微妙な中学33年生の学校生活
さて、そんな中学生生活33年目の僕の学校内での立ち位置はすごく微妙である。
まっ、そらそうだ。だって殆どの子は3年間で卒業して行くんだもの。いや、1割くらいは4年生、5年生へと進級する子もいます。そしてそうゆう子たちは社会にとって、とても有意義な特殊能力を有しているのが普通です。
そして僕の能力も発動さえすれば国宝級の特殊能力なので現在中学33年生でもなんら恥ずかしくはない。
いや、さすがに33年は恥ずかしいか?因みに在学年数ではウロナ王立特殊能力開発機構発足以来、僕がぶっちぎりで一番だそうです。
はい、僕の次に長かった子でも12年で卒業して行ったんだとか。そしてその子は現在『神の手を持つ医師』として手をかざすだけで癌を根治させ、視力を失った方に光を取り戻し、ボケ老人をシャキっとさせてしまう、まさに神の如きスーパー医師として社会に貢献しているんだとか。
くっ、なんか羨ましい・・。でもまぁ、僕の能力だって発現さえすればすごいんだぞっ!まっ、発現しないから33年間も中学生をやっているんだけど・・。
と言う事で、構内では20歳以上の生徒は現在僕だけです。おかげで46歳になったのに自分の人称が『僕』と言わなければならない校則に縛られています。
うん、なんなんだ、この校則はっ!えっ、33年間も中学に居座っているお前が悪い?あらら、そうですか。まぁ、そうですね。学生なんだから校則には拘束されるんだよね。
うんっ、なんかうまい事を言ってしまった気がする。あっ、別に座布団はいらないです。僕はクッション派なので。
で、さすがに33年間も在籍していると一般教養の授業は免除されます。なので学校では殆どひとりで過ごします。
うん、僕ってクラスメイトがいないのよ・・。でも能力開発の授業は能力別に生徒が振り分けられるのでこの授業だけは他の生徒たちと一緒に受けますっ!
とは言ってもみんな年下なんだけどね・・。僕は結婚していないから子供はいないんだけど、1年生の子たちなんて下手したら孫の年代だよ・・。おかげで会話が成立しません。
でもそんな中でも一部の女の子たちは優しいよっ!何かグループを作らなきゃならない課題の時は必ず僕を誘ってくれるからねっ!
そんな育ちのよさげな女の子のひとりがナタリーシャ・ウォーピース、15歳だ。因みにナタリーシャの特殊能力は『強制停戦』。つまり争い事の仲裁です。
くっ、なんかかっこいい能力だな。彼女の能力が花開けばこの世から争いがなくなるんじゃないのか?
そしてもうひとり僕を気遣ってくれる優しい子がアンジェリカ・ウラミカエル、15歳だ。そして彼女の特殊能力は『景気の好循環』である。
うん、きっと能力が発現した暁には経済産業省か財務省から三願の礼で入省を乞われるのだろう。
因みにこれは僕の密かな自慢なんだが、僕が所属する能力別クラスは僕以外は全員女の子なのだっ!はははっ!男の子たちよ、羨ましがってもいいぞっ!
もっとも僕からしたらみんな孫のような年齢なので君たちが興奮するような事にはならないんだけどね。
はい、僕は結婚していないから子供や孫はいないんだけど、さすがに自分の孫くらいの年代の女の子たちには女性としての魅力は感じないなぁ。
まぁ、一緒にいれば楽しいのは楽しいんだけどねっ!でも会話は通じません・・。最近の流行なんておじさんは知らないのさっ!