時もの癖だ」


アベルの非難を、グライドと呼ばれた騎士は笑ってごまかす。

それから睨んでいるガルンに気がついた。


「怖い顔すんなよ? あれも不測の事態への心構えを見るテストだ」


「あんたの独断だろ? アズマリアが知らない訳がないからな」


「ははは……。そいつは内緒にしてくれ」


グライドは微妙に顔を引き攣らせている。アズマリアの影響力が伺える所だ。


「お前さん特別枠で受かったらしいな? 副団長はNOだと判断したと聞いたぜ? 寝込んでる所を見ると、魔眼が嫌だったか、錯乱してバッサリやっちまったのか?」


グライドの言葉で、ガルンは不愉快そうに顔を歪ます。




「それはこっちが知りたいね。魔眼をかけられて気絶させられたんだぞ? 無意識で反撃したのかも分からない。気絶しても剣を抜けたのなら、我ながら自分を誉めたい気分だ」


グライドはその言葉に何か思い当たる節があったのか、顎に手を付けて目を細めた。


「失礼ですが、俺が聞いた範囲では二刀とも鞘に収まったままだと聞きました」


横からアベルが口を挟む。少々無躾と思ったのか、申し訳なさそうに話を続ける。


「何でもガルン様の剣は重い上に、妙なエナジードレイン効果が有るらしく、運んだ者が運び途中で気を失ったとの事です。珍しい話なので、ある程度は従者仲間も知っている筈です」


どうやら魔剣と妖刀の、精神喰いの事を言っているらしい。


心構えも無く、あの二刀を持つには並外れた精神力を必要とする。


「副団長しか知らない真実と言う事か……。まあ、副団長にも良い薬だな。自らの不死性に胡座をかいていた罰って事で。俺はお前を面白い奴だと思うから、大歓迎だけどな」


グライドは何故か笑いを堪えているようであった。そして、そのまま出口に向かう。


「さて、もうすぐ二次会だな。俺は先に向かうぜ?」


そう言うと、グライドは出口に向かおうとして、数歩で歩きを止めた。




「いかんね。肝心な事を言いそびれる所だった。お前、パリキス姫と懇意らしいな?」


「……? 面識はあるが……」


「とりあえずキレるなよ? いいな。初っ端から問題は起こしてくれるな。そんじゃな」


そう捨て台詞を残して、グライドは文字通り姿を消した。


ガルンは意味不明な忠告に眉を寄せる。


それを見てアベルは苦笑いを浮かべた。


「ガルン様はパリキス様とお知り合いで?」


「まあ、な」


アベルは微妙に押し黙る。


それをガルンはたいして気にはしなかったが、別の事が気になった。


「ガルン様は何かこそばゆい。様付けは止めてくれ」


「ハハハ……無理ですね」


きっぱり言い切る。


「何でだ? 歳もたいして変わらないんじゃないか」


「冗談は止めてくださいよ。俺の出世の道を閉ざすきですか? そんな無礼な従騎士では、騎士の称号なんて一生貰えなくなりますよ。呼ばれ方も慣れてください」


アベルは笑顔で語るが、目は笑っていない。


ガルンは頬を指で掻きながら、


「了解」


と、生返事で呟いた。


ガルンは縦社会のルールと言うものに慣れていない。


せいぜい黒鍵騎士団で感じた程度だが、あれはどちらかと言うと捕虜兵に近い。その当たり前の常識がガルンには欠けていたのだった。




第二式典は城のかなり奥まった場所でやるらしく、警備も厳重になっていく。


通路を進むだけで、王宮近衛騎士らしきものが巡回しているのだから、警備はかなりのものだ。


大扉の前で案内をしたアベルは、わざとらしくお辞儀をすると、


「これより先は、俺は随伴出来ません。中には王家の方々と王宮近衛騎士団、そして、将軍閣下だけがいるだけです。無礼のないようにお願いします」


「了解」


ガルンは手を振って扉に手を掛ける。


「ガルン様。王と王妃は第一式典でお会いになっているので、ここにはいらっしゃいません。ここには御子息様達だけです」


「王子様と王女様達だけって事か?」


「……そうなります。くれぐれもご無礼の無いようにお願いします」


「……?」


アベルの念の入れように違和感を感じながらも、ガルンは扉を開け放った。


巨大な広間はパーティー専用のような、妙にきらびやかな、宗教国家に似つかわしくない作りだった。


最奥の上座の方向に、玉座のような椅子が四つ。


そこには、明らかに服の質が違うと分かるきらびやかな服装と、過度な装飾品を身につけた四人の男女が座っていた。明らかに王族の人間であろう。


その横に騎士姿の、恰幅の良い老人がいる。


中央広間には円テーブルが数々並んでおり、白いマントの男達が十五人辺りいた。


ガルンと同じ、白い騎士服だ。




籠と天秤のエンブレムは王宮近衛騎士の明かしだ。


試験場で見た顔がちらほら見えるので確実だろう。


(外を巡回していた近衛騎士もいた。王宮近衛騎士団は何人いやがるんだ?)


ガルンは周りを注視しながら、メインストリートをゆったり進む。


「……?」


歩きながらガルンは片眉を吊り上げた。


1番会えると思っていた人物がいないのだから、疑問は仕方がない。


(……どう言う……事だ?)


ガルンは王族の前まで歩み寄ると足を止めた。


居並ぶ面子を見ながら、疑問がさらに深まる。


(……パリキスがいない)


ガルンの顔が疑問に歪む。


整った顔の、金髪碧眼の男女が列ぶ。全員、美男美女のカテゴリーに入る耽美さだ。


外見年齢から見て、左から第一王子、第二王子、第一王女、第二王女であろう。


「ふ~ん、お前が、あの醜女のお気に入りか」


第一王子の、値踏みするような視線がガルンに突き刺さる。


「お父様と将軍のご判断で特別合格との事。余程の実力者なのですよね?」


これは第二王女だ。


「氏素姓も知れないこんな輩を、わらわ達の護衛に付けなくてはならないとは嘆かわしい」


1番の美女、第一王女が卑下するようにガルンを眺める。



「まあまあ、兄さん達、彼は龍を単身で倒す程の力量です。それだけでも尊敬に値すると思いませんか」


やんわり諭すのは第二王子だ。


温和な顔立ちから、1番常識人に見える。


「こやつはアズマリアの査定では黒だったのであろう? それを招き入れるとは父上も酔狂がすぎる。それも元罪人だとか?」


第一王女の人を見下した視線を、ガルンは完全に無視する。


「答えんか下郎! 貴様は口が聞けんのか」


ガルンは小さく舌打ちした。


グライドとアベルに念を入れられたのは、この高飛車な相手の為かと思い付く。


実際、二人が危惧していた事はすぐ後の事なのだが、今のガルンには思いもよらない事だ。


「免罪符は得た。元々、罪人のツモりもない……」


ガルンの言葉に第一王女の目が釣り上がる。


第一王女が何か告げる前に、大笑いがフロアーに響き渡った。


笑いの発生源に全員の目が集中する。


「厚顔不遜。結構結構! 若い武芸者はそのぐらいの気概がなくてはな!」


大仰に老騎士が笑う。

第一王女は苛々しく老騎士を睨み付けた。


「私は力ある勇者は大歓迎ですわ。どうです? 私専属の騎士になりませんか? そうすれば私の極上のサクラメントを与えますよ」


第二王女は周りの喧騒を意に介さずに、ガルンに話かける。





「こんな下郎を? お前は相変わらず色物好きよの?」


「私は姉様と違って実力主義ですから。第四の様な不様な目には遭いたくありませんので」


「ふん、このような蛮種はあの醜女にお似合いだ」


好き勝手に話し合う王子達を、ガルンは不思議そうに眺めた。


パリキスのような神々しさを微塵も感じない。


全員にそれなりの神霊力を感じるが、パリキスに比べればゴミの様なものだ。


「おい、あの醜女を助けたのはお前であろう? 呪われると畏れて、この試験を受けに来たのではないのか?」


含みのある、いやらしい笑みを第一王子は浮かべた。


「助けた醜女……?」


ガルンの目つきが変わる。


(醜女ってパリキスの事か? 段々分かって来たが……。こいつら、あからさまにパリキスを馬鹿にしてやがるのか……)


内心毒づくが、流石に牙を向く訳にはいかない。


「そんな事は……無い……です」


ガルンの切れ切れの言葉を、第一王子は肯定と勘違いした。


「やれやれ、そんな所だと思ったぞ。この様な者にも畏怖されるとは。あんな汚れた醜女が、我らの末席にいると思うと恥ずかしくて仕方がない。父上もさっさっと城の奥に、ただの“神降ろしの器”として幽閉して置けばよいものを」


呆れ返る第一王子に、存在の歪みを感じる。


ガルンは段々とムカつきが押さえられなくなって来た。




「王子、その辺で御静まりを。本日は国の騎士の誕生を祝う場ゆえ」


老騎士の言葉を受けて、第一王子は深々と椅子に持たれかかる。


「とりあえず王宮近衛騎士になれた事を誇りに思うがいい。我らを護ることを許してやろう」


「……」


けだる気に告げられた言葉を、ガルンは仕方なく恭しく受け取った。


周りの何人からか、安堵の溜め息が漏れる。

それが王子にたいしてか、ガルンにたいしてかは分からない。


(何なんだ? この出来の悪い連中は。これが守るべき対象だって言うのか?)


「これからは、我ら四人と父様、母様を護るために粉骨砕身するがよいぞ」


第一王女が艶やかに笑う。厚顔不遜はコイツにくれてやれとガルンは心底そう思う。


しかし――余りに引っ掛かる一言。


そして、パリキスのいない疑問から、思わず口をついて言葉が出た。


「王女様達は六人と聞きましたが……。他のお二人は?」


それを聞いて王子達は笑い出した。


本当に腹から笑っているようで、品位の無さに苛々がつのる。


見た目の華やかさと、品格の無さのギャップが驚きを通り越えて、呆れ返るレベルだ。


「あんなお情けで継承権を得た輩と、わらわ達が 同席する筈がなかろう?」


「第四のような、呪われた存在と同席など汚らわしいからな。あいつらには自室待機を命じてある、宴後に見に行くがよい」


「……!!」




ガルンの苛立ちが限界を越えた。


一瞬放たれた殺気に、周りの近衛騎士が反応する。


瞬き一つの間に、ガルンは数人の近衛騎士に取り囲まれていた。


(……速いな。こいつらは……チャクラ開放者か)


ガルンは苦笑いを浮かべた。


武器も持たないガルンでは、特殊能力持ちばかりの王宮近衛騎士一人と戦ってもほぼ勝てはしない。


そんな殺気を感知出来ない王子たちはどこ吹く風である。


緊迫感が場を凍り付かせているが、王宮近衛騎士団の面子の反応もそれぞれだ。


ガルンを取り囲んだ連中もいれば、それを肴に飲み食いをしている者、第三者を決め混んでいる者もいる。


「ん? どうしました」


第二王子が、ようやくその不穏な空気を感じたようだった。


「いや~こいつ田舎者でして。先程の宴で飲んでだ清酒が効いて来たようなので、早々に下がらせますよ」


いつの間にか真横にグライドがいる。


「問題は起こすなと言ったろうが。我慢しろ」


と普通に呟くが、例の能力でガルン以外には認識出来ていないのであろう。


「それは仕方がない。サクラメントの授与を終えたら、早々に下がりなさい」


「……サクラメント?」


ガルンは第二王子の言葉を反芻した。段取りで何やら言われたが、先程の怒りで頭から情報が飛んでしまった。




「神命学と神秘学を組合せて、聖遺物をベースに儀式精製した洗礼機密――まあ、神聖武器ってやつだな。試験でアルシェリットが使っていた鎌があったろ? アレと同じだ。入隊した者は王族の誰かが作り上げた成聖武具を承る。伝説級とは行かないが、それにつぐ能力だ。レア物だぜ?」


「へー」


ガルンは興味なさ気に返答する。


それを見て第一王女が立ち上がった。


「特別に、わらわのサクラメントをくれてやってもよいぞ? 先程の無礼を詫びればじゃがな?」


見下す顔に不敵な笑みが張り付いている。


「特別に我の物をくれてやってもよい」


何故か、第一王子も急に誘いを申し出た。


「それなら私のを受け取りなさいな」


「僕の物でもいいですよ? 好きな王家の人間を選んでください」


全員の申し入れにガルンは頬をかく。

どうやら彼等には妙な対抗意識があるようだ。


「王家の人間なら誰でもオッケー……なんですよね?」


ガルンの言葉に全員頷く。


「それなら話しは早い」


ガルンはニンマリ笑うと踵を返した。


全員が唖然と出口に向かうガルンを見つめる。


「まて! 貴様どこに行く!」


第一王子の声を、ガルンは振り向かずに手を振って答える。


「気分が悪いんで退室します。サクラメントは後で“残りの王家の人間”から頂きますよ」


ガルンはそう言い残して大広間を後にした。





メルテシオンの王城は、王族のみが専用で中央階層全てを使用している。


最上階と最階下は、侵入距離として等価値の為に考えられた設計だ。


ワイバーンや飛翔呪文で上空から侵入しようとする輩も少なくは無いのである。


その中で、もっとも北側の日当たりの悪い一室が、パリキスに与えられた数少ない生活領域だった。


窓際で、夜空を眺めているパリキスは、何やら楽しげな笑みを浮かべている。


風景を眺めるのが好きな少女には、最近の夜の雨雲は恨めしい存在だった。星光が無くては夜景は見えはしない。


しかし、今日は綺麗に雲は掛かっていない。

満天の星空である。


唐突に鳴ったノックの音を聞いて、パリキスは不思議そうに扉に目を移す。


「姫さん、いるか~?」


と、いきなり無礼な声がした。


パリキスはキョトンと小首を傾げる。


今の時間、その声の主は主賓として式典に出ている筈だからだ。


「ガル……ン?」


「ビンゴ! ちょっとお宝を貰いに来た」


外の声は正しくガルンである。が、何やら外で声がし始めた。


「……入ってこりゃれ。わらわが許可します」


パリキスの言葉を受けて、ドアがゆっくり動く。


ガルンは申し訳なさそうに、部屋を見回してから入って来た。




「唐突で悪い。まあ、外の連中も驚いていたぐらいだからな」


ガルンは渇いた笑いを浮かべる。


外の王宮警備兵とは、パリキスの声が無ければ一悶着起こす所だった。


(しかし……。付近に王宮近衛騎士がいない? 式典に人数を割いている為か?)


微妙な違和感にガルンは首を捻る。


「今は式典の時間の筈じゃが? そなたは何故ここに?」


パリキスの疑問に、ガルンは微妙に固まった。


パリキスを卑下する王族連中に苛立って、その場を抜け出したとは流石に言えない。


考え込むガルンを見て、パリキスは微かに唇を綻ばせた。


「まあ、よい。理由は詮索せん。とりあえずお宝を貰いに来たと言っておったな?」


「あー、そうそう、それだ。サクラメント? とか言うやつだ。 与えるから、好きな者から選べとか言われたんでね。そんなら姫さんから貰おうかと」


それを聞いてパリキスは少し顔を曇らせた。


その変化にガルンは気がついたが、あえて無視する方向で行く。


「すまぬ……。サクラメントを造り上げるには……材料が足らぬ」


「材料?」


「この国のサクラメントは本来の物とは少し違う。王族の神霊力を持って、様々な鉱石や聖遺物のかけらと合わせ、儀式精製して作製された神秘武具をさすのじゃ。どちらかと言うと錬金魔術で造る武器に近い」




パリキスは申し訳なさそうに少し俯く。


「わらわは……それを成す為の聖遺物を持っておらぬ。わらわでは不完全なサクラメントしか作れん……」


ガルンは小さく両手で服を握るパリキスを、不憫そうに眺めた。


それから指で頬を掻きながら溜め息をつく。


「一つ質問だが、別にサクラメントとやらは、強かろうが弱かろうがサクラメントなんだろ? 要は王宮近衛騎士団に入団した人間が、しきたり的に王族からサクラメントって物を、貰うってだけの話しに思えるが……違うか?」


「概ねそうじゃが、本来得られるサクラメントは一級品。それだけでも戦局を左右する程のものじゃ。兄様達なら、わらわより遥かに優れたサクラメントを与えてくれる筈。それではそなたに申し訳ない……」


それを聞いて、ガルンは鼻を鳴らした。


「それなら問題ないさ。 俺はダークブレイズがあれば十分。それに蝶白夢もある。これ以上武器を貰ったって、正直扱い切れ無いさ」


わざとらしく両手を肩辺りまで上げて、ジェスチャーする。


脳裏にアルシェリットの鎌が思い浮かんだ。


確かに在れば強力な武器ではあったが、なければならない物でも無い。


現にアルシェリットは、後半は自分の十八番の“創成偽龍”しか使っていなかった。


練度の低い武器より、今まで自分の培って来た武器の方が、使い勝手が良いのは当然の事である。




「そう……なのかえ? わらわのサクラメントは上質とはいかんせん。それでもいいのかや?」


「勿論。そもそも俺が此処に来たのは姫さんの為だ。それ以外に興味は無い。貰える物も同様だ。どうせ貰うなら姫さんの物を頂くよ」


ガルンはニコリと笑って、親指を上げる。


パリキスはそれを見て、嬉しそうに微笑んだ。


何かほっとしたような、安堵した表情を浮かべる。


「それならば、わらわが持てる全てでサクラメントを造り上げて見せよう。完成を楽しみに待つが良い」


胸を張るパリキスは何故か得意満面だ。

歳相応の少女ぽさに、ガルンは軽く親しみを感じた。


「了解。貰える日を愉しみにしておくよ。」


ガルンはそう告げると、手を振って部屋を出ようとする。


それに気付いてパリキスは慌てて声をかけた。


「まてガルン! 話はまだ終わっておらん」


「……?」


呼び止められて、ガルンはゆっくり振り返った。


式典を抜け出した手前、余り長居をするのはまずい気もする。


振り向かせてから、パリキスは微妙に硬直した。


何も考えずに呼び止めてしまったようだ。


自分の衝動的な行動に戸惑いを覚える。


兎のようにそわそわしているパリキスを、ガルンは不思議そうに眺めた。




「その……あれじゃ。外では気軽に話し掛けるでないぞ」


「ああ、そう……だな。王族相手に気軽に話し掛ける訳にはいかないからな。公私混同はしないようにするよ」


塔で話していた、畏まらない感じが微妙に抜けない。


アベルの様付けを思い出す。確かに無礼すぎかと頭に過ぎる。


「そう言う事では無い!」


声を荒げてから、パリキスははっとなって顔を少し伏せた。


ばつが悪そうに視線を逸らす。


「その……、あれじゃ、わらわは……あまり兄様達に好かれておらんのだ。わわらと親しげにすれば、兄様達の反感を買うかもしれん」


「ああ……。なるほどね」


ガルンは顔を引き攣らせながら、明後日の方向に視線をずらす。


「それは多分、もう既に遅いなぁ……と」


半笑いのガルンを見て、パリキスは小首を傾げた。




「あの小生意気な下郎が!」


苛立ちの声に、ワイングラスが割れる音が重なる。


ザワリと周りが反応するが、第一王女、セルレイン・ハート・メルテシオンの癇癪は今に始まった事では無い。注目は直ぐに収まった。


「まあまあ、彼はここに来たばかりです。それに王宮近衛騎士団は普通の騎士とは違う。忠誠、公正、勇気、武勇、慈愛、寛容、礼節、奉仕、信念などの騎士道は求められていません」


第二王子、サランディード・アルグ・メルテシオンはやんわりと諭すが、それを第一王子、ダムスライド・グロウ・メルテシオンは鼻で笑う。




「奴らに求められるのは、絶大な戦闘力と、忠節と信念のみ。他はほぼ判断材料に含まれんからな。あのような低俗な奴が紛れ込む」


「私はあのような、幼さが残るのに、ワイルドぶってる少年は好きですけどね~」


のほほんと第二王女、シンフェア・リジェリ・メルテシオンが口を挟むが、ダムスライドは特に気にせずスルーする。


「あのような小癪な下郎も、第四の子飼いであろう! 全く腹の立つ事じゃ! わらわ達のサクラメントの贈呈を拒んだのも、あやつの差し金かも知れぬ……」


セルレインの愚痴を聞いて、ダムスライドの顔にこ狡そうな笑みが浮かぶ。


「サクラメントか……。そう言えば、第四にはろくなレアメタルも、聖遺物も回していなかったな……」


「ふん! あのような者に、誰が希少な国の物資をくれてやるものかえ」


「残りのレアメタルも無ければ、一体、どのような不様なサクラメントが生まれる事やら……」


ダムスライドの薄い笑いを見て、セルレインの口元も釣り上がる。


その様子を老騎士は困ったように眺めていたが、特に口には出さなかった。


それは幾人かの王宮近衛騎士も同様である。


王足る器は、自らが研かねばならない。


それが現王が零した言葉であったからだ。




夜の帳が完全に落ち切ると、パリキスはガルンを窓際に誘った。


「わらわには宝物が二つある。一つはこれじゃ」


右の手首を見せる。

そこには銀の細いチェーンが巻かれていた。


それには赤、青、緑の勾玉が付いている。


何か心が落ち着くような、淡い光りを放っている。


「変わった……宝石なのか?」


「母の形見での。翡翠と瑪瑙と水晶で出来ておる。天三輝あまのみつきと言う東方の宝玉だそうじゃ。これは魔を避け、幸運を授ける加護があるらしい。何かのカケラらしく一つ一つに名前がついておる。ヤタ、ヤサカニ、アメノムラクムであったかの?」


「へ~。綺麗なもんだな。このデザインはいかにも東方大陸ぽいな」


ガルンは勾玉をマジマジと見つめた。


翡翠、瑪瑙、水晶とそのまま原石の色が出ている。それぞれに何か魔力のようなモノを感じるが、それがどんなものかはガルンには分からない。


「綺麗と言えば、もう一つはこれじゃ!」


開け放たれた窓を手で示す。


そこには夜景があった。


城下街の明かりが、美しい光のオブジェを構成している。


「大地に星空があるようであろう! 今日は空も満天じゃ! 窓の外には星の海が広がっておる」


パリキスが喜々として景色を見つめる。


幼い童女のような笑顔は、塔で見た陰気な雰囲気は皆無だ。




大地に流れる光の海と、空に広がる雄大な星空は、万華鏡の様に煌びやかに世界を彩っている。


ガルンは思わず口笛を吹いた。


国の中心、最高位の高さから見る風景はそれだけで格別だ。


ここだけまるで別世界にすげ替えたように、星の王国を作り上げている。


「残念なのは月が見えない事じゃな。1番北側にあるこの部屋は、経度的にその姿を見る事が叶わん」


パリキスは残念そうな表情を浮かべる。


「なら屋上に行けばいいんじゃないのか? もしくは南側のテラス」


ガルンの指摘はもっともだが、パリキスは小さく首を振った。


「王族は、夜はこの中央階層を出てはならない慣わしになっておる。それに……わらわは夜の部屋からの外出も禁じられているのじゃ」


「……」


「ガルンには月が輝く、壮大な星の海を見せたかったのだかな……。それは此処では叶わんらしい」


パリキスの言葉を聞いて、ガルンは小さく微笑した。


「ああ、俺には月なら見えてるよ。綺麗で暖かい月をね」


「……?」


ガルンの不思議な例えに、パリキスはキョトンと瞬きする。


「俺は……人の命の光みたいなモノが見えるんだ」


ガルンはゆっくりと精霊の目に切り替える。


王国には膨大な国民がいる。




ガルンにとっては存在の光が、夜景のように広がっている。


正しく地に輝く星の海だ。

夜は余計な光の概念が無いので、特にそれを感じやすい。


その中で特大に光り輝く存在が目の前にいる。


地に輝く太陽の様でもあるが、優しく、落ち着いた安らかな光は、どちらかと言うと月であろう。


それに、太陽はどちらかと言うとカナンのイメージだ。


「まあ……なんだ、俺の眼には姫さんは月に見えるって事かな?」


「わらわが月?」


「そうだな。色々な意味でそんな気がするよ」


凛とした気構え。


美しい外見。


気高い血統。


それに見合う神霊力。


プラスして高嶺の花のイメージも、遥か高みにある月にイメージが重なる。


「ならば、そなたはわらわの太陽じゃ」


「はあっ?」


今度はガルンが驚く番だった。


何故かパリキスは胸を張って、ガルンを見つめている。


背後の窓から見える星の海の中で、正しく世界を照らす月のように。


「そなたは正しく炎! 世界を照らすあらぶる太陽じゃ。月は太陽の光りを受けて輝きを放つ。月は太陽があってこその存在じゃぞ?」


嬉しそうにパリキスは屈託なく微笑む。


ガルンはその眩しい笑顔を見て、小さく苦笑した。


(俺は……太陽じゃない。燃え尽きる前に一際輝く、消える星のようなものだ)


その一瞬でも月を照らせるなら、星にとっては本望かとガルンは茫洋と考えた。



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