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初恋相手との文通は清らかに紡がれる  作者: 香雪 莉子
魔法競技大会編

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3-2.開幕!競技大会



大会はトーナメント制で行われる。

例年、三学年のペアが優勝することが通例であったためシード権のような枠はなかったが、一学年から優勝する化け物…優秀なペアがいることにより、前年優勝者・準優勝者たちが在籍する場合はトーナメントの端の枠に組み込まれ、一回戦が免除されることが新たに取り決められた。

このことにより、ゼファル公爵令息とガルクス公爵令嬢のペアはシードに。ルークも本来シードとなるはずが、ペア相手が前年と異なるために優勝者との島は別ではあるものの、一回戦からの出場となった。


注目される今年の大会は、一回戦から競技場に多くの観客が押し寄せた。在籍する学院の生徒はやその保護者はもちろん、王宮の要職に就く者など、優秀な若者を探して見にきている者も多かった。



「第一回戦!! 東側、ルーク・ファベルクとセリーナ・ゴルドー!」


「……行こう。大丈夫だ、セリーナ。気を落ち着かせて。」


「……ふう。うん、大丈夫! 頑張りましょう!」



名前を呼ばれた二人は競技大会の初戦へ臨んだ。



----試合開始となって僅か数秒後……



「…しょ、勝者! 東側、ルーク・ファベルク、セリーナ・ゴルドー!」


「「「「…………。」」」」



秒速であった。



審判である教師、対戦相手の女子生徒、観客らは驚愕のあまり表情が抜け落ちていた。

競技場内の人間の中でかろうじて現実を理解できているのは、苦笑いを浮かべているルークと、観客席で満面の笑みで拍手をしているルイーザを含めたユグネル子爵家だけであった。

その二人を除いた人間たちが見つめる先にいるセリーナは、片手で頭をおさえていた。ルークに視線を向け、「ごめん」と小さい声で呟いたセリーナは、ルークに肩を叩かれながら控室へ戻っていく。


勝者が姿を消した途端、競技場内は一気にザワっと騒ぎ出す。



「なんだ今のは!?」

「ファベルク伯爵令息のペアが成績上位者ですらないと聞いて心配していたが、とんでもない逸材じゃないか!」

「あんな子が隠れていたなんて、学院は一体何をしていたんだ?」


「セリーナ、すごいわね! まさか攻撃もなしに終わるなんて!」

「あれは何が起きてたんだ?」

「まさか彼女は今までこれを隠していたっていうのか?」



競技場内のざわめきは止むことがなく、王族席に座るこの国の頂に立つ者たちですら、状況の理解に苦労していた。



「……エオルや。」


「はい、父上。」


「彼女が、シリウスの愛弟子なのだな。」


「ええ、そう聞いています。」


「……そうか。彼女が、シャロン嬢の娘か……。」



ルークとセリーナの相手は、三学年のペアであった。

試合開始直後、どちらの女性陣もまず防御結界を張った。この防御を張るスピードの速さが、勝敗を分ける要因の一つでもあった。


以前からルークは、

()()()()以外にはあの防御魔法は使わずに、段階を下げてくれ。あれだと強すぎて逆に相手が危険だ。」

とセリーナに伝えていた。セリーナもルークの言われた通りに防御魔法のレベルをかなり下げて展開した。


しかし、それでも彼女は規格外すぎた。


相手は三学年ということもあり、相手が防御結界を張るのも攻撃を仕掛けてくるのも速かった。そして彼らは、注意すべきはルークのみで、無名で成績上位者ですらないセリーナは眼中になかった。そのため、彼女が防御結界を張るより早くルークに攻撃を仕掛け、短時間で終わらせようと試みた。

ただ、セリーナの方が展開が早く、そして強力な防御結界であった。ルークが攻撃を仕掛けようと動く間もなく、


セリーナの防御結界に攻撃が跳ね返され、繰り出した本人に直撃した。

防御結界が張られていたにも関わらず。


そしてこれは競技大会史上、最速の決着となった。



競技場内のざわめきは、勿論観客席にいるゴルドー伯爵家の面々にも届いていた。

顔面蒼白のダリオ・ゴルドーと、その横で驚愕しながらも目をキラキラさせて拍手を送っているのはルチア・ゴルドー伯爵夫人と、その娘のリアーナ・ゴルドー伯爵令嬢である。

「セリーナ姉様すごいわ!!」と興奮するリアーナと共に、義母であるルチアも彼女がこれまで隠していた才能に驚愕しつつも心から尊敬の念を持って讃えていた。競技大会に出ると聞いた時は、流石の彼女も「本当に大丈夫なのかしら?」と心配したものだが、全くの杞憂であったと嫌でも理解する。そして彼女がこれを隠していたのも、父親のせいだというのも正しく理解していた。

興奮する二人とは打って変わって、未だ茫然自失のダリオの元にある人物がやってきた。



「ゴルドー伯爵。ご無沙汰しております。」



声の主を見ると、そこにはセリーナの実母シャロンの生家であるユグネル子爵家の面々がニコニコしながら立っていた。



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